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半導体バブルはピークアウトするも、なぜ新車納車を1年以上待つ事態が起こっているのか?

2022年07月27日 ネズミ1号:略称「T」
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超高級チップを乗せる割のいいスマホが優先され、安価な多様なチップで構成される自動車電化部品は品薄→自動車完成品を組み立てらないということらしい

EETimes:「半導体市場、2024年には供給過剰に陥るリスク、23年以降稼働する工場は特にリスクあり」

この記事からもわかる通り、巷では、半導体不足で部品や新車の納期が遅くなっていると言わていますが、実際は、家電や部材で使われる23nmの半導体の品不足はもはや解消されいるようです。ただ、一方で、新車の納車が1年以上、大手トヨタも売れ筋のカローラから高級車レクサスまで十数車種の新車受注をストップなんてニュースも耳にしますね。

排ガス規制が厳しい近年、思いもよらない高額部品の故障に要注意」の記事でも記載しましたが、所有する今年6月に所有する車のNoxセンサーが壊れてYANASEで修理をお願いしましたが、本国注文のNoxセンサーが半年待ちという実体験を紹介したばかりですが、どうやら半導体不足は解消されているようですが、いろいろな事情があるようです。


 

 

半導体バブル崩壊は、投資家・マーケットは既に織り込み済み

世界的な半導体企業関連銘柄の株価は今年から緊急下落傾向

さくっと英文記事を検索しただけ、半導体需要が鈍化、スマホ出荷N%減少、パソコン集荷現によるメモリ、CPU在庫積み増しなどなど超明な半導体企業の株価は既に下落しているようです。

semiconductor-trends-2.png

S&P Global

上図からも実は昨年21年をピークに半導体供給不足は解消されていて、今年2022年に入ってからは、メモリなど、一部半導体価格は下落に転じているようです。

世界の半導体メーカーの株価推移を見てみると分かり易いですが、株価は今年に入ってから軒並みさがっていますね。

semiconductor-trends-2.png

FXSTREET

ただ、これら半導体メーカーはCPUなどの高級な半導体に関するメーカーのようでもありますね。一方で自動車や家電製品などに使われている1・2世代前の安価な半導体が主に品薄となっていたようですが、こちらも実は品薄状態は既に解消されていようです。

ウクライナ戦争、上海ロックダウン、世界的なインフレという背景を元に、サプライチェーンの再構築が進んでいる

トヨタなどは十数車種もの新車の受注を中止しているようですが、これは半導体以外の部材、ハーネスやさまざま部品必要とするECUを構成する単価の非常に安い小ロット発注半導体部品在庫がグローバルサプライチェーンで根詰まりが起こっているようです。

ある業界関係者によると、「超高級チップを乗せる割のいいスマホが優先され、安価な多様なチップで構成される小ロット発注の自動車電化部品は品薄回復が遅くなっている:製造工程での根詰まり解消に少し時間がかかる→当該部品が届かない→自動車完成品を組み立てらない」という事らしいですが、電化が進んだ自動車の弊害とも言えますね。

ただ、他のサイトの資料をみると、先に述べた一般家電や自動車などの電装部品に使われている28nmクラスの安価なチップの供給不足は既に解消されているとのこと。熊本に作られるTMSC工場は、このクラスの半導体の前工程工場のようですが、安定供給という点ではありかもしれませんが、今後5年から10年で経産省の誘致政策がどういう結果と出るか気になりますね。

でも、Just in Timeで有名なTOYOTA生産方式をフル回転させている胴元トヨタ車自体が、新車受注要求に"今"答えられなくなっている状態というのはある小ロット発注による根詰まり問う意味では、意味象徴的な出来事のように思います。

私の車のNoxセンサーもECUが搭載されている部品の一つだと思いますが、今年年末ぐらい目途と言われていますが、実はもう少し早めに安価な半導体の根詰まりも解消され、YANASEさんから部品が入りました!と連絡がくるかもしれない・・とちょっと期待しています。

現在、新車が品薄なので、中古車マーケットがプレミアム価格となっていたり、住宅メーカーなどでは、木材をはじめとしたあらゆる資材の高騰で苦労していると聞きますが、2年以上続いているパンデミックや、これまでの全世界的な金融緩和政策などによる急激なインフレ、グリーン政策を掲げたことによるエネルギー価格インフレ+ウクライナ戦争を発端としたグローバルサプライチェーンにおける地政学リスクの再認識などを背景に、実はあらかじめ、次なるリセットに向けて誰かが筋道をかいたシナリオ通りに進んでいるものなのかもしれないと思ってしまいます。

米国インフレは、景気を後退させないと収まる気配がないようですが、ますますの金融引き締めと利上げをFRBも本気で考えているようでし、中国も不動産バブルは崩壊寸前のようです。

こうした情報を見てしまうと、来年2023年から24年にかけては、これまで騒がれていたことが嘘になるような全世界的な需要減が起こり、在庫余剰で品物の値段が安くなっていくようなことが起こることもあるかもしないと思ってしまいます。

いずれにしても、先進各国及びアジア地域で進んでいるインフレがどうランディングするかによっては、来年以降の景気動向が左右させることは間違いないように思えます。

いろいろな情勢や要素がまざりあい、近い将来展望について不確定性が増している感じですが、今後、景気後退が起こる可能性が高いのは確かそうなので、投資が好きな人は、今売って、下がりきった時に買いまくるような次なる儲けのタイミングをひしひしと狙っている感じかもしれません。

「底値で投資して、高い時に売る」というのが投資の基本だと思うので、大きなリセッションが起これば、手堅い投資をする自信があれば、次の5年~10年スパンで結構な利回りを生むことができるかもしれません。

今は、ひたすらケチケチ戦略で、1円単位のロスにも注意しながら、きたるフィーバー期に動かせるお金を作っておくことができる人は、チャンスつかむタイミングが近い将来、訪れるかもしれませんね。・・・

ただ、私もそうなのですが、なかなか、思い切ってチャンスをつかめない(景況を読んで思い切って張れない)とうのも小市民マインドのたまものと言えるかもしれません。



2022年07月27日 ネズミ1号:略称「T」
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