5 申請


いよいよ、法務局に出向いて申請です。
ネットでの予約の際に予約時間の10分前に法務局に出頭するように指示されていましたので10分前キッカシに窓口に入りました。

ここまで書いてきたように、書類はあらかじめ準備していかないといけないので、窓口では本人確認書類を添えて提出するだけです。
ただ、人間のやることですからミスがある場合もあると思いますが、。どの程度までその場で補正等を認めてもらえるのかは、今回私の申請はノーミスだったので、ちょっとわからなかったです。

この、遺言の保管手続は法務局の手続にしては珍しく即日処理しなければいけないことになっていますので、法務局内でのチェックや処理が完了するまで待つことになります。
私の場合には、ちゃんと予約をして書類もノーミスで1時間ほど待たされました。
予約してもそれだけ時間の掛かる手続なので、予約なしでいきなり書類を持っていくようなことは絶対にやめておいた方が良いと思います。

それから、この遺言保管手続は、"代理"は認められていませんし、"使者"という概念もありません。
必ず遺言を書いた人が自分で法務局に出向かないと受け付けてもらえません。
「じゃあ、具合が悪くて家から動けない。」とか「入院してて一時退院も出来ない人はどうするんだ!?」という場合は、この手続は利用できませんので、今まで我々が勧めていたとおり誰か証人を2人お願いして公正証書遺言を活用していただくしかありません。
ただ、付き添いを許さないということはありませんので、車椅子で歩けないとかいう場合は、ご家族が車椅子を押して行ったり手続の間付き添ったりすることは可能です。

法務局内の処理がすべて完了すると「保管証」という書類を渡されますので、これを大事に保管するなり、信頼できる人に預けるなりしていただければ良いと思います。
なお、この手続は遺言を法務局が預かって保管する制度ですから、保管申請自体を撤回しない限り遺言の原本は返してもらえませんので、遺言書のコピーは事前に取っておいた方が良いと思います。

 

6 申請後にしなければいけないこと


保管後、自分の住所氏名本籍など、保管申請書に記入した内容に変更が生じた場合、遺言者は遺言を保管している法務局に変更した内容を届け出ないといけないことになっています。
これはどうも罰則はありませんが保管申請した人の法的義務のようです。
郵送でも可能なようですが、法務局に出向いて届け出をする場合はやはり予約が必要なようです。

 

7 申請後に遺言者ができること


保管された遺言は、申請者にとって自分の遺言ですから、保管してもらった遺言を法務局で閲覧することができます。
また、この遺言は民法の自筆証書遺言ですから当然撤回が出来ます。
なので、再度遺言で内容の撤回も出来ますし、保管申請そのものを撤回して遺言の原本を返してもらうことも出来ます。


※ 次回(その6)に続きます