常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

冬の海

2021年12月02日 | 登山

冬の海、日本海と太平洋ではその表情が全く異なる。荒れる海は日本海の大きな特徴だが、ひき変えてて仙台から見る冬の海は穏やかだ。雪の日に、奥羽山脈を越えて宮城など山から海を見ると、びっくりするほど明るい紺青色である。ヨットが浮かんでいるのを連想するのどかな表情が見ることができる。そんな冬の海が見たくて、仙台市愛子の蕃山に出かけた。この付近はかっては、森であったが、高度成長の時代に宅地化が進み、今は仙台のベッドタウンになったいる。

この山の麓には大梅寺という寺院がある。その寺を開いたのは雲居禅師で、松島の瑞巌寺の中興を担った高僧だが、晩年、静かな森での隠棲のため、蕃山の山麓に移り住んだ。磐司磐次郎、磐三郎という兄弟の山賊がいた。兄の磐次郎は太白山に、弟の磐三郎は蕃山に隠れ住み、山中へくる旅人の身ぐるみを剥いで暮していた。雲居禅師が居を蕃山に定めたのを知った山賊の兄弟は、大刀を振りかざして禅師を襲った。禅師は身動き一つせず、着物から食べものを差し出し、その上で人の生きる道を説いた。禅師の挙措や訓話に感じ入った兄弟は、禅の道に入信し、名高い高僧になった。信じられない伝説だが、今も麓の大梅寺は瑞巌寺の由縁の寺で、住民の信仰を集めている。

入山の登山道を誤り、電信柱の点検道を歩いて、頂上へ這い上った。あまりの急登にびっく、また雪が溶けて濡れた道は滑りやすい。文字通り這い上るという感じであったが、目的地の蕃山頂上から見た海の青さ、空の澄みきった青さのに見入ってしまった。それほど素晴らしい冬の海であった。
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