二胡＆砂羽
のお話は
テーマ：ﾘｸｴｽﾄ小説に入っています♪
塔の上の二胡♪
砂羽は街での遊びに借金が重なり
逃げるように森へと入り込んでいた
奥に奥に・・
さらに深く、
けれど自分の道筋を考えれば
まだ追いかけて来れる
そんな気持ちになり
焦るようにもっと深く森へと足を速めた
すると大きな岩が目の前に見え
ほんの少しその境目に隙間を見つける
急いでいれば、その隙間は見当たらないだろうほどの
人が這って行かなければ難しい隙間
だから荷物を斜めにし
そのまま肘でほふく前進し
砂を頬に触れさせながら岩を背に超えて行く
向こうに何も無ければ
ただのバカやろうだけど
少しでも逃げきれる可能性があるならば
こんな場所さえ超えてやる
それからだいぶ進んだ、だろうか
頭の方に微かに風を感じた
片腕をそっと先に出し
その先に断崖でも無いだろうかと
地面を確認する
すると風は指先を撫でるように
その先には砂の感触が続いている
そのまま、もう片方も腕を出し
身体を引きずり出すように全身を完全に外へと出した
頬も髪も
岩の粉塵と、砂利で白くなっているだろう
それでもここまで来れば
そう考えやっと視線を前に向け膝を立てよ・・
無意識に建てば
目の前の風景に言葉を失くす
そこには
断崖も、荒野も、大きな川さえも無く
ただ美しい花畑が広がり
小鳥のさえずりが聞こえ
まるで何かの絵本で見た楽園のような風景
たくさんの木々には
瑞々しい果物が
そして小動物も
その木々の合間を走り回る
「 んだ・・ここ 」
声を出すのも、思わず抑え
その景色に魅入る
そしてその楽園の中心には
とても高くそびえた塔が立っており
岩壁はそれを守るように
いや隠すように囲んでいた
ゆっくりと歩き出し塔へと向かう
そしてやっと
塔の真下に来た頃だろうか
遥か頭上から、甘く響くような少し鼻にかかる歌声が聞こえて来た
その声はとても美しく
オレは真下から誰か居るのか？
そう声をかけたけれど
かなり遠いのか、頭上の風にかき消され聞こえないのか
返事がない
仕方なく全経３６０、塔の壁を探すが
入口も階段さえも見つからない
どうやって登るんだ？
もしかして全く違う通路があるんだろうか？
花畑のどこかに
地下通路があって
塔の真下に繋がってる？
必死に探すも夜になってしまい
オレは獣を心配、比較的幹の太い枝を持つ木に登り過ごすことに
その幹の先には
とても旨そうな桃が実り
夕食もそれで終えた
それから何時間経った頃だろうか？
ふと目が覚め、辺りを見回した
すると塔があるだろう暗闇の場所に
ぼんやりと灯るランタンの火が見える
もしかして追っ手か？
慌てて葉の中に身を潜めた
しかし、その火の元に居るだろう人間は
何かで塔の壁を叩き音を響かせる
すると月の光に照らされた
美しい金の糸が結われたような縄が、真下へ落とされたのが見えた
・・・つづく
なう
和田家みれなくて
平日にみるよー！
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