サントリーホールディングスは3日、石油の代わりに、木のチップなど植物由来の素材だけを使ったペットボトルを開発したと発表した。今後製品化を進め、2030年には全てのペットボトルを植物由来か、使用済みのボトルをリサイクルしたものに切り替えることを目指す。
新たなペットボトルは、米バイオベンチャー企業のアネロテックと開発した。
現在は大半のペットボトルは石油だけを原料に使っているが、「サントリー天然水」のボトルは廃棄されるサトウキビの糖蜜を30%用いている。
今回は、その残る70%も木のチップからつくった成分に置き換えることで、100%を植物由来の素材にする。試作品ではマツの木のチップを使用した。品質は現行のボトルと変わらないという。
同社が国内外で使うペットボトルは20年で約29万トンだった。このうち使用済みのボトルをリサイクルしたものが約15%、一部に植物由来の素材を使ったものは数%ほどにとどまっていた。
100%植物由来のペットボトルについては、米コカ・コーラも試作品を作っている。(山下裕志)