ある日の空。
覆われた雲の向こうから
輝き続ける太陽の
強い光が
テラスを照らす。
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ずーっと喋り続ける
隣のイタリア人グループの
何がきっかけでそういう話になったのか、
熱い「オリーブオイル」談義が始まった。
さっきまで、
うるさいなぁ…と思っていたのに
私の耳は、
ダンボになった。
「トスカーナのオリーブオイルってさ、高いよねぇ。」
「ウチは夏にサルデーニャに行った時、少しだけ分けてもらったけど、それで十分美味しいって思ったよ。」
「でも、宿の主人は、ピリッとしてガツンとくるのじゃなきゃ、美味しいと言えないって、言ってたよ。」
「私、マイルドな味の方が好きだな。」
「値段が高いのには、それ相応の理由があるんだよ。質の良いエキストラバージンオリーブオイルは、最低でも1リットルあたり10ユーロくらいの金額が作り手にかかっているんだ。スーパーで5ユーロくらいのヤツって、中身が何入っているか知りやしない。ありえないんだよ。」
なかなかの博識ぶりで
熱弁を振るうシニョーレに
しばし沈黙したあと、
「ところで今晩、何食べる???」
話は明後日の方に展開していった。
オリーブオイルが日常に溢れているイタリアでも
本当によく知っているか???というと
案外、知らない人の方が多いと再認識した
イタリア人たちの、オリーブオイル談義は
あっけなく終了したのだけど、
何気にその会話を
ひとり楽しんだのであった。