平成29年4月に予定されている消費税増税(8%⇒10%)について、安倍総理はいか様な判断を下すのでしょうか?
菅官房長官は2月26日の記者会見で、「税率を上げて税収が上がらないようでは、消費税を引き上げることはあり得ない」と発言しています。
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6192656
しかし、安倍総理は2月29日の衆院予算委員会で、「リーマンショック級、あるいは東日本大震災級の出来事がなければ、予定通り引き上げる」とし、「現在のところ、凍結あるいは延期する考えはない」と語ったとあります。
http://www.msn.com/ja-jp/money/news/%e6%9d%a5%e5%b9%b4%e3%81%ae%e6%b6%88%e8%b2%bb%e5%a2%97%e7%a8%8e%e3%80%81%e7%8f%be%e6%ae%b5%e9%9a%8e%e3%81%a7%e5%87%8d%e7%b5%90%e3%83%bb%e5%bb%b6%e6%9c%9f%e3%81%ae%e8%80%83%e3%81%88%e3%81%aa%e3%81%84%ef%bc%9d%e5%ae%89%e5%80%8d%e9%a6%96%e7%9b%b8/ar-BBq8AAt?ocid=spartanntp
また、菅義偉官房長官は2月29日の記者会見で、財政出動(平成28年度補正予算)について、「現時点においては全く考えていない」と発言しています。
http://www.sankei.com/economy/news/160229/ecn1602290011-n1.html
ここからは、あくまで筆者の憶測になりますが、総理は来年4月の消費税増税について延期する意向をほぼ固めていると。
総理が最も気にしている株価が、先般のマイナス金利導入でも効果がなかったこと、そして、現況のGDPや実質賃金、家計消費支出の統計値を見れば、増税できる経済環境にないことは、いかに経済音痴であろうとも理解するでしょう。それに選挙が間近です。
26日の衆院総務委員会での「株価、市場変動のみでなく、実体経済にどういう影響が出ているかも含め考えないといけない」との発言や、周辺に「消費税を8%に引き上げたら景気が冷え込んだ。上げなければ、税収は今頃もっと増えていただろう」と語っているとの報道もありました。
ただし、平成28年度の予算委員会では、流石に増税を延期するとは言えないでしょうね。なぜなら、とにかく予算案を通過させるのが先で、いくら増税反対論が勢いを増そうとも、既定路線である平成29年4月の増税を撤回する方がはるかに国会が紛糾する蓋然性が高いからです。
おそらく7月の国政選挙前に、増税延期を打ち出す算段でしょう。財務省をねじ伏せたと(笑)
さらには、平成28年度補正予算として数兆円程度の財政出動も打ち出すと思います。
ここで重要なことは、数兆円の財政出動では、現状のGDPデフレギャップ(内閣府の推計で約7兆円)や平成27年度予算対比での緊縮分(6兆円※)からすると明らかに足りないということです。今後さらに深刻化するであろう中国の需要後退等を鑑みると、15兆円以上は必要かと考えます。
※平成27年度予算対比での緊縮分6兆円については、次のブログの分析数値を使わせていただきました。
http://blog.goo.ne.jp/keisai-dousureba/e/aeaf3c363068e837fc85848497baf8b6
したがって、消費税増税延期+数兆円の財政出動では恐慌を止めるくらいで、景気浮揚はまずあり得ないでしょう。
緊縮財政派やリフレ派等々から、「財政出動は効果なし」と言わせないためにも、
「消費税増税の凍結と15兆円以上の補正予算が必要だ!」と宣言しておきます。