はろはろ。みなさん、こんにちは。猫天使修行中、黒猫ようたろうです。ようたろう

Time flies.... ですね。もう2月です。外は雪降ってます。。。

ゆ~きやこんこん、あられやこんこん。。。。猫はこたつでまるくなる。。。はずなのに、星影さん家にはこたつがない!

という訳で、寒いのが苦手な僕は少々不機嫌ではありますが、今日は気をとりなおして、もう随分ご無沙汰していた、僕の義理の弟、マックスのお話の続きをしたいと思います。

まず、どれくらいご無沙汰をしていたか、と言いますと、先ほど調べてみたんです。“次の小話では、『マックスはやれば出来る子』をお送りします。。。”と言ったのが、な、なんと、去年の5月3日でした。一年の3/4は過ぎてしまっていたんですね。いやいやホントに Time flies....です。

で、今日はずぅ~っと気になっていたマックスの『マックスはやれば出来る子』エピソードをお話ししましょう。

あれは確か。。。僕がもう星影さんの元を去った後だったと思います。。。
僕を見るといつもシャーシャーやってきてたマックスは、そうする相手もいなくなり、家の外での遊びにも少しずつ慣れてきてた頃だったでしょうか。。。
ただ、星影さんは、家の中の階段とか、窓際とか、何にもないようなところでさえも、つるっと滑ってこけてあごとか打ったりしているマックスを見てましたから、いつも“大丈夫かしら。。。”と思っていたんです。でも、星影さん、僕自身の例を知ってましたからね。“目の前でこんドジなことばっかりやってても、ほおっておけばどんどんたくましくなっていくに違いない!”そうも思って様子を伺っておりました。

そんな時、この事件は起きました。

ある日、いつものように星影さんが自宅のアートルームでアートを作ったりしてた時だったと思います。どこからともなく、マックスの “Rescue-me-voice”(助けてボイス)が聞こえてきたんです。ほら、動物って、ごはんちょうだい、って言う時や、助けて~って訴えかけてる時って独特の鳴き方するでしょう?その時は明らかに “助けて~”って感じの声だったんです。だから、星影さん、マックスを探しました。最初は、また地下に閉じ込められて出られなくなってるのかと思ったんですね。星影さんが住んでたそのおんぼろ家、外からアクセスできる物置部屋、っていうのがありまして、そこを大家さんが道具置き場のように使ってたんです。で、いつもはそこは鍵がかかってるんですが、大家さんが時々来てそこでごそごそとやってると、マックスはよく一緒にその部屋に入って、そのままボイラー室にも繋がっている床下に入り込んで探検するんですよ。で、大家さんは用をすませまた鍵をかけて帰っていく訳で、そのままマックスは床下に入り込んだまま、出られなくなって、そのうち “助けて~!”とにゃーにゃー鳴くわけです。

声的にはまぁ似たような感じでしたからね。まずは、地下のボイラー室に探しに行きました。でもその日はそこにはいなかったんです。そうこうしている間も、ず~っとどこからか、助けて~助けて~にゃ~にゃ~って聞こえるんですよ。星影さんも、「マックス~!マックス~!」って呼びながら探すんですけど、でも、いっこうにそれがどこからかがわからない。そうこうしてるうちに、20分ぐらいは経ってたと思います。

で、“こっちなんていないよな~”なんて思いながら、一応家の周りをぐるっと回ってみました。そしたら、だんだん声が近く、大きくなってきたんです。

そして。。。きょろきょろしながら、ふと上を見上げた時。。。。やっと見つけました。

マックスったら、えらい高い木の上にいたんです。それで降りられなくなって、助けて~助けて~ってず~っと鳴いてたんですね。

「な、何でそんなところに?」

星影さん、まずそう思いました。マックスがどうやってそこにたどり着いたのか、っていうのがわからなかったんです。助けを求め鳴いている場所っていうのは、その木が最初に大きく枝分けれしている部分なんですが、とにかく高いんです。星影さんが、その木の根元、1、2メートル離れて立ったとして、顔の見上げた角度、だいたい80度ぐらいですよ。マックスがいたその木は、おんぼろ家と隣の家の間にある、ちょっと高台になっている雑木林の木だったんですが、星影さんのすむおんぼろ家からは、有に4メートルは離れてます。屋根によじ登ってもそれよりも高い位置ですから、そこからむささび君のように飛べるわけはなく、どこかの枝をつたってもその場所にはいけません。リスが電線とか細い枝をうま~く走ってるのは何度か見たことはありましたが、その時、家と雑木林の間に伸びている木の枝は、りすでも無理、っていうぐらい細いものでしたから、まず飛び移った、っていうことは考えられませんでした。

「じゃ、登ったの?」

ってことなんですが、そうするにはマックスがツメを立てながら、その木を垂直に登っていかなければならないんですよ。2,3メートルならともかく、有に5メートル以上はあります。その木はかなり垂直で、他に飛び移れるような木もなければ、途中に枝分かれもしていないんです。それに、その木に登るためには、マックスはまず、その高台になっているところまで、よちよち登っていかなければいけません。

星影さんは、80度上空で泣き叫び続けるマックスを眺めながら、頭の中に沢山の?????が浮かんでは消え浮かんでは消え。。。しておりました。

結論からすれば、登ったんだろう!としか言えないんですが、家の中でいつも、つるん、ころん、すってん、とやっていたマックスが木を垂直に5、6メートルも登っていくところは想像はできませんでした。

。。。でも、実際マックスはその木の上にはいるわけで。。。
星影さんは、考えました。そして、

「。。。登ったんだったら降りてこられるでしょう?」

と思いました。そうする間も、マックスはといいますと星影さんの姿を見つけ、いっそう激しく “助けて~!助けて~!”と木の上から泣き叫んでいたのですが、星影さん、次にどうしたと思います?

星影さん、目の前に手を合わせ、祈り始めました。

「。。。本当にマックスがこの木に登ったんだったら、マックスは私が思っているよりも、もっともっと力のある子に違いありません。マックス、自分で登ったんだったら、降りてきなさい。できるはずです!You can do it! You can do it! (あなたならできる!できる!できる!)。。。」

マックスが死に物狂いで助けを求めてにゃ~にゃ~鳴いてる中、星影さん、薄情にも5分近くは祈ってたんじゃないですかね。

でも、その5分後、マックスはあいかわらず、星影さんの頭の上で泣き叫んでおりまして、それを見た星影さんは、

「。。。ダメだこりゃ。」

と諦めたわけです。そして、マックスを降ろすためにどっちにしろハシゴが必要ですからね。「ちょっと待ってて。」とマックスに言った後、「何かの時使ってもいいから」、と言われてた大家さんの大きなハシゴを取りに地下のボイラー室に向かいました。ボイラー室は、その時マックスがいる木がある側ではなく、正面玄関の並びにあるので、いったんは姿を消さなければいけません。でも、もうその時は、星影さん、“私が助けてあげなければ!”って思ってますからね。そこからは急ぎましたよ。「Mama will come to you~!! (おか~さんが今いくからね~!)」って思いながら、えっちらおっちら、でっかいハシゴを地下のボイラー室からずりずりと引きずり出したんです。
その時ちらっと、星影さん、「これでマックスが降りてきてたら笑うわ~。。。ま、そんなことないか。。。」と思ったの覚えてます。

で、でっかいハシゴをずりずりと引っ張り出して、さて、助けるぞ~!ってマックスのいる木の方へ向かおうとしたその時です。

「。。。え?」(星影さん)

「にゃ~」(マックス)

目の前の地面の上をマックス、いつものようによちよち歩いてました。

「自分でできた~」と言わんばかりに。。。

星影さん、といったら、口あんぐり、目がてん、状態ですよ。“これでマックスが降りてきてたら笑うわ~。。。”なんて思いましたが、不思議と笑えませんでしたね。人間の心情とはおもしろいもので、誰かを「よし、がんばれ!自分でできるよ!」なんて応援してて、その時その子ができたら、万歳万歳!って一緒に喜んであげれるくせに、「わかった!おか~さんが助けてあげる!」なんて思ってる時に、その子が自分の力で何かをやってのけたりすると、とたんに、「ま、よかったんじゃん?」なんて、素直に喜んであげれなかったりするもんですよね。

猫天使修行中の僕からすれば、この時のマックスと星影さんのやりとり、愉快で仕方ないんですが、星影さん自身は、ハシゴをまた片付けながらも、“ど~もしっくりこないわ~”って感じでしたね。

それでもね、この出来事は、もちろんまた星影さんとマックスの距離を縮める良い機会になったのです。

星影さんはこの出来事以来、『マックスはやればできる子』っていうのが星影さんの目の前で証明されたわけで、もっともっと前にも増してマックスの事を信じてあげよう、と思うようになりました。同時に星影さんの周りにいる人達の気持ちもより理解し、やさしい気持ちで見れるようになっていきました。マックスはマックスで、一人で降りられた時は、「一人でできた~!」って感じに振舞ってしまったけど、一人になった時ちゃんとわかってたんです。あの時、星影さんが木の上にいる自分に気づいてくれていなかったら、僕はずっとずっと怖くて鳴き続けていただろう。。。って。

マックスはまず、星影さんが自分を傷つけない、ということを理解し、自分を応援してくれている存在なのだ、ということはわかってきたんでしょう。そのうち、外での遊びから帰ってきたときは、騙された振りして一回は星影さんにチューしてあげ、星影さんにも一回はチューさせてあげ、少なくとも10秒は、星影さんの腕の中でよしよしさせてあげるようになりました。気が向いた時は、ソファで一緒に寝たりもするようになりましたし。基本スキンシップは苦手なマックスもマックスなりに努力をしたのです。

こんなふうにお話してると、人と人だけではなく、人と動物との出会いもすべてご縁だ、ってわかりますよね。そして、お互いが分かり合うには時間と歩み寄りがやっぱり必要だったりする訳です。

あ、ちなみに、マックスはその後、二度とあんな高い木に登るなんてことしませんでしたし、ましてや木登り猫になったりなんでしませんでしたよ。そして相変わらず、やっぱり時々は、つるん、ころん、すってんと ドジな事をやってました。めでたし、めでたし。。。(?)

こちらは今回のおまけ。
こんな風に、外で遊んでる時に呼ぶと、あん、あん、と鳴きながら 歩いてまっすぐ星影さんのところに来てました。(急いでても絶対走らない!)


こちらは、すやすやとお休み中を星影さんに撮られたもの。

なんだかんだ言って、かわいい弟でした。
今度の小話はそろそろ僕のことも書こうかな。。。なんて言って半年後だったりして。。。実は他にも日記とか書きたい事はあったりしてるんだけど。。。。期待しないでお待ちください。

ま、とにかく今回は、
マックスの、「僕、すごいでしょ。」のエピソードをお話しいたしました。

それではまたね。

ようたろうようたろう