猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ツリー・オブ・ライフ

2022-12-05 22:05:05 | 日記
2011年のアメリカ映画「ツリー・オブ・ライフ」。

1950年代半ば、オブライエン夫妻はテキサスの田舎町で幸せに暮らして
いた。一家の大黒柱の父親(ブラット・ピット)は信仰に篤く3人の子供た
ちに対して厳しく、母親(ジェシカ・チャステイン)は父親と違って優しく
愛情を注ぎこんでいた。長男のジャックは父親と母親の板挟みになり、葛
藤する日々を送っていた。やがて大人になって実業家として成功したジャ
ック(ショーン・ペン)は、自分の人生や生き方の根源となった少年時代に
思いを馳せる。

テレンス・マリック監督によるヒューマン・ドラマ。第64回カンヌ国際
映画祭でパルム・ドールを受賞。ジャックは両親と弟2人と暮らしており、
一家は騒がしくも幸せな日々を過ごしていた。オブライエンは敬虔なキリ
スト教徒で、厳格な父親だった。子供たちは口答えも許されず、父親の命
令は絶対だと教えられる。母親は父親とは教育方針が違い、朗らかに優し
く子供たちを育てた。そのことで夫婦の間では口論になることもあった。
父親は男の子には力と知恵が必要だと考えており、長男のジャックには特
に厳しく接した。ジャックは次第に父親に反発を覚えるようになる。
宗教的というか哲学的な映画で、私はあまりおもしろくなかった。宗教は
ともかく哲学があまり好きではないので。とにかく冗長で退屈な感じで、
「そのシーン、いる?」と思うようなシーンが多かった。これがパルム・
ドール?と思ったが、ネットのレビューを読んでも評価は分かれているの
で、合う人には合うのだろう。ジャックたち兄弟の父親はとにかく厳しく、
自分に逆らうことを許さない。でも彼は子供たちを深く愛している。ただ
そういう「口答えをするな」というような態度で幼い子供たちに愛情が伝
わるかは少し疑問に思う。
子供たちは父親の前では遠慮がちでビクビクしているように見える。父親
が出張に行った時、とてものびのびと楽しそうに遊んでいた。私は自分の
子供の頃のことを思い出してしまった。父は帰りが遅いことが多かったが、
たまに早く帰宅して一緒に夕食を食べることになると、すごく嫌だった。
食卓の雰囲気が重たいのだ。ジャックはやがて「パパが死にますように」
と神に祈るようになる。父親はジャックに自分の人生を話したことがある。
彼の夢は音楽家になることだったが、意志が弱かったため音楽家になれず、
今は工場で働いているのだと。そして自分のようになるな、と。
やがて父親の工場が閉鎖することになり、新しい仕事に就くために一家は
住み慣れた家を離れなければならなくなる。更にその後次男が19歳で亡
くなるという不幸にも見舞われる(死因の説明はない)。そして現在、中年
になったジャックは父親に電話をかける、という最初の方のシーンに戻る
のだ。確かに感動的な映画ではあるのだが、退屈で仕方なかった。ブラッ
ド・ピットとショーン・ペンが出演していてこのおもしろくなさは何なん
だ、と思った(ショーン・ペンの出番は少ない)。私には合わなかったよう
だ。




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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (まかろん)
2022-12-06 04:50:04
杏子さん、お早うございます。
あらら、ビッグネームを2人も揃えて、
つまらないとは残念でしたね。
私も暴力的な父親に育てられたので、映画の解説や杏子さんのお話は、わかる…と思ってしまいました。

なかなか映画を観る時間がないので、
こうしていろんなお話と正直感想が読めるのは有難いです。

いつもいいねをありがとうございます。
(ちょっと当ブログは更新が不甲斐ないことになっていて、恐縮ですが😅)

またの記事を楽しみにしています。🙏
Unknown (杏子)
2022-12-06 09:17:15
>まかろんさん
コメントありがとうございます。そうなんですよ〜、
期待したのに残念でした。
カンヌの審査員はどういう感覚だったのか…

私の父も暴力的で威圧的で、嫌いでした。もう20年くらい会っていません。

私のブログがまかろんさんのお役に立っていれば幸いです。
こちらこそ、いつもいいねをありがとうございます。
私も更新頻度は低いですよ(^^;)
毎日更新されてる方はすごいなあと思います。
これからもよろしくお願いします(^-^)
昔のオヤジは、厳格ですね。 (ウラジーミル・アスポン)
2022-12-06 10:38:38
この映画でブラピのやる役が意外ですね。
父親役といっても、ブラピなら友達チックな感じの雰囲気の方が合いそうです。
妙だなぁと思ったら、時代設定が少し古いし、昭和の頃ですね。

第二次世界大戦のおもかげひきずっているような時代ですね。
1950年代といえば、まだオヤジは、がみがみにうるさいし厳しい時代ですよね。

しかもテキサスとは田舎で保守的ですね。
父親に口答えは一切許さないし、命令には従え…になっていますね。


長男だからってとことん厳しくされていますね。
ジャックがムカついて反発するのも当然ですね…。

でも、まだ戦前ひきずつているから、こう人の多い時代ですよね。
厳しいけど、父親は子供をそれなりに愛してはいるはずです。
そういうふうな接し方しか思いつかない古い人間なだけですよね。

役柄の中で、ブラピは、古い方と新しい方がいる場合、
新しい方を演じているケースの方が多い気がしますね。

また、戦後というほどではなくても…
昭和の後期から平成初期までは、親しみやすくない
父親はありがちですよね。

杏子さんもお父さんと一緒の夕食は空気が重い感じしたんですよね。
そろそろ親しみやすい大人が増えた時代でも、まだ、雰囲気の
重い大人もいたものですね。

厳格に見える父親も実は音楽家になる夢を見てる時期があって、それを
息子のジャックに語るのが物語の盛り上がる部分だと私は思いました。
そして自分のようになるなと言ってるところいいですね…('ω')

ちょっとこれで、思い出すのは、母の伯父。私には遠戚です。
子供時代の私の母から見て、
昭和に多いやや厳しく真面目なタイプの伯父さんに一見すると見えたのに・・・
でも、息子には浪人を許し美術系の仕事につけるのを応援したんです。
実は厳格な雰囲気の伯父さんは、画家とか絵関係の仕事に就きたかったけど、
戦後に皆を養う為に普通の会社員をしていたようです。


厳格に見える父でも、実は音楽家になる夢とか持ってたんですね。
諦めて工場に勤めているのに、その工場もダメになるのは辛いところですね。

最後、中年になるジャックが父に電話かけるのは、
自分も親世代になり、うるさいと思った父親の気持ちも
理解できるようになったんだなぁと思いました。
Unknown (杏子)
2022-12-06 20:33:25
>ウラジーミル・アスポンさん
コメントありがとうございます。私もブラッド・ピットが父親役で
ショーン・ペンが息子役?と意外に思いました。

昔は外国の父親も日本のオヤジみたいに厳格だったんですね。
言われてみれば古い洋画を観るとそんな感じもします。

私は父親が嫌いでしたね(母親もですが)。面倒なのでずっと会っていないし
電話もしないし、まあお葬式には行くか、って感じです。
人が聞いたらすごく薄情な娘ですよね(^^;)

おっしゃるように、父親が本当は音楽家になりたかっけど、意志が弱くてなれなかった、
お前は自分のようになるな、とジャックに話すシーンはいいと思いました。
父親はクラシックのレコードをよく聴いていて、オルガンを弾くのも好きです。
次男が音楽好きの父親に影響されて、ギターを弾き始めるのもいいと思いました。

感動的な映画ではあるのですが、どうにも退屈で…
いらないシーンを削ればだいぶ変わったかな?と思いました。
Unknown (JŪNNУ™)
2022-12-07 16:28:39
こんにちは ☕ _ _))ペコリン

ブラット・ピットと、ショーン・ペンが出てるのに面白くないんかいな? (^_^;ゞ('-'*) フキフキ♪

Amazon Prime 確認したら、本作あったんで気が向いたら観てみるわ~ v(=∩_∩=)
Unknown (杏子)
2022-12-07 20:01:16
>JUNNYさん
コメントありがとうございます。そうなんですよ〜、
ビッグネーム2人が出演しているのに…
感動的ではあるけど、ちょっと…という感じです。
人によってはおもしろいかもしれません。
Unknown (dalichoko)
2022-12-16 17:36:59
マリックの美しい映像と厳しい内容の対比が印象的です。最近だと「名もなき生涯」も極めて痛い映画でした。ナチズムとかファシズムが、いまの日本にも深く浸食していることを感じる昨今です。
Unknown (杏子)
2022-12-16 20:33:14
>dalichokoさん
コメントありがとうございます。映像は美しかったです。
「名もなき生涯」は観ていませんが、辛い映画なんですね。
今の日本にナチズムやファシズムが侵食してきているでしょうか。
私にはよくわかりませんが、だとしたら怖いことですね。

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