「シャドウ・イン・クラウド」　★★★～短時間でいろんな要素を詰め込んだB級スリラー

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2022』の掲載にあたって」

短時間でいろんな要素を詰め込んだB級スリラー ★★★

(C)Atarangi Kiriata Limited 2020 （2021年／ニュージーランド・アメリカ／83分／Shadow in the Cloud） 【　脚本・監督　】 ロザンヌ・リャン 【　出演　】

クロエ・グレース・モレッツ

ビューラ・コアレ

テイラー・ジョン・スミス

カラン・マルベイ

ニック・ロビンソン

【あらすじ】

　第二次世界大戦真っ只中の1943年。

　連合国空軍の女性大尉モード・ギャレットは、ニュージーランドからサモアへ最高機密を運ぶ密命を受け、B-17爆撃機フールズ・エランド号に乗り込む。

　モードは男性乗組員たちから心無い言葉を浴びせられながらも、ひたむきに任務を遂行しようとするが、高度2500メートルの上空で、爆撃機の翼に謎の生物を目撃する。

　やがて謎の生物は乗組員たちを不安と恐怖に陥れ始めていくが、そこに日本の戦闘機が現れ、謎の生物と敵機からの攻撃で、乗組員たちは混乱を極める―

【コメント】

　さて、11月も半ば、2022年も終盤を迎えようとしている今日この頃。考えると今年は例年より映画鑑賞少なめだぞと、見逃している映画を今年中に観なくてはという義務感に駆られている状況。そんな中で今回取り寄せたのが本作です。

　「キック・アス」シリーズで一躍有名スターの仲間入りを果たしたクロエ・グレース・モレッツ主演のスリラー映画ということで、劇場公開時ちょっと興味はあったんですが、明らかなB級テイストをただよさせていたところもあり結果的にスルー。やっぱり観てみたいと、今般、TSUTAYA DISCASでレンタルしてみた次第です。

(C)Atarangi Kiriata Limited 2020

　ほほう、これはちょいと意外。良い意味で裏切られた感じ。なんか一風変わった映画でしたね。B級作品であることに違いはないですが、83分という短尺のなかでいろんな要素を詰め込んだ作品になっていて、割と楽しめましたね。もっとも、詰め込み過ぎ感はあって統一感がなかったのは否めませんが。

　初っ端でクロエ演じるモード大尉が戦闘機に持ち込んだ最高機密と呼ぶケースで謎をぶっこんできて、そこからモード大尉が銃塔に押し込まれたところから、映画の半分以上が銃塔という狭い密室だけで展開していくというクローズドミステリーに早変わり。そこから、戦闘機になんかヘンな生物ついてるぞと、急にモンスターホラー様変わり。そこに日本のゼロ戦からいきなり攻撃がはじまりスカイアクションに変わり、そこで戦闘機から落ちそうになるケースを奪取すべくハラハラドキドキの戦闘機綱渡りがはじまる。そしてクライマックスは、ヘンなモンスターとクロエが素手で殴り合うというまさかのバトルアクション。これにはさすがに笑かしに来てんのかと思っちゃいましたが。

　ともあれ、安っぽいB級モノではありましたが、映画のいろんな要素を詰めるだけ詰めてみました的な作品なので、作り手の意気込みは大いに感じましたね。