江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

長雨で理科の授業が進められない!! 体験なしのタブレット授業は感動を生まない!!

2021-09-12 | 随想
先月始業式翌日の26日からもう3週間も働いた。

猛暑から一転9月は長雨ばかり。理科の授業は天候に左右されて進めない。
9月の教材は3年生「昆虫のかんさつ」4年生「月や星のうごき」5年生「花から実へ」
6年生「水よう液の性質」となっている。

「こん虫の観察」は教室から出て、学校園の草むらや花壇を自由にめぐりこん虫が何処にいるか見つける学習だ。
長雨で1時間しか外に出られなかったが、幸いにもアゲハ蝶やトンボ、バッタなど見つけられた。
しかし、都心には、四方がビルに囲まれ校庭に土が全くない学校もある。
屋上にプランターを設置しキャベツを植えても、モンシロチョウが来なくて観察が出来なかったと云う話も聞いた。
 
「月のうごき」は「半月の動き」と「満月の動き」が見える時間帯に外に出て、東の空から南の空を通って西に動くことを観察する学習だ。
4年生にこの教材が必要なのか疑問に思う。

月の観察は天候にも左右される。
今年の中秋の名月は9月21日だが、半月や満月がはっきりと確実に見える保証はない。
まして、学校では出来ないので家庭に任せることになる。

家の窓から空を見て観察出来るとは限らない。外に出るので大人がいなければ危険だ。
しかも、1時間おきに2~3回月の動きを観察するのだ。
星の観察も月と同じだ。星の見える夜、家庭で1時間おきに動きを2~3回調べる。

私が生まれ育った農村地域の山奥は、夏から秋にかけて天の川がはっきりと見え星が空から降り注ぐような夜だった。
刈り取った稲を真夜中の「稲架」掛けしている合間に、明るい星や瞬きしている星など親に聞いて教えてもらった。
星の明るさや色など目で見て区別出来て、知らず知らずのうちに星座など生活体験の中で覚えた。

しかし都会は街灯や建物の照明で、星など見つけるだけで大変だ。
北極星を見つけてとか、ベガ・デネブ・アルタイルの「夏の大三角」を探すなど要求が高すぎる。

結局タブレットで、「半月」「満月」の動きや、「夏の大三角」を調べなさいと云うことになる。
2学期から1人1台タブレットを持っているので、直ぐに調べられるが体験を伴う学習には程遠い。
指導時間は月と星で4時間。これで理科が好きな子どもが育つだろうか。


3年から5年は植物教材が多い。
ホウセンカ・ひまわり・マリーゴールド・ヘチマ・ひょうたん・ゴーヤ・アサガオなど畑に植えたが、8月の猛暑で畑は雑草が伸び放題だった。
5本のひょうたんは花の咲く前に枯れていた。
ゴーヤもひょろひょろし花も咲いていない。
ヘチマだけが辛うじて、雄花が咲いているが雌花はなかなか見つからない。




 
アサガオも「おしべ」の花粉と「めしべ」を顕微鏡で見て受粉を調べる学習がある。
それは花の開いた「おしべ」の花粉と開く前のツボミの「おしべ」の花粉をみる。
咲いた花は当日用意して、ツボミは前日の夕方用意する。
数は1クラス20個ずつ毎回用意している。

学校での植物教材は確保できないことも多く、天候の影響で学校のアサガオは花が少なかった。 
アサガオは自宅でも毎年植えている。
それで数は確保でき授業には間に合った。 
 
文科省は来年度より小学校高学年理科を教科担任すると云うが、それに応えうる教員が確保できるのか、
学校園やビオトープとか大々的な環境整備の方を優先すべきではないかと思う。
                        

<農家の後継ぎだった「デラシネ」>

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