司法書士試験合格後の流れ。就職か独立か。他の資格もとるべきか、合格後にやるべきこと。 | 愛媛県松山市の司法書士事務所、山岡信己のブログ

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司法書士試験合格後の流れ。就職か独立か新たな資格か。合格後にやるべきこと。

平成27年度司法書士試験最終合格者のみなさん、合格おめでとうございます!!
官報に司法書士試験最終合格者の人の名前が載りました。
記念に買われた方もいるかもしれませんね。

この記事は、合格された人の役に立てれば思いで書いてみました。
ほんの少しでも有用な情報があれば幸いです。





司法書士試験合格後の流れ


1.各種交流会、合格祝賀会
まず、祝賀会や交流会などは必ず参加してください。
各種受験予備校や地元の単位会が関わっているもののほか、
フェイスブックやツイッターなどで募集していることもありますので、積極的に申し込みましょう。
私も、祝賀会で知り合った司法書士と今でも仲良く情報交換しています。
職業仕事関係なく、一生モノの友達が出来る可能性もあります。

研修用名刺には、
就職、開業予定地と、各種研修の受講予定地、SNSの情報などがあるとよいでしょう。



2.研修
中央新人研修・ブロック新人研修・単位会司法書士研修・配属研修・特別研修
必須のものについては、必ず申し込んでください。
また、実務経験無しの即独立の人は必ず配属研修を申し込んでください。
これは地元金融機関の契約書を地元管轄法務局にそのまま出しても、
登記すら通らない事情がある地域は、依頼うけた司法書士が契約書に追加記入していたりする事情があったりするためです。
こういうことは法律にも実務書にも載ってないですから。
勝手に記入していいの?とか思うはずです。

*不備あるなら指摘しろよ、と思われるかもしれませんが、長年にわたって指導しない司法書士会が多いようです。
この理由は、金融機関と司法書士の力関係から推測できます。
仕事の依頼は、金融機関の方から定期的に来る流れですので。



3.司法書士簡易裁判所訴訟代理等認定考査試験
認定考査のための対策を今からする必要はありません。
しかし、試験日から逆算して計画し、どの時期に何の勉強をしておかなければならないか、
計画表だけでも作る必要があります。これを把握しているのとしていないのとで大きな差があります。
認定考査試験は、試験が開始された当初は訴訟物の欄に時計とか書いても合格していた人がいるとかウワサされる程度の試験だったのですが、
段々難しくなってきて、現在では相当難化していますので、対策と勉強は必須です。

売買賃貸借消費貸借あたりだけおさえとけばいいっしょ、では済みません。
司法研修所編の要件事実でもやらないような類型の問題が出題されたりするのです。

*まあ、それもどうかと思いますが・・・。問題ネタが無いのかもしれませんが、基本範囲から出ているのも良くないでしょう。
ちなみに私の年の問題は、不法行為でした。


司法書士簡易裁判所訴訟代理等認定考査試験の勉強計画の作成
試験日から逆算し、
まわしていた本の最終ループをしあげる日、
最終模試を受ける日、
最終ループをはじめる日、
最初のループが終わる日、
最初のループがはじまる日
講義を受け終わり、本がひととおり終わる日
答案構成の練習がはじまる日
講義がはじまる日



特別研修が終わる日
特別研修がはじまる日

と、計画だけでも作成したほうがよいでしょう。


内容でいうと、
1、要件事実をおさえる
2、司法書士法関係をおさえる
3、民法、商法、民事訴訟法を再度思い出し定着させる

ですが、1以外は12月とかからやっても細部は忘れてしまうので、今年は1のさわりだけやるとよいでしょう。
今では最初の研修でも、要件事実論に触れられることもありますので。

そこでおすすめしたいのが、下記の本です。
認定考査受験用の本などでもよいのですが、それは試験対策時におすすめします。
やはり、試験日前に急いでしまって、暗記のように覚えてしまうのはよくありませんし、
なにより認定考査の対策や試験勉強がはじまるまでには忘れてしまいます。
そこで、何故そうなるか、という理由がわかりやすく頭に残る本を研修までに読んでおくとよいでしょう。
私の年には、こんな便利な本はまだ発売されていませんでした・・・・。


要件事実入門 初級者編  岡口基一
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研修が始まりだす前に初級者編だけでも読んでおきましょう。
研修中は飲み会や交流会などが多くて、夜はアルコール入って勉強できないからね。
時間調整が出来る今のうちに読んでおきましょう。
特別研修以外の研修の段階でも出てくる要件事実がすんなり頭にはいってくるよ。






就職か独立か。


1.就職か独立か
まず、司法書士のリアルを生の人間に聞いて、情報収集しましょう。
地域差も大きいですし、ネットで聞くより、会って聞いたほうがよいです。

就職組
雇われ司法書士の月収は15万円から25万円ぐらいの間が多いでしょう。
ただし、債務整理系の大手司法書士法人や、その他マンション一括事務所などの司法書士事務所は、
このデータとは異なり少し高いです。
また普通の事務所でも、一時修行のために就職したのでは無く無限責任社員になった場合や、営業兼務などは待遇が違うでしょう。

給料前提に考えることは無いのですが、どういう事務所に就職するか事務所タイプを見るまえに、
目的意識をはっきりもつ必要があります。

つまり、
独立するので修行するために一時的に3年ほど就職するだけなのか、
それとも、ずっと就職できる事務所を探しているのか。
まだ考えているだけなのか。

独立組
独立司法書士の収入は、事業主ですから、売上げに応じて収入があります。
つまり、「仕事を取る能力」(*法律知識や実務知識ではありません。)に比例するということで、一般の会社やるのでも同じです。
会社がうまくいかないなら収入もありませんが、会社がうまくいけば収入も高いでしょう。
独立する人は、私は即独立でも十分かと考えていますが、前述のように配属研修は受けるべきでしょう。*補助者経験ある人などを除く。
独立するにあたって考えるべきことがあります。
それは、コネありかコネなしか、です。



コネあり独立の方。
二世や、補助者やってて先生の事務所引継ぎが決まっている人、親が他の士業やっている人。
ほかには、マンションデベロッパーに勤務していたとか、銀行の役員が親戚とかで、既に取引先がある人。
コネありですから、考えるべきことは少ないです。



一方、コネなし独立の方。
これは思いとどまる必要でてくるでしょう。
すなわち、どこ行っても既に担当司法書士が居ると言われ仕事が無い事態を想定しなくてはなりません。

・営業力がある人。
・イケメンや美女で人と会話して仲良くなるのが得意な人。
・地元が司法過疎地域で、競合事務所が一切なく、役所が営業に協力してくれたり、補助金が数百万もらえる人。

これらの人はなんとかなるでしょう。
しかし、そうでは無い人の場合は、営業戦略、集客戦略を真剣に具体的に打ち出しておき、具体的にみえない場合は独立を止めておくのもひとつの手です。

その場合どうするか。
アイディアをご紹介します。是非参考にしてみてください!

・独立せず、他の事務所に雇われて働く。
  独立しないこと前提にすれば、ずっと居るなら待遇も良い事務所もあるでしょうし、
  また、お金のことじゃなく、自由度や人間関係や居心地が良い事務所もあるでしょう。

・後継者が居ない事務所に事務所引継ぎ前提として入る。
  今は後継者が居ない事務所が多いですから、弟子入りするわけです。
  とても大事なのは、事業譲渡契約について、話をしっかりしておくことです。

・他の会社や事業をメインにやりながら、司法書士の事業は顧客が一定数を超えるまでは地道な活動をしてあたためておく。
  不動産会社、保険会社、FP、ローン取次、その他一般の会社など、事業はたくさんありますし、なにも資格の範囲で出来るメニューにこだわる必要は無いでしょう。私の地元には、ギター演奏を本業とされてらっしゃる行政書士の先生もいるぐらいです。資格なしで出来るメニューもやればよいのです。税理士でコネ無し独立され、顧問先が溜まるまでは、一般の会社をメインにやっていく。なんて人もいます。

・地元やなじみのある県でなくても、司法過疎地域で開業する
 弁護士・司法書士が居ない地域等を司法過疎地域といったりします。
地元やなじみのある県での開業をする場合がほとんどでしょうが、あえて過疎地域を調査して選ぶわけです。
司法過疎地域では、補助金が数百万受けられ、何年以上か事務所を開いた場合は、返還不要になります。
また、役所次第ではありますが、弁護士・司法書士の居ない地域では役所も困り果てています。
よって、役所に盛大に広告してもらえる場合があります。また、地元農協などの金融機関にも協力してもらうよう、要請してもらいましょう。
知らない県や地域に引っ越すことになるため、広告戦略は役所に頼りきりにならず、自身でもやっておいたほうがよいでしょう。

・とりあえずノープランでぶっぱなす
  司法書士登録した人で、年齢や健康などのことを除くと、登録抹消している人はほとんど居ません。つまり、独立開業した人は、ギリギリか裕福かわかりませんがなんとかなっているものです。

しかしそれでも、司法書士は地域密着型の事業ですので、開業する地域はかなり調査したほうがよいでしょう。
都会か地方か。
地方中核都市かベッドタウンか田舎か。
競合事務所と人口比率。
他に特筆すべき情報を書きましょう。

登記業務メインでやる場合は、
不動産取引決済が、売主側代理人司法書士、買主側代理人司法書士という慣習がある地域かどうかを調査してください。
これは全国の都道府県の中で、一部の県の一部の地域の一部の事務所が慣習として採用しているのですが、
所有権移転登記(売買)と残代金の決済の同時履行をするには、当然、売主買主双方の登記申請代理人になる必要があります。
普通は、担当司法書士はひとりです。
しかしこれを、司法書士二人ですることがあるのです。
この風習がある地域は要注意です。

なにがいいたいかというと、つまり、それだけ「担当司法書士はこの人じゃないと嫌!」
という地域柄なのです。

後見メインや裁判メインやBtoCビジネスでやるというなら関係はないのですが。


いくつか書いてみましたが、
私の個人的見解によるコネなし組みのおすすめの独立パターンは、
後継者居ない事務所での引き継ぎ年月日を確約して入る独立方法です。また、上記の方法を組み合わせることも考えられるでしょう。一般の事業をやりながら、引継ぎ修行にいく、などです。








他の資格もとるべきか、合格後にやるべきこと。
他の資格もとるべきか。
独立するのであれば、必要性に応じて取得すればいいだけです。

つまり、
車の運転がしたいなら、普通自動車免許をとればいいだけです。
船の運転がしたいなら、船舶免許をとればいいだけです。

士業でも同じで、建物表示登記の取引先をとるつもりなら、土地家屋調査士をとればよいだけです。
また、地裁以上でも代理人するつもりなら、弁護士になればよいだけです。
相続税申告案件もとるつもりなら、税理士をとればよいだけです。
(下ふたつは、もうこの時期試験終わっていると思うので、取ろうとしてた人は取っているはずですが、)
許認可をやるなら、行政書士をとっておけばよいだけです。
不動産業やるなら、宅建士をとっておけばよいだけです。
それぞれ業務の広告や集客をやる場合なら、その前提として資格をとることも必要です。

くれぐれも手段と目的の逆転には注意してください。
受験業界には、それぞれの資格をランキング化し、それに合格すれば難易度にあわせた人格や仕事がついてくると思っている変な人もいますので。
資格なんて使う必要があれば取ればよいだけです。



就職組みなら、各事務所の需要にあわせて取っておくとよいですが、
近隣資格を士業事務所就職活動用としてとっておくのもひとつの方法ですね。




合格後にやるべきこと。
合格祝賀会、交流会の申込み。
研修の申込み時期の把握、申込み。
就職か独立か決まっていない人は情報収集。
就職方針の人は、事務所を探すことと求人の申込み。
独立方針コネありの人は、その準備。
独立方針コネなしの人は、営業、集客活動の伏線張りや調査。
簡易裁判所訴訟代理等認定考査試験の勉強計画の作成。
要件事実入門初級者編を読む
他の資格の申込み、勉強、勉強計画の作成。






ま、まあたくさんかいたけど、業務やるつもりなく司法書士資格をもっておくだけの人なら
特に関係ない記事かな。
でも祝賀会や交流会や研修は行っておいたほうがいいよ!
友達ができるからね!

あ、それと、司法書士山岡事務所では、
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