10年以上前の話である。

 

2011年3月11日の東日本大震災の頃、

連日の被災報道を見ながら、

運良く被災から免れた方たちの誰もがこう思ったことだろう。

 

「今の私にできることはないだろうか」

 

当社JESもこれについて連日話し合った。

 

※時間があれば、

2011.3.11以降のブログをお読みになれば、

地震予知のことや、

その後の余震回避を含めた宝徳様の特別祈願など、

当時の様子を知ることができるでしょう。

 

会議で決まったことは、

『あらかじめ予算と期限を決めて、

命水無料などの救済措置を取る事』

…だった。

 

ようやく決まったものの、

どうも心の中は釈然としない。

 

全体会議も終わり、

6階の会議室から7階の事務所に戻った。

 

エレベーターの扉が開くと、

当時入口に掛けられた額の標語が目に入った。

 

※四、「業を企てる」企業と違い、

「神聖なもの(社)と出会う(会)」会社を目指す…]

 


それを目にして『ハッ』と思った。

 

この会社を当時から数えて、

26年前に作った頃の思いが甦ったのである。

 

「救済予算と期限を決めるという事は、

打算に当たるのではないだろうか…」

 

「打算の思いで、

被災された方々の救済を図ることは、

会社を作った意味に反する事なのではないだろうか…」

 

「業(ゴウ=カルマ)を企てる企業なら分かるが、

打算で神聖な神の社(会社)を築くことなどできるのだろうか…」

 

 

そんな思いがふと頭をよぎり、

現・副社長の佐藤を呼んだ。

 

「さっきの会議で決まったことなんだけど、

実は予算と期限を無制限にしたいんだ。」

 

『えっ!予算を無制限…

そんなことしたら会社はつぶれます!』

 

「うん、つぶれたら君が会社を興せばいい」

 

『そ、そんな簡単に…』

 

「今まで会社を支えてくれた会員さんたちが、

被災されて困っている。

それを無視することなんてできないよ。

この時のために頑張ってこの会社を続けて来たんだ。

それが今だと思う。

偽善だと言われようが、

僕は信念に反してまで妥協したくないんだ。」

 

『…わかりました。

社長が興した会社です、

皆にも社長の気持ちを伝えて、そう説得しましょう!

きっと皆なら分かってくれると思います。』

 

 

…周りの友人社長からは、
とうとう本井は気が触れたと思われた。

 

早速全国の会員に向けて、

被災された方には命水の定期無償配布

(毎月の定期購入分の銀行自動引き落としをストップして無料発送)、

また布団からシャンプー・石鹸等を含む当社取り扱い全商品の無料化、

そして現金が必要だと認められた方にはそれも差し上げるという、

多分会社では誰もやったことのない前代未聞のはがきを一斉に投函した。

 

そのはがきが届いた日から、

十数回線ある社内の電話はすべて話し中で塞がった。

 

実を言うと、

矢継ぎ早に鳴り響く電話の音を聞きながら、

足がガタガタ震えて止まらなかった。

 

本当に倒産するかもしれない…

 

自分で決めておきながら、

冷たい汗がしたたり落ちる。

 

毎日、

経理の持ってくる通帳を見るのが怖かった。

 

それから1か月たち、

商品の仕入れも連日ハンパないため、

とうに数千万近くは赤字になっているはず。

 

通帳残高を見る。

 

えっ!

減ってない…?

 

倒産したら仕入れ業者さんに払えなくなるため、

急遽、発注即支払いを続けていたのに…だ。

 

なぜだ??

 

その理由は、

はがきを見たほとんどの会員さんたちがJESの心意気を感じ、

『私も売り上げで協力したい!』と、

JES取り扱い商品を大量に買ってくれたのである!!

 

売り上げはいきなり通常の月の2倍以上…

 

その3か月後に蓋を開けてみたら、

結果的になんと、

無償提供費用が売り上げ利益でカバーされていたのである!

 

当社の顧問会計士も驚いた。

 

『本井社長、

3か月分の無償提供分と売り上げ利益がほぼ同額…

なんと数万円の差しかありませんよ!』

 

…ありえない奇跡が現れた。

 

しかも、

もっとすごい奇跡がその後に現れたのである。

 

震災から8か月経った頃、

毎月の定期購入を無償にした家族が全国に277世帯おられた。

 

この被災された277家族には、

希望があればJES全取り扱い商品の無料提供と共に、

命水定期購入分の銀行引き落としもストップし、

毎月無料で命水を送らせて頂いていた。

 

ある日、

当時サポセン長だった見上が、
「社長、ちょっと宜しいですか…」と社長室に来た。

困ったような呆然としたような顔だった。

『どうしたの?』と聞くと、
「実は…」と口を開いた。

 

『実は…。

毎月無償提供していた277家族の被災者の件なのですが、

全員が、毎月の銀行引き落としを再開されました。』

 

「え~!?

ぜ、全員? 277家族が?…」

 

『そうです、

誰一人欠けることなく277家族全員が復活されました。』

 

「どういうこと??

ま、まさか見上さん、あなた、

一人ひとりに銀行引き落としの再開を勧めたとか?

8ヵ月無償提供したんだから、

もうそろそろ引き落とし開始してもいいですか…とか?」

 

『と、とんでもありません!

総て被災者自らの自己申告です!

これを見てください。』

 

見上さんの手には、

Faxやらメールやら手紙やら、

お礼と共に復活のお願いの束を持っていた。

 

一部読んで見ると、
被災者からのFaxとたくさんの手紙と御礼のハガキだった。

 

※「ありがとうございました」、

「とても助かりました」、

「こんな会社は初めてです」、

そして全員が、

「もう大丈夫ですから、引き落としを再開して下さい」…。



このように、

無償提供した分だけほぼピッタリの売上利益が上がり、
しかも99%ではなく100%の引き落とし再開…

 

277家族一人も欠けることなく、

こんな100%なんて奇跡があるだろうか。

 

これは作り話でも何でもなく、

現実にこういった信じられないことが起きていたのである。

 

まさに神が働いたとしか考えられない。

 

※神は「打算」「妥協」「惰性」は許さないという話を、

どこかで聞いたような。

 

まさに奇跡の連続である。

 

どこかの記事でも書いたことがある。

 

宝徳さま宮司から、

「神はこいつは面白い男だな、とか興味を持つと、

信じられないような運と奇跡が舞い込む」と。

 

※そう言えば、

宝徳大社11/3神幸祭でかなりの火の鳥が飛んだようですね!

 

 

100%とは決して人間の力ではなく、

神の力が働いたからこそそういったことが起きたのかもしれない。


このように10年前、
通常の経済活動では有り得ない奇跡を体験させて頂いた。

単なる損得や打算、
数字では割り切れないものが真の経済活動にはあるように思った。

 

経済の元となった、

「経世済民」とはそういった意味なのだろう。

 

※「経世済民」とは、世を治めて民を救うことの意。



こういったことは算盤では決して算出されず、
実は確固たる天地自然の法則に基づいているのではないか。

見返りを求めるのが現代の当たり前の経済概念ではあるが、
中には計算外の、

見返りを超える《何か》が奇跡を起こすのではないか。

その《何か》とは、
愛であり真実であり優しさであり労りであり感謝であり、
何よりも相手のことを思う心だと思う。

 

※参考

 

 

さてそろそろ前置きはこれくらいにして、

本題に移ろう。

三番目の軌跡の話である。


当時、

現金が必要な方には、
お見舞金として最高●●万円を支給した。

それから10年以上経って、

手紙と共に末川さんと言う会員さんから現金が送られてきた。

 

支給した同額の●●万円入っていた。

 

見上が、

『それはお見舞金なので返さなくてもいいんですよ』

とメールで対応したらしいが、

しかし、要約するとこのように返事が返ってきた。

 

大変長期に渡り、今日の連絡となり大変恐縮でございます。

10年前の震災時に問い合わせた私に、

本井社長は「歩いてでも来なさい」と仰いました。

 

あの時、一人娘が震災で顔に傷を負って病院に運ばれ、

また寝たきりの病弱な母もいて、

心身ともに生きる気力を失っていた頃でした。

その時にどれだけ励ましとこのお金で助かったか分かりません。

 

そして自分のけじめとして、いつか必ずお返ししようと思い、

それを目標にして、僅かながらもコツコツお金を貯めてまいりました。

生かして下さいました本井社長に応えられる生き方をしようと、

今まで本当に励まされ続けました。

 

苦しくても会員として繋がっているだけで、

JESがありそこに本井社長がおられること、

それだけで勇気と希望と夢をもらい、

毎日励まされ続けていたからこそ頑張って来れたように思います。

 

今ただただお返しできる喜びをかみしめています。

これからの人生は、命をつないでいける限り娘を幸せにして、

周りの縁のある方々の健康と笑顔のために働きます。

 

ひたすらに社長、皆さま、JESの発展とご活躍を心から祈念しております。

本当にありがとうございました。

今度は、本井社長を幸せにするつもりで東京に戻ってまいります。…

 

 

 

プライベートもあるので詳しくお話しできないが、

当時彼女は小さなお子さんを抱えたシングルマザー。

 

働き手は彼女しかいない。

 

経済的にも苦しい中、

病気がちで寝たきりを繰り返すお母さんを必死に支えていた。

 

お母さんの健康のために、

決して裕福とは言えない環境の中で、

JES会員に登録された。

 

苦しかったに違いない、

それでも今までずっと会員を続けて来られた。

 

入った頃は、

本人も決して健康とは言えない状態であった。

 

追加の余裕はないため、

定期購入の一日30㎖を分け合っていた。

 

時間が会えば、

小学生低学年の可愛いお嬢さんと一緒に、

その頃よく開催されたJESセミナーにも顔を出されていた。

 

とても明るくて賢いお嬢さんは、

セミナー中もみんなの邪魔にならないようお絵描きして時間をつぶし、

将来の夢を聞くと、

『大きくなったら女優になるの』と。

 

友達と遊びたい年頃なのに、

屈託のない笑顔で彼女はそう答えた。

 

帰りにお菓子を渡すと、

隙間だらけの歯で微笑む彼女は天使に見えた。

 

 

そんな彼女(茉莉花さん)も今は18歳(高校三年生)、

演劇部の部長、
軽音楽部の副部長、
生徒会では選挙管理委員長を務めているそうだ。

 

↓↓↓

 

 

 

時が経つのは早いものだ。

 

皆さんも、

未来の女優を応援して頂けたら幸いだ。