防弾少年団~Scream~Vo.4 | K-POP恋愛小説(INFINITE/防弾少年団/etc...

K-POP恋愛小説(INFINITE/防弾少年団/etc...

amblo.jp/vanilla7creamより
引っ越しました。

今までINFINITE ONLYでしたが
これからは他のグループにも
挑戦致します★
暖かく見てくださると嬉しいです^^

Fantasy/恋愛/日常
短編集・・・など。

 

 

 

溜息・・・溜息。

 

また・・・溜息。

 

虚ろな気持ちで遠くの森で鳴く鳥の声を聞くように

社員達の溜息が聴こえてくる。

 

それとも後の俺か。

 

Mヒョン「それで私は・・・私は・・・。」

 

バンッ!!

大きな音を聞くと、Mヒョンも騒めく遠くの鳥たちもビクッとして口を閉ざした。

 

Mヒョン「あっ・・あのっ・・・すいません・・・。」

 

社長「いや、じゃない」

 

またヒソヒソと啼き声が聞こえる・・・

 

森の鳥たちよ、どうしてそんなに騒がしく啼くのか?

元々自分が選んだ住処に不信や不満でもあったのか?

 

それでも鳥たちは小さく、大きくと声を微かに立てた。

 

ざわついているのはさっきからだったのか、それとも大きな音のせいか・・・

 

社長「人の話を聞くときはどうしろって習った?

   もうだいぶ昔のことで忘れたのか?お前らいい加減にしろ。

   答えは私が出す。まずは彼女を見てきたこいつの話を聞かなきゃ進まないだろ。」

 

Mヒョン「・・・・・。」

 

社長「あぁ、悪かったな。話を遮った。さ、それであいつらの曲を聴かせて

   お前がうたた寝をしてからどうした?」

 

Mヒョン「はい・・・。」

 

Mヒョンは周りを見渡して、みんなの視線をたどった。

どう考えても聞くような空気ではないが、社長と他の一部の社員は

聞いてくれそうだったので、なんとか空気を飲み込んで、振り絞った声で

また話の続きを始めた。

 

Mヒョン「私が携帯の充電を気にして飛び起きたとき、彼女は既に起き上がっていました。」

 

社長「おぉっそうか!目が覚めたんだな?」

 

Mヒョン「はい。」

 

社長「それは良かった。」

 

Mヒョン「ですが・・・・。」

 

社長は腕組みをしながら、眉をあげて少しだけ首を傾げた。

 

Mヒョン「彼女は酸素マスクをつけたままでしたが、私の方を首だけを回して

     見つめていたんです。まさかこちらを見ているなんて思わなくて、

     私は驚いて声もあげられなかったんですが・・・・。」

 

社長「まぁ、意識があるなら大丈夫なんだろ?目が覚めてお前がいたら

   彼女も誰だ?って驚いていただけなんじゃないのか?」

 

Mヒョン「それが・・・。」

 

社長「んっ?」

 

Mヒョン「私も最初は自分が驚かせたのかって思い直して、自分の自己紹介したんです。

     そしたら彼女は自分のことが分からないって言い出したんです。」

 

社長「記憶が・・・か。」

 

Mヒョン「簡単に言うとそうみたいです・・・取り敢えず看護師さんに事情を聞くことにして

     彼女には病室で待っててもらいました。」

 

社長「事情ねぇ・・・。」

 

Mヒョン「はい。看護師さんに聞きましたけど、誰も何も彼女の事を知らなくて・・・。

     もしかして目が覚めて初めて見たのは私だったかも・・・・。」

 

社長「なんだっ!?wそう言うとなんだかお前が親鳥みたいな言い方だな。

   なら、彼女のことはお前に任せたほうが良さそうだ。」

 

Mヒョン「いぇっそんなっ・・・ですが、今はまだいいですけど、他に怪我もないようですし、

     数日したら病院からも今後について問われると思うんですよね・・・。」

 

社長「ふむ・・・・そうだな。まぁ、俺は医者でもなんでもないが、

   見た目はなんともないとしても、精神的なダメージとか後でまた後遺症が出るとか

   あったら無下にはできないだろう。」

 

Mヒョン「そうですね・・・体のことは病院で精密検査でも受けてもらいますか?

     一応運ばれた時にある程度のことは調べてもらってるとは思うのですが。」

 

社長「そうだな・・・。」

 

そう言ったっきり、社長はしばらく黙り込んだ。

 

 

 

Mヒョン(知り合いがいないかどうかもそうだが、彼女が本当に記憶喪失かどうか

      この時の私に確かめる事なんて到底思いつきもしなかった。)

 

    

 

社長「まぁ、そういうわけだ。」

 

社員「・・・・?」

 

社長「まぁ、あれだ。結論から言うとな?やはり彼女をうちの会社に入れて

   暫くは面倒を見ようと思う・・・というか、あいつらの面倒を見てもらおうと思ってる。」

 

Mヒョン「えっ・・・・えっ???ちょっちょっと待ってください!一体どういう・・・

     というか社長は何か知ってらっしゃるんですかっ??」

 

社長「んっ?まぁ・・・色々あって話せば長いんだが・・・

    実は・・・お前より先に彼女には会ってる。」

 

Mヒョン「えぇっ!?」

 

社員「社長っ!!全て分かった上で私たちに話してたんですかっ!?」

 

社長「まぁね。お前たちを試すつもりもなかったが、こんな窮地にどうするか

   見てみたかった。言い換えれば、会社の危機じゃないか?

   一般の方が勝手にしたことだと言えばそれまでだろうが、あいつらの代わりに

   怪我をさせてしまったんだぞ?こんなのただで見過ごすなんて人道的じゃないだろう。」

 

Mヒョン「社長・・・・私を含めて・・・だったんですね?」

 

社長「あぁ、そうだ。俺はどんなことがあってもお前らを見捨てるなんてするつもりはない。

   もちろん会社としてもそうだが、同じ会社で働いてる以上、みんな仲間だろ?

   そんな仲間が困ってる時に誰も手を差し伸べられない奴なら、うちの会社には必要ないと

   思ってる・・・。」

 

いろんな鳥たち。

 

騒がしかった鳥たち。

 

こんなにも広い森の中で大声で叫び続けた鳥たちはもう、

くちばしを折られて何も言えなくなっていた。

 

Mヒョン「えっと・・・じゃぁ、私が行った時は社長が帰られた後だったんですね・・・。」

 

社長「そうだ。お前が行った時には彼女は単に寝てただけだと思う・・・ははっ、すまんな。黙ってて。」

 

Mヒョン「いっいえ・・・そうだったんですね・・・。通りでなんか色々手続きとか彼女の

     ことで警察が来てる気配もないし変だと思ったんですよね・・・看護師さんたちも

     何も困ってない雰囲気でしたし・・・」

 

 

 

 何やら狐につままれたような気分でもあったが、ほどなくして社長が先に知っていた

事実に安心さえ覚えた。 

 

社長「お前ら・・・・。」

 

鳥たちは肩をビクッとさせた。

 

きっとこの森から追い出される・・・・

もう終わりだ。

死んだ気持ちになって肩をすくめながら、恐る恐る社長の顔を見上げる。

 

社長「次はないからな?まぁ、いつも頑張ってくれてるからこそ色々会社のことも

   考えての答えだったとはわかっている・・・だから首になんてしないから

   これからもよろしく頼むよ。」

 

そう言って社長は中には涙ぐんでいる鳥や、

恥ずかしくて顔をあげられない鳥達に優しく肩を揺すった。

 

社長「まぁ、お前は彼女を上手くカバーしてやってくれ。体が回復するまでは

   あまり色々できないかと思うが、あいつらの面倒を見る仕事をしてもらおうと思ってるから。」

 

Mヒョン「はい・・・えっ!???彼女を一緒に住まわせるんですかっ!?あいつらとっ!???」

 

社長「そうだ。たまにはいい刺激になるだろ。話はついてるから。」

 

Mヒョン「話はついてるって・・・誰とですか・・・。」

 

社長「さっそく明日からだっ!退院手続きとかよろしくな。」

 

Mヒョン「あっ!待ってくださいっ!!社長っ!!だって身元とかはっ!??

     なっ!名前っ名前っ!!社長ォーーーーーーっ!!」

 

社員「あんたも大変ね。」

 

そう言ってかわいそうな眼差しで片眉を上げた同僚に笑われた。

 

Mヒョン「大変・・・大変だよっ!!そうだよっ!大変なんだって!!」

 

社員「まっ、それだけあんたは気に入られてるってことじゃない?w」

 

Mヒョン「幸か・・・不幸かね・・・。」

 

 

そんな私の声には・・・・

 

ずっと同じ木にとまってさえずっていた私の声は、

もう届いていないようだった。

 

はぁ・・・・ほんっとどうしよう。

社長の考えがイマイチわからないんだけど・・・

 

身元引受人になったってこと?

家族と連絡はどうしたんだろ・・・・

 

てか彼女は記憶喪失なのかっ!???

おいおいっ

 

名前・・・っ!!

 

そーだよ、名前なんて言うんだっ??

社長は何も答えてくれず車でさっさと帰ってしまった。

 

それにしても・・・・あいつらになんて言えばいいんだ・・・?

 

ほんとに社長の遊び心は手に負えない、、、

おっとっ!

遊び心だなんて言ったら殺されるな。

 

気まぐれ・・・

いやいや、包容力、、、違うだろ。

慈悲の心か、、、?

 

何考えてんだろ俺。

 

あぁあああああああああああっっ!!

 

もう知らねぇっ!!

 

知らねぇったら、知らねぇからなっ!!

 

 

明日からか・・・

ふぅーっ・・・・

 

あいつらに何て話せばいいんだ。

何から話せば・・・・

 

 

 

 

 

この日、

Mヒョンの頭には、考えてもどうにもできない色んな事が駆け巡っていた。

 

 

 

そして明日から、

散々悩ませた彼女と・・・・彼ら・・・・いや、あいつらとの生活が始まる。

 

 

 

 

俺はもう知らんっ!!

 

 

 

 

 

 

                 
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