「死霊館悪魔のせいなら、無罪。」　★★★☆～謎解き仕立てのオカルトホラー

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2021』の掲載にあたって」

謎解き仕立てのオカルトホラー ★★★☆

（2021年／アメリカ／112分／The Conjuring: The Devil Made Me Do It）【　製作　】ジェームズ・ワンピーター・サフラン 【　監督　】 マイケル・チャベス【　出演　】

パトリック・ウィルソン

ベラ・ファーミガ

ルアイリ・オコナー

サラ・キャサリン・フック

ジュリアン・ヒリアード

【あらすじ】

　1981年、アメリカ・コネチカット州ブルックフィールド。

　心霊研究家のエドとロレインのウォーレン夫妻は、11歳の少年の悪魔祓いを行っていた。強大なパワーを持ったその悪魔は、除霊の目前で少年の兄アーニーに憑りついてしまう。

　アーニーは次第に心身を喪失し、家主を刃物で22回刺して殺害する事件を起こす。ウォーレン夫妻はアーニーの無罪を証明するために立ち上がるが、彼らもまた邪悪な悪魔に追い詰められていく―

【コメント】

　奇才ジェームズ・ワン監督が新世代に放つ“オカルト”映画。2013年『死霊館』、2016年『死霊館エンフィールド事件』に続き、待望の第3作が5年振りに公開！ということで楽しみにしていた本作。

　本作を中心とした“死霊館ユニバース”なるものが展開しているわけですが、正直この「死霊館」シリーズを超える作品が出ていないのが残念なところ。本作の監督もジェームズ・ワンではないところに若干の引っ掛かりを感じたものの、やっぱりあのウォーレン夫妻の活躍を三度堪能したいということで、さっそく「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

　うむ、心配は無用だった模様。今回もめちゃくちゃ面白かったです。「悪魔のせいなら、無罪」というサブタイトルの是非はさておき、悪魔に憑りつかれたということを証明するという無謀な挑戦に果敢に挑むウォーレン夫妻がとても素敵でしたね。今回は除霊に重きを置くのではなく、悪魔を証明するという謎解き仕立ての展開がとても面白かったですね。

　強力な悪魔が青年アーニーに憑りついたことに端を発した殺人事件。そこから、ウォーレン夫妻が探偵の如く悪魔の正体とその背景に迫っていく。来るぞ来るぞ～という相変わらずのビックリ演出は心臓に悪いところ（僕は攻略法を見出しましたが）ですが、そこはやっぱりオカルトホラーの醍醐味ということで、小さな発見から徐々に真相が明らかになっていく謎解きテイストの展開は見入ってしまいます。そして、要所要所に挿入されるウォーレン夫妻のドラマがこれまた素敵で、二人の出会いとピュアラブストーリーを織り交ぜながら、ウォーレン夫妻の絆の深さが垣間見れますね。

　もっとも、現代にこの悪魔だお化けだといった題材はちょっと古くなってきているなーという感じはしないでもないですが、実際に起こった1981年はまだそれが通用していた時代ですからね。40年たった現代とのギャップを感じるのも面白いところです。