ドクターXスペシャル予習「CTEPH」(1) | ドラマに学ぶ医療現場の真実

ドラマに学ぶ医療現場の真実

医療ドラマに出てくる場面を取り上げて、ちょっとした解説を加えたり、実際の現場ではどうなのか、なんてことを書いています。
「Doctor-X 外科医・大門未知子」第2期で始めて、
「医龍4~Team Medical Dragon~」「アリスの棘」と続けて、
今はDoctor-Xの第3期です。

CTEPHについてもう少し。

CTEPHは「シーテフ」と読みます。

日本語で「慢性血栓塞栓性肺高血圧症」。
要するに「肺高血圧症」らしいです。

では、肺高血圧って何でしょう?
これは通常の高血圧とは違います。

基本からおさらいすると・・、
心臓からの血液の流れは大きく二つに分けられます。

・心臓の左心室から体全体に血液が行きわたる「体循環」。
・心臓の右心室から肺の中に向かって流れる「肺循環」。
この二つです。

生きていくためには酸素が必要です。体中の細胞が酸素を欲しがっています。
酸素を血液に取り込むのが「肺循環」、
酸素を血液に乗せて体中に送るのが「体循環」です。

通常の「高血圧」というと、体循環の血圧が高くなることを意味しています。
そして、肺循環の圧が高くなることを「肺高血圧」と呼ぶのです。

通常の高血圧、治療はどうするでしょう?
薬を飲みますよね。高血圧はよくある病気で薬を飲んで治療している人がたくさんいます。

では肺高血圧はどうでしょう?
一般的な高血圧の薬はあまり効かないんです。
実は肺高血圧の治療薬は15年前くらいまでほとんどない状態でした。
1999年に一つ、2005年にまた一つ、2007年、2008年、2009年と一つずつ治療薬が認可されて、今では色んな選択肢があります。

今回の「CTEPH」ですが、これらの薬を飲んで治療するかというとそうでもないんです。
薬以外の治療方法があります。

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