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怪さんぽ大阪日本橋・オバケがでるラブホテルを見てきた

■たまには地元で

どうも最東です。

最東は時々、トークイベントというものに出ます。最近は、進行のお仕事をいただくこともあったりして、ますますなにしている人かわからなくなってきました。

以前、とある大阪の会場で怪談トークイベントのゲストとしてお呼ばれした際、こんな話を披露しました。

~ラブホの鏡でびっくらボン!~

あるカップルが、ことに及ぼうと国道沿いのラブホテルに入った。

入った部屋は天井も壁も鏡張りで男は欲情を駆り立てられ、女は君の悪さを感じた。

昭和のころ作られたラブホテルにはこういった趣向の部屋が多くあった。彼らが泊まったそのホテルもそんな昭和の、凝ったラブホテルの残光だったのである。

互いにシャワーを浴び、ベッドになだれ込むと行為がはじまった。

鏡張りの部屋に当初こそ気味悪がっていた女だが、いざ営みになるとそんなことはどうでもよくなり、ふたりの時間を楽しんだ。

ふと目を開けると覆いかぶさる男の肩越しから、天井の鏡に映る自分の姿が目に入り、ここがそういう部屋だったと我に返る。……と、同時に女は違和感を覚えた。

一心不乱に腰を振り続ける男の背。白いベッド。そして、自分。

女は鏡に映る行為中の自分と目が合った。

真っ白い、知らない女だった。鏡に映っているのは、他人だったのだ。

それも、ひと目でわかるくらいに生気のない、異様な顔。

目が合っていたはずなのに、次第にその目は真っ黒い穴ぼことなり、にたりと笑った。

まさにそれは、この世の者ならざるものだった。

のちに聞くところによると、そのホテルでは過去に殺人事件があり、女が殺されたのだという。事件があった部屋がどこだったのかは不明だが、あの鏡張りの部屋だったに違いない。

女はそう語った。

~ラブホの鏡でびっくらボン! 完~

その時のイベントは、無観客だったので聴いた人の反応はわからなかったのですが、そのあとにほかのゲストが語った『おっぱいだけの幽霊』『ちんちんの幽霊』の話に搔き消されてしまいました。

あ、そこの人! 変な顔したでしょ!

でもおっぱいとちんちんの怪談、最東もタイトルだけ聞いた時は笑ってしまいましたが、聞いたらめっちゃ気持ち悪い話だったよ! ほんとだよ! これだから怪談は侮れないね!

と、まあ、そういう感じで無事イベントは終了しました。

終了後、帰ろうとしたところをスタッフの女の子に呼び止められ、「お、いよいよ俺も逆ナンされるGUYになったのかよ!」と内心期待したのですが、その子は私にこんなことを話してくれたのです。

■ロンドン

「あの、私デリで働いているんですけど」

「すげえじゃん! インドで働いてるん!」

「それデリーです。そうじゃなく、デリヘル(デリバリーヘルス)です」

「え? お、おん……(動揺)」

「さっきのホテルの話あったじゃないですか、あれを聞いて思い出したんです」

「お、おん……(お店どこかな)」

「日本橋に『ロンドン』ってホテルあるの知ってます?」

「ロンドン? いや、知らんなあ」

「日本橋のホテル街があって、そこにロンドンっていう古いラブホテルあるんですよ。そこ、私たちの業界で〝出る〟って有名で。そこに呼ばれるとめっちゃテンション下がるんですよね。あのホテルをNGにしている女の子も多いんです」

「幽霊ホテルってこと?」

「そうです」

「特定の部屋に出るとかっていう話なんかな」

「違います。あそこのホテルはどこに呼ばれても出ますし、貸し出してない部屋とかもあります。もう、その時点で気持ち悪いでしょ?」

「君は見たことあんの?」

「はっきりしたのはないですけど、行ったら気分悪くなるんですよ。部屋入ったら視線感じたり、音とか声とかしたりして、全然集中できなんです」

「ロンドン……か」

「いっぺん見に行ってみてくださいよ」

と、いうわけで行ってきました!

さて、ここまで読んだみなさんは「おいおい最東の野郎、ホテルの実名だして大丈夫かよ!干されるのかよ、え?」と思ったことでしょう。

イベントが開催され、この話を聞いたのはまさにコロナ渦の真っ最中。数か月に及び、ありとあらゆる施設が休業していたころです。

そして、しばらくして解除されてからたまたま日本橋近くに行く予定があって、寄ってみたところ……ホテルロンドンは廃業してました。

現在は廃ホテルなんですねこれが。

そういうわけで、当記事では名前を出したというスンポーです。

話を聞いた時、スタッフの女の子はまだ現役でデリヘル嬢をやっていたっぽいので、ロンドンは私が訪ねるちょっと前までは営業していたようです。

古いホテル、という話がありましたが実際見てみるとたしかに古く、老朽化もあったのでしょう。味があるといえば味があって、個人的に好みではありますが、アレをするにはちょっと嫌なところかもしれません。

このホテル街には、ほかにもコロナ渦直撃で廃業したのか、それともそれ以前から廃業していたのか、廃ラブホテルが散見されます。

場所が場所だけに再利用も難しいので、取り壊されるのを待つだけとなりそうです。

それにしても『オバケが出ると有名なホテル』、一回利用してみたかったな。(ラブホはひとりでも入れます!※場所にもよる)

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