デ・レーケ堰堤クリーン作戦:第十三章 「利害」編

 

 今回は、今年度私が心血を注いで取り組んできたデ・レーケ堰堤クリーン作戦を総括させて頂きます。

 

 当ブログ・当シリーズでこれまで報告させて頂いた通り、私、白髪磨人は、地元で見過ごされがちな土木遺産の現状を憂い、一念発起して今年の元旦に八幡川2号堰堤を単独で清掃。さらに今年4月には正式に「榛名山麓のデ・レーケ堰堤を見守る会」を立ち上げ、2号堰堤に続き、4号堰堤と1号堰堤のクリーン作戦を展開して参りました。結論から申し上げれば、当初のねらい通り、荒廃したデ・レーケ堰堤をキレイにすることができ、その点では達成感を味わうことができましたチョキ

 

 活動後の八幡川1号堰堤 活動からおよそ10日後の11月14日に現地に赴いて撮影。堰堤周辺には撤去し切れない土砂がまだたくさん残ってはいるものの、以前とは全く違った、風景が広がっています。将来的には、この場所にデ・レーケ堰堤の説明版を立て、優れた土木遺産として顕彰の気運を高めることが本会の目標です。

 

 

 でも、肝心な点が欠落し、物足りなさも痛感。それはやはり、クリーン作戦の決行に際し、参加者を思うように集められなかったことですしょぼん

 

 できるだけたくさんの参加者を集め、郷土の土木遺産に対する正しい理解を広めていきたいビックリマークそして、私の地元でもある榛名山麓から郷土の大恩人デ・レーケさんを顕彰する気運を高めていきたい!!

 

 そんな想いで、参加者を集めるために色んな手を使いましたひらめき電球

 

 まずは群馬県土木事務所に協力を依頼。本会を群馬県主催の「花と緑のクリーン作戦」を展開する団体として認可して頂きました。その上で、今年後の活動場所を八幡川のデ・レーケ堰堤に定め、活動名を「八幡川のデ・レーケ堰堤クリーン作戦」と決定。榛名山麓のデ・レーケ堰堤のメジャー化を目指し、その決行に向けて狼煙を上げました。

 

 また、それと並行して、榛名山麓のデ・レーケ堰堤を宣伝するために、私が所属するG馬地理学会の機関紙「えりあぐんま」に論文を投稿。「高校地理における望ましい防災教育のあり方 ~榛名山麓に現存するデ・レーケ堰堤を事例に~」と題した論文でしたが、単なる研究ノートではなく論説としての掲載に何とかこぎ付け、今年6月に同機関紙が発行されました。

 

 頭でっかちな先生方だらけの団体ですが(毒舌失礼)、社会的な影響力は決して侮れません。正直に言えば、私にとって地理学などは二の次。わざわざ多くの時間と労力を割いて論文を仕上げた最大の理由は、言うまでもなくデ・レーケ堰堤の宣伝でしたにひひ

 

 ここまで本会の活動は順風満帆でした。

 

 でも、今年の春、榛東村役場(以下、「役場」と略します)に赴き、年度末の異動で交代した、いかにも生意気そうな若き担当者に改めて頭を下げた頃から、どこか歯車が狂い始めましたえっ

 

 すでに前年度、榛東村役場の協力を得て、村の広報紙でデ・レーケ及びデ・レーケ堰堤に関する記事を書かせて頂くことは決まっていました。当初は役場のそうした温かい対応に感激。でも、実はこれが大きな失敗の始まりでした・・・

 

 失敗とは、役場の協力に対する過信・盲信でした。担当者が変わった途端、役場の対応も当然ながら変わりました。前例踏襲主義に堕し、いかにも事務的な対応に終始した若き担当者に対し、私は憤慨しながらも平静を装い、常にへりくだった対応に努めて参りました。役場から呼び出されれば仕事を早く切り上げ、急いで馳せ参じました。そう、あの日までは・・・

 

 村の広報紙には2回連載で紙面を割いて頂きました。もちろん、その点については役場には感謝しています。でも、役場の協力はそれだけで、他は全て放任。当日のクリーン作戦に参加者がどれだけ集まろうが「我関せず」といったスタンスに終始しました。今思えば、私の記事は、なかなか埋まらない「地域の情報」の紙面を埋めるための恰好の材料にされた可能性もむかっ

 

 いずれにせよ、読者からの反響は、私の耳には全く届いて参りませんでしたダウン

 

 同じように、役場の許可を取り付け、クリーン作戦の場所や期日などを記したパンフレットを作成し、榛東村内全ての隣保班の回覧板にそれを差し込んで頂きました。こちらには連絡先の電話番号まで載せ、活動への参加を呼び掛けましたが、残念ながら、こちらも不発に終わりましたしょぼん

 

 結局、行政という他力を過信し、依存してしまった結末は最低、最悪のものでしたガーン

 

 9月中旬に予定した1回目は長雨で中止に追い込まれ、まさに泣きっ面に蜂でしたドクロ

 

 地元の郷土史家との連携をはかるなど、初めから他力を排し、臨機応変に自力を発揮していれば、もっとたくさんの参加者を動員できたかもしれません。

 

 他者への依存心に安住した時点で思考停止。「ジタバタしなくても、役場や土木事務所が協力してくれるはずなので、(当日のクリーン作戦は)どうにかなるだろう」などと、自堕落な楽観主義、そして自主性なき空想平和主義にハマり、自ら勝機を手放してしまった私が間違いでした。村の広報紙に精魂込めて記事を書いてみたところで、村民の心は動きませんでした(というか、広報紙自体、あまり読まれていません。残念ながら、世間は私の予想以上に活字離れが進んでいるようですカゼ)。

 

 勝機を活かすも殺すも自分自身の判断次第。日米同盟も同様ですが、他者(アメリカ)に自分(日本)の運命を左右させてはいけませんビックリマーク(日本とアメリカは決して運命共同体ではありません。国益を最優先し、アメリカとは軍事・外交上、適度な距離感を保つことが肝要ですパンチ!

 

 運命とは他力を排し、自力、すなわち自分自身で決めるべきものです!!

 

 とは言うものの、話しは元に戻りますが、この度熱く燃えたぎった私のハートを察して下さった同僚や元同僚、そして身内など、今回のクリーン作戦では延べ人数で14名の方々に協力して頂きました。

 

 そして、結果的に3号堰堤と源流部の2基(十二沢4号堰堤・同5号堰堤)には全く手が付けられなかったものの、1号・2号・4号の3基のデ・レーケ堰堤については、それぞれ外観を蘇生させることに成功。そこで、先日、今回のクリーン作戦の活動報告書を整え、満を持して群馬県渋川土木事務所さんに出掛けて参りました音譜

 

 群馬県渋川合同庁舎(1) 場所は吾妻川の右岸に位置する渋川市金井国町。元の渋川警察署の裏側です。2階に平成28年11月15日に撮影。

 

 群馬県渋川合同庁舎(2) 私がお世話になっている渋川土木事務所さんは、この大きな建物の2階です。

 

 

 なお、渋川土木事務所さんに今回提出させて頂いた活動報告書は「平成28年度花と緑のクリーン作戦活動実績報告書」と「平成28年度花と緑のクリーン作戦活動状況報告書」の2点。それぞれ主な内容は次の通りです。

 

1 平成28年度花と緑のクリーン作戦活動実績報告書

 

(1)団体の名称等

 ○団体名  榛名山麓のデ・レーケ堰堤を見守る会

 〇代表者住所  群馬県北群馬郡榛東村〇〇〇番地○  

 ○代表者氏名  ◇◇◇◇(白髪磨人の本名)

 〇代表者電話番号  0279-54-△△△△

 〇団体構成員  10名

 

(2)活動実績

  【1回目】 ①活動日:平成28年10月10日

         ②参加人数:6人

         ③活動する市町村名と町名又は大字:榛東村大字新井

          ④県管理の公共施設での活動について

          〇公共施設の名称:八幡川4号堰堤  

           (除草・草刈り:300㎡ 花上・植樹:10㎡)

  【2回目】 ①活動日:平成28年11月3日

         ②参加人数:5人

         ③活動する市町村名と町名又は大字:榛東村大字新井

          ④県管理の公共施設での活動について

          〇公共施設の名称:八幡川1号堰堤  

           (除草・草刈り:200㎡)

  【3回目】 ①活動日:平成28年11月6日

         ②参加人数:3人

         ③活動する市町村名と町名又は大字:榛東村大字新井

          ④県管理の公共施設での活動について

          〇公共施設の名称:八幡川1号堰堤及び同堰堤左岸  

           (除草・草刈り:100㎡ 花上・植樹:100㎡)

  ●3回の活動の延べ人数:14人 

  ●花植え・植樹 花の種類:アジサイ 苗数:40苗

 

 

2 平成28年度花と緑のクリーン作戦活動状況報告書

 

 【活動1回目 写真】

 

 ①活動前

 

 

 ②活動状況

 

 

 ③活動後

 

 【活動2回目 写真】 

 

 ①活動前

 

 

 ②活動状況

 

 

 ③活動後

 

 【活動3回目 写真】 

 

 ①活動前

 

 

 ②活動状況

 

 

 ③活動後

 

 

 上記の活動報告書が正式に認められれば、本会は群馬県から「奨励金」という名目で現金2万円が交付されることになっています。もちろん、2万円が欲しいためにデ・レーケ堰堤を利用しているわけではありませんむっ

 

 そもそも今年度のクリーン作戦で費やした金額は、すでに2万円をはるかに突破。何しろ、夏場からその準備で数々の清掃用具に始まり、虫よけスプレー、虫刺されの薬、大量の飲料、当日参加者に昼食用にお出しした弁当、関係者への謝礼など、とにかく色んなものを買い捲りましたにひひ

 

 なお、これらの報告書の他に、渋川土木事務所さんに今回集めたゴミの回収をお願いする関係で、別途資料を作成。集めたゴミの場所が分かるよう、それぞれ写真にマークを付けたものを担当者にお渡しし、快諾を得ました。感謝<(_ _)>

 

 ゴミの回収がクリーン作戦の最後の仕事になりますが、量が半端ではないため、こればかりは自力、すなわち私個人の力ではどうにもなりません。土木事務所さん、よろしくお願いしますm(__)m

 

 あれっはてなマーク これって、他力本願か!?

 

 自分で言っていることがよく分からなくなって参りましたあせる

 

 

 最後は、苦し紛れに当シリーズお決まりの孫子の言葉で締めくくらせて頂きます。

 

 智者の慮(おもんばかり)は、必ず利害を雑(まじ)う。利に雑うれば、而(すなわ)ち務(つとめ)は信(まこと)なる可(べ)し。害に雑うれば、而ち患(うれ)いは解(と)く可し。 (九変編)

 

【訳】 智将が物事を考え、判断するときは、必ず利と害の両面を合わせて熟考するものである。有利なことにもその不利な面を合わせて考えるから、成し遂げようとすることがその通りに運ぶ。不利なことに対しても、その利点を考えるから心配事は解消し、困難を乗り越えることができる。

 

 

 物事を判断する際、良い面だけを見て、悪い面に目をつむるようではいけません。というか、あえて悪い面に目を向けることで冷静な判断ができるはず。孫子のこの教えは、今年度のクリーン作戦の決行に当たって、役場の見せかけの善意に振り回され、心が傷だらけになり、極度の行政不信に陥った今の私には深く染みて参ります得意げ

 

 

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 今回は以上です。ご訪問頂き、ありがとうございました。

 次回の本シリーズは、「榛名山麓のデ・レーケ堰堤を見守る会」の行方について、代表である私、白髪磨人が
来年度に向けた抱負を交えて、熱く述べさせて頂きます乞うご期待!