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マティセーvsプロボドニコフ、カネロvsカークランド決定!

近年最大の超ビッグマッチであるメイウェザーvsパッキャオの交渉長期化はボクシングビジネスの世界に「交通渋滞」を引き起こしていたようだ。その証拠にこれまで長く交渉中と伝えられてきた2つの注目ファイトが、メイパック発表からわずか1日以内に相次いで決定と報じられた。

Mathysse vs Provodnikov

まず4月18日、ニューヨーク州ターニングストーンカジノにて超弩級の強打者対決ルーカス・マティセーvsルスラン・プロボドニコフが行われる。ボクシングファンなら名前を聞いただけでヨダレが出ること必至のこの組み合わせ、ゴングが鳴る前から年間最高試合ベスト5入りは約束されたようなものだ。

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ついに、ついにメイウェザーvsパッキャオ決定

MayweatherPromo_2015-Feb-20.0

Signed, sealed, delivered.

5年以上にもわたってファンを待たせ続けた「あの試合」が、ついに、とうとう本当に正式発表された。フロイド・メイウェザーvsマニー・パッキャオ。2015年5月2日、米ネバダ州ラスベガス、MGMグランドガーデンアリーナ。現在のボクシング界が提供しうる最大の、そして歴史的に見ても屈指の、超ウルトラスーパービッグマッチがホントの本当に実現する。まあもちろん「5年遅い。もう興味ない」とか言うのは自由だが、どうでもいい。今朝目が覚めてすぐに、予感と期待を胸にTwitterをチェックしたまさにその瞬間に第一報が飛び込んできた。その瞬間の心音の高鳴りと歓びは僕の本心そのものだ。前回の記事から一ヶ月近くが経過して、予想の期日を大幅に超過しているので「だから言ったでしょ?」とは言い難い。でもはっきり言って、今回に関してはどんなにネガティブな情報が流れても僕は悲観論を流したことはなかった。願掛けではなく、それだけの自信があった。それでもやっぱり決定を知った瞬間、開放感と共に僕は心のどこかで不安を抱えていたことを自覚した。そんな不安ももう必要ない。終わったのだ。そして、始まったのだ。

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それでもメイウェザーvsパッキャオが実現する理由

Mayweather-Pacquiao

「世紀の一戦」の実現が危ぶまれている。最初に対戦が取り沙汰されてから早5年、今月初めにはついにこれまでで最も決定に近づいたとの報道がなされながらそこからの進展は伺えず、近頃聞こえてくるのは後ろ向きな情報ばかり。やれメイvsコット2だのパックvsカーンだのといった「プランB」が話題に上り、多くの人々が悲観論に傾きつつある。

それでも僕はあえて「メイvsパックは実現する」と希望を持ちたい。もちろんインサイダーでもない限り真相は不明だが、今出回っている情報で過度に悲観的になるのは早計に思える。ここでは膨大な報道や噂話の中から自分のロジックに都合の良い物だけを選りすぐり(笑)、なぜこのメガファイトが実現するのかを3つの事実と3つの考察から明らかにしていこうと思う。

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どつき合いファイターPFPベスト15!!

ボクシングはスポーツだ。ボクシングはビジネスだ。ボクシングはスウィート・サイエンスだ。しかししかし、それより何よりボクシングの原点はどつき合いではないだろうか。「打たせず打つ」なんて生ぬるい、打たれながら打ち勝つ! ぶん殴って倒す! そういう原始的なファイター達の中から現役を代表するPFP15人を私的に選出してみた。ランキングの基準はあくまで僕の主観であることをお断りしておく。

なおここではいくら攻撃力が高くてもロマゴンやゴロフキンのような完成度の高い万能型は除外している。スティーブンソンやワイルダーのように遠間から長距離砲を打ち込むロングパンチャーも対象外。あくまで足を止めてドッカンドッカン打ち合う血の気の多いファイターの中からのみ選出した。

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ステバーンvsワイルダー決着!

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20世紀、ヘビー級ボクシングの歴史はアメリカンヘビーウェイトの歴史だった。ジョー・ルイス、ロッキー・マルシアノ、フロイド・パターソン、ソニー・リストン、モハメド・アリ、ジョー・フレイジャー、ジョージ・フォアマン、ラリー・ホームズ、マイク・タイソン、イベンダー・ホリフィールド……。しかし2007年にシャノン・ブリッグスがWBO王座を失って以来、星条旗を携えた男達は4つあるヘビー級チャンピオンベルトの1つにさえ辿り着くことが出来ていない。アラバマ州の巨人、元五輪銅メダリストにして32戦32勝32KOのウルトラパンチャー、デオンテイ・ワイルダーはその惨めな空白を終わらせようとしていた。

アラバマ州にはヘビー級の歴史がある。ルイスとホリフィールドの出生地だからだ。ただしワイルダーが勝てばボクサーとしてこの地で育った最初のヘビー級王者ということになるそうだ。奇しくもザ・グレーテスト・アリの誕生日と同じ1月17日、WBCヘビー級タイトルマッチのゴングが鳴った。

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考察 パッキャオvsアルジェリ

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“I told you so”というパッキャオファンのほくそ笑みが聞こえてきそうな結果だった。この試合、なまじ玄人ほどアルジェリの地味で負けにくい巧さを評価し、パッキャオのモチベーションや35歳という年齢的な要素を加味して番狂わせの可能性を指摘する傾向があったように思う。だが終わってみればジャッジ二人が16ポイント差、一人が18ポイント差(!)を付けるという歴史的大差でパックマンが圧勝した。勝因は色々挙げられるが、つまるところ「役者が違った」ということだ。

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ホプキンスはかく語りき

Boxing: Hopkins vs Kovalev

――敗戦直後のリング上にて

マックス・ケラーマン「バーナード、今夜は何が起こったのですか?」

バーナード・ホプキンス「より優れた男はコヴァレフだった。彼は素晴らしいゲームプランを持ち、良い距離を保ち、被弾を受けた時には下がって過度の打ち合いを避けた。彼はリーチと距離を活かし素晴らしくテクニカルに戦った。優れた技巧と辛抱強さがあった」

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敗れてなお偉大なり コヴァレフvsホプキンス

セルゲイ・コヴァレフvsバーナード・ホプキンス

現代の生ける伝説バーナード・ホプキンスがついに完敗を喫した。過去に6度負けているホプキンスだが、再三傷めつけられ最終回ではストップ寸前にま で追い込まれた末でのフルマーク判定負けという結末はこれまでのどんな黒星とも比較しようがない。“クラッシャー”コヴァレフは、妖怪バーナード・ホプキンスを 初めてクラッシュした男としてますます羽ばたいていくだろう。

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リゴンドーはなぜ試合ができないのか

ギジェルモ・リゴンドーは現代世界最高級のボクサーである。この命題に異論を持つ者はほとんどいないだろう。アマチュア時代の勝ち星は400を優に超え、2つの世界選手権金メダルと2つの五輪金メダルを獲得。プロ転向後は無傷の14連勝による世界タイトル二団体統一を果たし、まともに落としたラウンドすら数えるほどしかない。完璧な技術と緻密な戦術。機械のような精密性とジャッカルに例えられる瞬発力。およそつけいる隙の見当たらないこの男には、しかし致命的な弱点がある。試合が組めないのだ。今年7月マカオでのソッド戦以降は音沙汰なく、WBOが暫定王座の設置を決めたことが報じられた

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しかしなぜ最高峰のボクサーである彼が試合を組めないのだろうか。ファイトが退屈だからテレビ局に嫌われる、勝ち目がないから挑戦者が現れない、そのような理由が語られてきたが、普通の防衛戦すら組めないのは少々不自然だ。なにもHBO、Showtimeだけがテレビ局ではないし、世界ランクは持っていても資本力に欠ける選手は割と多い。そういう選手が安値のオファーで絶対王者に突っ込んでいくなんてケースは歴史上山ほどあったし、逆に相手側からのオファーを受けて敵地で防衛戦を行うという手もある。リゴンドーにはその手の試合でさえも組めないものなのだろうか? ここではもう少し突っ込んで彼の現状を検証してみよう。

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考察:ドネアvsウォータース

ノニト・ドネアの鮮烈なノックアウト負けは、とりわけ日本のボクシングファンに大きな驚きと落胆をもたらした。長谷川穂積を打ち破ったモンティエルを切り伏せ、切り札たる西岡利晃を粉砕したアジアの雄は、日本における人気と評価という点で他のどんなビッグネームにも劣らない存在だった。そんなドネアもリゴンドーに敗れて以降の2戦が不出来だったことは論を待たないが、戦前から危機を予想されたウォータース戦におけるスピードと切れ味は素晴らしいものだった。ドネアは敗戦後「これほどハードに練習した事は今までになかった」と語ったが、恐らく本当だろう。避けられなかったモチベーションの低下に対し、自らの尻を鞭で叩くように奮い立ち本来のスタイルを取り戻したことが序盤2ラウンドのめまぐるしい攻防から存分に伺える。その左フックには火薬が宿っていた。

しかしドネアは完敗を喫した。しかもその敗因は戦前に危惧された体格差、フィジカル差によるものだけではない。驚くべきことにジャマイカの斧男は、技術面においてもフィリピンの閃光を傷めつけてみせた。

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