2021年01月17日(月)「ワルプルギスの夜」に関する一考察 | その名も、あきらくん~思いもよらない毎日~

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 詩歌に込められた裏メッセージで有名なものと言えば、 、野口雨情作詞・中山晋平作曲の日本の童謡「シャボン玉」(しゃぼんだま)などが有名です。これは野口自身がそうだと認めたわけではないためあくまで推測の域を出ませんが、「シャボン玉を夭折(ようせつ)した子の命に見立てた」説で解釈すると確かにしっくりするものがあります。

 

このような「わかる人にはわかる」という表現方法の歌は、西洋にも多くみられます。

 

フランツ・シューベルトの「野ばら」なんぞ、野ばらは少女の象徴でしょう。

 

3番目の歌詞なんぞ、少年が少女の大切なものを奪った以外考えられない描写じゃないですか。

 

そのような視点からいろいろ調べていくうちに、面白い発見をしました!このシューベルトと同じ時代に生きたアレクシス作詞、カールレーヴェ作曲の「ワルプルギスの夜」です!

 

ワルプルギスの夜とはWikiにある通り、春を迎える儀式として盛大に火を焚くお祭りです。

 

 

この詩は、それにまつわる母と子の会話ですが、お母さんは子供に対し、「魔女は麻くずを燃やした煙に乗ってブロッケン山に行く」と語られているのです。

 

 

他の本の訳も参照にしてみました。丸山さんから頂いたウーラントの本にはこうあります。

やはり「麻くずを燃やして」、とある。

 

ということは、これは  「魔女たちがブロッケン山で大規模な祭りを催して、春の到来を待つという 」というこの夜、当時は生活用に普通に植わっていた大麻のくずが大量に焼却されることにより集団に陶酔感をもたらし、wikiにあるような、普段とは異なる「魔女の集会」のような乱痴気騒ぎを生み出していた、という事を伝える詩ではないか、と。

 

 ブロッケン山は日本でいう富士山のような最高峰の山です。そこで魔女たちが祭りを催す、これは「非日常へのトリップという象徴表現」ではないかと思います。似たような習慣は日本でも旧正月のどんどん焼き等にも見られますが、大麻は、日本の神道でも大麻は重要な位置を占めています。現在どんどん焼きで燃やされる正月飾りは、松、竹等ですが、かつては当然麻も含まれていたことでしょう。しめ縄は大麻から出来ていますし。日本の麻は西洋の麻に比べTHC含有量が低くいですが、厚生労働省資料によると日本でも谷中西光寺の坊さんの話など、麻による乱痴義騒ぎの例はあります。また 「麻の生葉には毒あるものなり。用薬順知(1726年に編纂された医薬書)に人をして狂笑止まざらしむといえり」 とカールレヴェの生まれる1796年より先の医学書にも既に指摘されています。

 

 

https://www.hokkaido-hemp.net/kouseisyo-taima-report1976.pdf

 

 

そして、魔女における重要なアイテム「箒(ほうき)」。これは「婦」という感じにもあります通り、古来女性を象徴するアイテムですが、その箒は麻くずを掃き集めるために使われていたのだ、という事ではないでしょうか。

 

あきら君の一方的な思い過ごしだよ、という人もいることでしょう。

しかし考えてみてください。

 

これが、麻くずでなく、他の普通の木枝であった場合、最後に思わずニヤリとするような詩となりうるでしょうか?

 

子は自分が起きている時の親しか知りません。大人になってわかる事は、子供の前のあるべき親・大人として振舞っている時の自分と、子供が寝た後(もしくはいない時)の素(す)の自分のギャップではないですか?

 

子供を寝かしつけたら、お母さんも暖炉のそばでチルタイムじゃあ!!

 

ですから、この詩は本来「怖い」のでなく、わかる人はニヤリとする作りなのではないか、というのが私の見解です。

 

そもそも魔女は空を飛んだり、幻覚を見せたりする薬を日々開発しているわけで。

 

日本カンナビノイド学会HPによりますと、大麻草を規制している国際条約は、1961 年の麻薬に関する単一条約(麻薬単一条約)、1971 年の向精神薬に関する条約(向精神薬条約)、1988 年の麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約(麻薬新条約)の3つがあります。

 単一条約は、スケジュール(附表)のⅣ>Ⅰ>Ⅱ>Ⅲの順番で精神作用物質の危険性の高さを表しています。特に附表Ⅳは、「最も危険で医療価値なし」という位置づけで、大麻及び大麻樹脂、ヘロインなどの20の物質が分類されていました。ドイツもこの条約を批准していましたが、2020年12月2日の国連会議における投票で、 大麻がスケジュール4(最も危険で医療価値無し)から外れたためドイツ独自の取締法を制定する必要もなくなり、今回の合法化になりました。

 

 

 

ワルプルギスの夜がまた復活するかもしれませんね。

 

大麻と言えば、我らが守護神・園田弁護士も面白い記事を寄稿されています。

 

僕は昔から「サンタは煙突から入ってくる」という表現に疑問を持っていました。

何故なら煙突は、外と内をつなぐ通路ではあれども、当時の生活様式からして一番汚れていて煙くらいしか通らない部分であるからです。

暖炉用の煙突はたとえ広くとも、大柄なサンタさんが出入りする場としては狭すぎますし。

よしんば無事に煙突を通過してきたとしても、すすで真っ黒けになっちゃうじゃないですか。

 

この時期に暖をとるために燃やされた薪や麻くずの煙をごちそうになろうと他人の屋根に上っていた人が落下してきた、とかなら話は分かりますけど。

 

 

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