どんな食事法がいいのかについて、様々な観点から考えてみましょう。
インターネットや健康本では、やれ肉食が体にいいとか、逆に菜食が体にいいとか言い合っていますが、混乱してしまいますよね。
確かに栄養学や食学ではある程度わかることもありますが、これらの学問は間違いだらけであり、やれ論文、やれ動物実験、やれ科学データが入り込むものの、実は現実には適応できないようなデータばかりになっています。
食というのはそんな単純なものではないし、食に正しいだ間違いだということさえ本当は存在しないのです。
ある医者、科学者、食学者、栄養学者などをみて○○食事法がよいとか、○○な食べ方でないといけないとか、○○な食事法が癌を治すなんて書いてある人を見たら、信用しない方がいいでしょう。
たしかにある食事法がガンに対して有効な時がありますが、その一方でその食事法によりガンを悪くする人がいます。
その違いを完全につかんでいる人はほとんどいないようです。
まずは日本人ですから和食が思いつきますね。
昔から日本で言われる「まごわやさしい」は食事療法とは言えるかも知れません。
まめ、
ごま(種)
わかめ(海藻)
やさい
さかな
しいたけ(キノコ類)
いも
を主にして食べる方法です。
玄米菜食はマクロビオティックに正食として扱われた方法で、一時日本ではすたれましたが逆輸入され根強い人気をもっています。
マクロビ自体は食事法というより考え方の部分が強いと言えるでしょう。
昔はマクロビオティックは動物食を禁じていたわけではないのですが、いつのまにかそうなってしまいました。
ナチュラルハイジーンと呼ばれる方法論もあります。
フィットフォーライフという本が有名ですが、新鮮な空気と水、食事、十分な睡眠や休養、適度な運動、日光、ストレスマネージメントを六原則とし、人間の特性は果実食であり、午前中は果物のみを食べ生野菜を中心にし、動物性蛋白質は控え精製加工食品は食べない、という方針になっています。
ローフードと呼ばれるものもあります。
これは簡単にいうと生で食べることを重視した方法論で、酵素が熱で失活することに着目しています。
本質的にいうと肉であれ魚であれ適応できるものですが、現代においては野菜の酵素を重視し農耕草食的なイメージをもっているので、ナチュラルハイジーンなどに近いと言えるかもしれません。
これに対し昨今注目されているのが肉食中心の食事法です。
これは大きな枠でとらえるなら狩猟民タイプの食事法であり、動物性の食品(肉以外にも魚介類、卵類、乳製品、虫など)を優位に食べる方法といってもいいでしょう。
肉食派の代表格の食べ方が糖質制限食です。
血糖値を上昇させる糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐのが糖質制限食の考え方とあり、簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージです。
つまり米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものを極力減らすわけです。必然的におかず=動物性のものが多くなります。
ケトジェニックとは別名アトキンス式ともいわれるそうですが、基本は同系列ですね。
糖質制限することによってケトン体を作りだし、脂肪をエネルギーに変える方法論です。
低糖質のものならお腹いっぱい食べてもOKで、ライザップでも一応採用されているとのことです。
虫歯にならない方針的食事法として編み出されたわけですが、内容的には糖質制限と似ているものの、近代食(砂糖、精製穀物、保存食品、植物性油)を摂らないようにすること、文明的毒物にも留意していること、先住民族の食生活だけをでなく生き方や人生観を模倣しようとする概念があります。
原始人食はパレオダイエットとも呼ばれますが、基本は似ていて、ほんの少量の芋類を除いて全粒小麦や玄米もとらず、グルテンの毒性を重視し、豆類、砂糖や塩を含む調味料、乳製品、添加物や加工品はとらないことになっています。
アルコールやコーヒーはダメ、調理は火を使ってもOKです。
MEC食というのもあります。
これはミート、エッグ、チーズの三種しか食べないという食事法で、究極的な糖質制限食だと言えるかもしれません。
糖質制限だと糖類を避ければよいというイメージがあるので、それを変えるための命名法とも言われています。
その他にも多くの食事法はありますが、みなさんがどれを選ぶかは自由だと思います。
ちなみに私は特定の食事法的なものは推奨していません。、
自分の体質を考慮して、あなたがもし病気になっているとしたら、少なくとも今行っている食事法は、病気にさせてしまった食事法であることに気付くことは、とても重要なことだと思います。
ではどうすればいいのでしょうか。
一番重要なのは科学や学問や言い伝えを排して、自分の舌に聞く事です。
ようするに一番欲している物、食べた時に一番おいしいと感じる物、それがあなたにとって最も必要な物であり、実は栄養もあなたにフィットしています。
ただしこの感覚は非常にうつろなものであり、騙されやすいということも知っていなければなりません。
野生動物は真の意味で何を食べるべきか知っていますが、人間は常に頭でっかちで
「誰誰にこの○○食事法がいいと聞いた」とか、
「和食は体にいいと思っている」とか、
「糖質制限は最近流行っているのでぜひやってみたい」とか、
頭で食べています。
こういう人たちはきっと健康になれないでしょう。
このようにして食べようとすること自体単に飽食時代のわがままであるともいえます。
何でも食べれる時代であるから食事療法も選択できるのです。
昔の時代や貧しい国であれば、今でも食事をより好みなどできませんからね。
まずは生物としての感覚を研ぎ澄ますことですが、この感覚を研ぎ澄ますときに重要なことは二つあります。
一つは化学物質や遺伝子的に生物とかけ離れたものを食べないことです。
私たちは人間である以上生物であり、非生物的なものばかり食べれば食べるほど、不健康に陥り味覚は騙されていきます。
添加物や農薬やGMOや汚染食材などはこれに当たります。
もう一つは精製されているものを食べないことです。
砂糖はその代表中の代表ですが、精製穀類や加工食品やその他にもあります。
これらは感覚をむしろ勘違いさせてしまうので、これだけは意識して避けた方がベターです。
そうして人間ではなく動物としても機能するようになればわかりやすくなります。
よい肉を食べて、おいしいと思えばそれが最も真実であり正解です。
よい野菜を食べてそう思えばそれが正解であり、何かを食べるとおいしくないと感じるなら、それはあなたにとって今は必要ないものなのです。
またマクロビオティックや断食をすることにより悪くなった病態も見かけることがあります。
また、糖質制限型の食事が良いと思い込んでやってはみたが、逆に悪くなってしまったという人も当然いるわけです。
こういうことをみていると、食事というのはそう単純に切り分けられるものではないと、私たちは人類全体で考えなければいけないわけです。
ただ、もしある人が三食食べて、間食もお菓子(それが無添加でも)を食べていればかなり要注意です。
またある人が朝ご飯を食べないと元気が出ないと言っていたらかなり要注意です。
なぜなら生物はもともと飢餓の方に耐えやすいようにできていますので。
また、頭の知識が邪魔して、肉は健康に悪いと思いながらも、肉が食べたいからと食べていると、体はその思考の影響を受けて良くない食べ物として受け取ってしまいます。
ですから、自然に近い食物を舌が美味しいと感じ、それが体にいいと思って食事することが一番体にいいことになります。
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