新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ

全国紙の元記者・中村仁がジャーナリストの経験を生かしたブログ
政治、経済、社会問題、メディア論などのニュースをえぐる

「被害者・大谷」なのに愚劣な発信が多すぎた情報化社会

2024年04月13日 | 社会
  情報もなく思い込みを垂れ流し 2024年4月13日  米メジャー・リーグで活躍するスーパースター、大谷選手の通訳を巡る事件で、米連邦捜査局は12日、水原一平を銀行詐欺容疑で訴追しました。連邦検事は「大谷氏は被害者とみなされる」と明言、私はほっとしました。    3月末に事件が明るみになって以来、思い込み、伝聞、想像などに基づく情報、発言、コメントが飛び交いました。米国での事 . . . 本文を読む

就職人気でまたニトリが1位、新聞・テレビは全滅

2024年04月09日 | メディア論
   学生が読まない、見ない 2024年4月9日  学生の就職人気ランキングの文系総合で、家具・インテリアのニトリが昨年に続き第1位を維持しました。日経新聞と就職情報大手・マイナビが来年3月卒予定の大学生を対象にした調査の結果(3・9万人回答)です。    メガバンク、大手商社、著名メーカーを抑えて、北海道発のニトリがトップに2年連続で躍り出たことは驚きです。国内690店舗、海 . . . 本文を読む

自民党の資金疑惑の「本丸」に遠吠えする新聞

2024年04月05日 | 政治
  解散・総選挙は遠のく 24年4月5日  自民党は派閥の裏金事件を巡り、安倍派、二階派の計39人の処分を決めました。新聞各紙をみると、表現にかなりの違いがあり、新聞社のスタンスが反映されています。朝日は「自民裏金」、毎日は「裏金事件」と表現したのに対し、読売は「不記載」としています。    読売は関連記事でも「自民党派閥の政治資金規正法違反事件」という表記です。意図して「裏金 . . . 本文を読む

安倍派が自民党離脱・新党結成というエイプリルフール

2024年04月01日 | メディア論
  安倍派追放の屈辱で居直り 2024年4月1日  毎年4月1日は嘘をついていい「4月馬鹿」の日です。新聞をみていたら、やはりそれらしきニュースが見つかりました。「政治資金問題を巡る安倍派幹部の離党処分などを不満として、旧安倍派の最大100人が自民党を離脱し、新党を結成する」というのです。    安倍元首相が死去し、後継の会長が決まらないうちに、政治資金の裏金疑惑が発覚し、安倍 . . . 本文を読む

円安投機を招いているのは政府・日銀の不用意な言動

2024年03月28日 | 経済
  市場は疑心暗鬼の状態がよい 2024年3月28日  日銀が異次元金融緩和の枠組みを転換したのを、あざ笑うかのように円相場は27日、1㌦=152円目前まで下落(28日は寄り付き151円30銭)し、34年ぶりの円安水準を記録しました。    鈴木財務相は「行き過ぎた動きにはあらゆる手段を排除せずに断固たる措置をとる」と発言し、政府関係者も「投機的な動きがある」と指摘しています。 . . . 本文を読む

神話と伝説にすがる皇位継承は女性軽視で安定を損なう

2024年03月24日 | 社会
  時代の流れを取り込みたい 23年3月24日  連日のように能登大震災、政治資金の裏金疑惑の報道が溢れている中で、先日、「皇族数確保の具体策を検討/自民懇談会」という地味な扱いのニュースを見つけました。    とくに適齢期の秋篠宮佳子様が結婚するようなことがあれば、若い皇族は秋篠宮悠仁様くらいしかおられなくなります。両陛下の長女愛子様も大学を卒業され、いつかご結婚される。 . . . 本文を読む

異次元金融緩和策の本当の出口は2、30年先か

2024年03月20日 | 経済
  たどり着いたのは出口の入り口 2024年3月20日  日銀は、2013年から始めた大規模金融緩和政策の骨格を修正しました。植田総裁は「大規模な金融緩和は役割を果たした」としつつ、「緩和的な環境は維持する」と、矛盾するような発言をしました。    アベノミクス、黒田・前総裁の金融政策の遺産があまりにも大きく、一気に正常化できない。そう言いたかったのです。「自分がやる金融政策は . . . 本文を読む

アカデミー賞司会者の「トランプ氏に一撃」にみる日米格差

2024年03月17日 | 海外
  政治権力批判に及び腰の日本 2024年3月17日  米ハリウッドで10日に行われたアカデミー賞受賞式で、著名な司会者のキンメル氏がトランプ前大統領を痛烈に皮肉る一撃を放ちました。「そこまで言っていいんかい」「そこまで言うのが米国メディアか」と思いました。    同時に、米国の政治、社会環境、メディア環境は日本と大きく違い、比較は難しいにしても、「日本のメディアは政治権力に対 . . . 本文を読む

米国のシンボル・USスチール買収は日鉄経営陣の浅慮

2024年03月15日 | 経済
政治リスクの懸念を軽視 2024年3月15日  日本鉄鋼メーカー、日鉄による米国のシンボルともいえるUSスチールの買収は案の定、トランプ、バイデン両氏の反対で暗礁に乗り上げました。日鉄の経営陣が政治問題化のリスクを甘くみた結果でしょう。    日鉄が2兆円という巨費を投入するというので驚きました。今の流れからすると、すでに政治問題化しており、買収が成功するか否か、大統領選の影響を . . . 本文を読む

日米とも深刻な政治危機の中で株価は最高値の怪

2024年03月08日 | 政治
  政治不安がマネーばらまく 2024年3月8日  泥沼状態にはまった米大統領選、岸田政権の支持率の急落といい、日米ともに深刻な政治危機に陥っています。その中で株価は両国とも史上最高値を更新しました。政治的安定がマネー市場の安定に欠かせないという常識がもう通用しないようです。政治不安から財政金融の膨張策が長く続き、大量のマネーが市場に供給された結果なのでしょうか。    金価格 . . . 本文を読む

野党は政治刷新戦線を組み自民党に圧力をかけよ

2024年03月02日 | 政治
  稀にみる政治改革の好機到来 3月2日  自民党派閥の裏金事件を巡り、2日間わたる政治倫理審査会が行われ、日本が政治を刷新する好機がきたのに、虚しく時間を空費しています。新聞、テレビも説教調の報道を続けていれば、自民党が自ら改革に動きだすとでも思っているようです。    岸田政権支持率も自民党支持率も20%台に低下し、「支持政党なし」は50%台まで上昇しています。こんな時でも . . . 本文を読む

本当の姿が見えにくい「史上最高値の株価」の虚実

2024年02月23日 | 経済
  筆頭株主が日銀という奇形な市場 2024年2月23日  株価が3万9000円台をつけ、34年ぶりに最高値を更新しました。4万円超えの強気論も浮上しています。全国紙はどこも1面トップの扱いで、日経新聞の1面は紙面のほぼ全部を占める「全段ぶち抜き」、関連記事に何ページも割く力の入れようです。    日経は「ついに天井を突き抜けた。もはや『バブル後』ではない。株価は上がらないもの . . . 本文を読む

インフレ率を加味した「史上最高値の株価」は5万7千円のはず

2024年02月16日 | 経済
  3万8900円の実質価値は2万700円 2024年2月16日  日本の株価が34年前につけた史上最高値3万8915円の圏内にまで高騰しました。過去34年間の平均インフレ率0・6%を加味すると、実質的な最高値は5万7000円になるはずです。チャットGTPに質問しましたら、そういう回答でした。そこまで高騰しないと、通貨価値が同等にならない。    株価は景気動向、インフレ率、企 . . . 本文を読む

文春砲「五輪汚職・高橋被告の激白」が暴露する政治家の狡猾

2024年02月09日 | 政治
  罪は民間人に押し付ける 2024年2月9日  週刊文春は「五輪汚職、高橋被告が独占7時間」というインタビュー記事(2月15日号)を掲載し、五輪組織委員会に高橋被告を理事として招き入れた安倍、森元首相に憤懣をぶちまけています。「なぜ俺が全ての罪を被るのだ。政治家はどうなのだ」との怒りを文春砲は伝えています。    スポンサー契約を巡り、約2億円の賄賂を受け取ったとする事件で、 . . . 本文を読む

日経「私の履歴書」で知る財務省OB「日銀・黒田と五輪・武藤」の優劣

2024年02月01日 | 政治
   2人の高官の去り際のドラマ 2024年2月1日   日経新聞で定期的な購読者が最も多いと思われる連載コラム、著名人による「私の履歴書」(1か月)に異変がありました。昨年11月に財務省財務官OBで日銀総裁を務めた黒田東彦氏、今年の1月には事務次官OBで東京五輪組織委員会の事務総長だった武藤敏郎氏が登場したからです。    黒田氏(1944年生まれ)は国際金融、武藤 . . . 本文を読む