常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

月山の花

2022年07月15日 | 登山
昨日、梅雨の晴れ間のような天気。天くらの登山指数がAであるのに誘われて、ほぼふた月ぶりの本格登山になった。目指すは花の百名山・月山、標高1984m。リフトの駅についた頃は、すっぽりと霧が山を覆っていた。しかし、駅の前にはすでにニッコウキスゲの黄色い花が出迎えてくれる。リフトに乗って下の草むらを見ると、ここもニッコウキスゲが上の駅につくまで目を楽しませてくれた。


『花の百名山』を書いた、田中澄江の言葉を引いてみよう。「木道の両側にはひらきはじめたニッコウキスゲの黄、ヨツバシオガマの紅が美しく、紫のハクサンチドリも点々と咲いている。チシマザサのかげにはシラネアオイも咲きはじめ、ウサギギクも鮮やかな黄に映えている。月山という山が、こんなに花のある山とは知らなかった。

もう何度も月山の魅力に触れてきた。残雪がきらめく春の月山、昨年はこれでもかと堪能させてくれた秋の紅葉。そして眠り行く、葉を落とし、冬を迎えようとしている月山。今年は、花の月山がそれに加えられた。しばらく山を離れて、脚の状態にも自信が持てなかったが、花の美しさに誘われて高度を稼ぐ。
ニッコウキスゲの群落の姥ヶ岳を過ぎて、急坂の前の笹薮に時折り見せる、ハクサンフウロの濃い紫。その先には咲き始めたシャクナゲの優雅な花。さらにこの日圧巻となったコバイケイソウの大群落。田中澄江ではないが、月山にかくも華やかな花の群落があったとは。以前、肘折コースで出会ったニッコウキスゲの大群落に見劣りしない花の大饗宴である。

夏の日の海に落つるまで月山のお花畑にわれあそびをり 哀草果

この日見た花は実に数多い。ミヤマリンドウ、ハクサンイチゲ、ダイモンジソウ、ミヤマキンポウゲ、シナノキンバイ、ウスユキソウ、アオノツガザクラ、チングルマ。どの花も群落をなして見応えがある。頂上に着く頃、霧の雲はとれて、庄内平野と日本海の絶景もみることができた。
12時、頂上の池塘を囲むハクサンチドリの群落を眺めながら昼食。脚の疲れも吹き飛んだような気になる。頂上に神社へ荷物を運ぶヘリが幾度となく飛来する。天気は庄内に向かって陽ざしがあり、内陸は相変わらずの霧。帰路は、下道の雪渓を下る。スプーンカットの雪渓は、滑落防止のアイゼンを着用。帰路も3時間、リフト終了の30分前となった。

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