先日、東京工科大学応用生物学部の佐藤拓己教授らの研究グループにより、
ローズマリー由来のカルノシン酸が、
新型コロナウイルス感染症を抑制する可能性を示す論文が発表されました。
東京工科大学プレスリリース:
ローズマリーに含まれるカルノシン酸が
①コロナウィルス感染の成立の抑制
及び
②感染後の重症化の起点の抑制の可能性を見出した、とのことです。
同研究グループはこれまで
ローズマリー由来のカルノシン酸によるアルツハイマー型認知症の抑制などを明らかにしてきた方達です。
ローズマリー含めアロマテラピーを学び、愛する者としては、
この研究結果をどのように生活に活かしていけるのかが大切と思いました。
論文も確認し、カルノシン酸について、植物化学成分に詳しいわたしの師にも質問させていただきました。
カルノシン酸は、アロマでもメディカルハーブでも、あまりフォーカスされていない成分ですよね。
ポリフェノールの一種で、非水溶性抽出物。
ハーブティーをいれてもほとんど溶解しないかと思います。
一般の方が感染予防として、ローズマリーを用いるのであれば、
⭐️ローズマリーハーブをミルでひいて、そのまま食す&飲用する
⭐️ローズマリーハーブでチンキを作り、薄めてうがいに使用したり、少量を飲み物などとともに飲用する
という使い方が安全に使えるのかなと思います。
『ハーブチンキ』とは
ハーブに含まれる植物化学成分をアルコールで抽出する方法で、
水溶性の成分と脂溶性の成分の両方を取り出せます。
無水エタノール(アルコール99.5%)で作ると
外用チンキ剤として、手作り化粧品の器材や消毒などに使えます。
ウォッカ(アルコール40%)で作ると
内用チンキ剤として、薄めてうがい液としたり、飲み物に数滴たらして飲用します。
ハーブのかさにもよりますが、私は
アルコール200mlに対し、ハーブ10gを2週間漬けています。
(アルコールからハーブがはみ出て空気に触れないようお気をつけください)
ローズマリーは、水に溶けにくい成分もあるため、ウォッカでは有効にとれない成分もありますが、
お薬のようにチンキでウィルスを殺すというよりも、
普段の感染予防策にプラスして、健康維持の方法として使ってみていただければと思います。
カルノシン酸は非水溶性の植物化学成分です。
ローズマリー精油は水蒸気蒸留法で抽出されますが、
その芳香蒸留水の方には溶けないため、
精油にも微量は含まれているのではないかと思います。
昨日、AEAJ(日本アロマ環境協会)より
この論文は、「ローズマリー精油の研究結果ではない」との通達がありました。
ローズマリー精油中にカルノシン酸がどの程度精油に含まれているのか?は未知ですが、
ローズマリー精油にはすでに様々な薬効があることは既知のことです。
この通達を、なんだぁローズマリー精油は意味はなかったんだ~ととらえるのではなく、
引き続き、健康維持の範囲内で、ローズマリー精油も使っていけたらと思います。
わたしはローズマリー精油だけでなく、
ケルンの水にも使われるベルガモットやラベンダーなどとブレンドしてマスクスプレーにしてみました。
普段の感染対策に加えて、ローズマリーハーブも精油も上手に使って、
コロナ収束に向かっていけたらいいですね
※論文に記載のあるローズマリーは、学名Rosmarinus officinalisのものです。
論文名:Potential Therapeutic Use of the Rosemary Diterpene Carnosic Acid for Alzheimer’s Disease, Parkinson’s Disease, and Long-COVID through NRF2 Activation to Counteract the NLRP3 Inflammasome
AEAJ認定アロマテラピーインストラクター
JAMHA認定ハーバルセラピスト
片見 真希