江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

「特別支援教育」に異議あり!(4)

2022-12-04 | 随想
「教育現場には素人の目や感覚が必要」だと先に述べましたが、それはかつて、「教師聖職論」がある団体から言われた時の考え方に学校観や教育観の典型が見られたように、学校教育は普通の人には担えないとすることへの批判です。
これに対抗した「教師専門職論」も教育労働を特別視した点で同様な誤りをしていました。

学校現場での仕事に限らず、どんな労働現場においてもそこでの専門性なり独自性は存在し得るのですから、敢えて学校現場を神聖なあるいは専門性の高い場所として位置付ける必要はありません。
そうでないと、普通の人間には関与することができなくなりなります。

即ち、学校で為されていることに口を挟めなくなり、極端な場合、学校が国家の意を受けて暴走するのも止められなくなります。

今では「クレーマー」と言われる形で理不尽な要求をぶつけてくる保護者がいることは確かですが、学校という所はその様な人たちも含めて外部からとやかく指摘されるのを好みません。
それは、内部関係者のみが真実を把握しており、子どもたちを動かしうる主体だと考えているからだと思います。
特に障害を抱えている子どもの教育は、より手厚くフォローされなくてはならないため、「普通の子」の教育を超えてより高度な専門性が必要とされると考えられがちです。

ところがどっこい、生身の子どもたちの生活の在り様は「専門性」のみに委ねて全てが円滑に回るわけがありません。
もしかしたら、時別支援という形でやられていることが子ども本人にとって最良ではないかもしれないからです。

仮にその時別支援を良しとした場合でも、それが支援学級という場ではなく普通学級であった方がより良い場合も考えられます。

これは一例に過ぎませんが、この様な場面に限らず障害を持った子がどんな学びをどこでどの様にしたら良いのかは、内部の専門的知識や技術を持った人でなくても容易に発想できるのではないでしょうか。


(つづく)


<すばる>

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