約三千年前から現在に続く中医学。
その伝統中国医学では感情をどのようにとらえているのでしょうか。
まずは病因(病気の原因)というものがあり、それを次の3つに分類します。外因、内因、不内外因。
外因とは、六淫の外邪といって、風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪を指します。読んで字のごとくそのような性質の邪気が身体を襲います。
内因とは、内傷の七情といって、怒、喜、思、悲、憂、恐、驚の感情を指します。これらの感情の乱れが身体を傷つけます。また、飲食の乱れ、過度のセックスも内因になります。
不内外因とは、上記以外のもので、外傷や寄生虫などを指します。
内因となる七情が過度になると、それぞれ傷つけやすい内臓というものがあります。(中医学での内臓は西洋医学での内臓と捉え方が違います)
怒は肝臓、喜は心臓、思は脾臓、悲、憂は肺臓、恐、驚は腎臓になります。
現代では、5人に1人が腰痛を感じるそうです。そして、その腰痛の8割が原因不明だそうです。肩こりもほぼ同様です。
だから鍼灸マッサージが必要とされるのでしょうね。
話しを感情に戻します。
恐、驚は腎臓を傷つけやすいという話をしました。腰は「腎の府」といわれ、腰は腎臓の居場所です。当然腎臓の傷は腰痛につながります。
では恐、驚という感情はどのようなものでしょう。
ああなったらどうしよう、こうならないように、未来への段取り。これらは恐です。
さらに、段取り通りに進まないことでイライラする。
イライラは怒です。怒は肝臓を傷つけます。肝腎同源といわれ、肝臓の傷は腎臓に影響します。さらに腰痛を悪化させそうですね。ついでに肝臓の傷は右の肩首肩甲骨付近に出やすい傾向があります。肩こりにも関係ありそうですね。
発端は、恐、未来への段取りです。そして、怒、が促進します。
家族、家事、子育て、介護、仕事、社会への不満。これらみな怒です。
先程も話したように怒は肝臓を傷つけます。肝臓の大切な機能に疏泄というものがあります。疏泄とは、全身の気をスムーズに流すという働きです。全身の気が滞れば腰痛肩こりはもちろん、まさに全身どこに症状が出てもおかしくありません。さらに肝臓は、罷極の本といわれ、疲労に耐える臓器です。ということは肝臓が傷つくと、疲れやすいとか疲れが取れないという症状が出やすくなります。
このように中医学では、理路整然と感情を捉えます。
そうすることで、同じく理路整然と治療法が導き出されます。
現代人の多くは、恐と怒、で頭がいっぱいです。腰痛肩こり疲れやすい、覚えがありませんか。
そしてその多くの人は、恐と怒、で頭がいっぱいのことに無自覚です。あるいは、自覚があってもそれを問題視せず、別のどこかに問題を探します。
人は、意志、考えなしに行動することはできません。
そして人は、行動せずに生きていくことはできません。
僕たちが生きていくうえで、意志、考えの影響はどれほど大きなものでしょうか。
そしてその意志、考えにどのような感情が伴っているでしょうか。
ここを無視して僕たち人間というものを捉えることはできないのではないでしょうか。
筋肉が!!骨盤が!!というフレーズをよく見かけます。
ここ数年は、自律神経が!!というのが流行でしょうか。
それらの原因は何でしょうか。
感情が!!という流行はやってくるのでしょうか。
感情、というところに全ての原因と全ての希望があります。
少しでも気になった方はどうぞご相談ください。
鍼灸と感情は、切っても切れない関係です。
お読みいただきありがとうございました。
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