「はじめてのアーユルヴェーダ&デトックス」
今回は「噛む」ことと健康の関係についてお伝えしたいと思います。
子供が自分の好きなものを少し早口で食べていると
お母さんが「もっとゆっくりと、しっかり噛んで食べない!」って言いますね。
どこの家庭でも見られそうな、ほほ笑ましい風景ですが、
では、どうしてよく噛むと良いのでしょうか?
これをはっきりと答えられるお母さんは案外少ないと思います。
アーユルヴェーダはその理由をとても明確に答えてくれます。
私がアーユルヴェーダのクリニックで診察を受けた時のことですが、
医師は私の脈にしばし触れた後で私の体調を伝えて、いくつかのアドバイスをくれました。
そして、その中に「もう少しよく噛んで食べてください」というのがありました。
私は早口ではありませんでしたが、よく噛んでいたわけでもありませんでした。
それにしても、どうして医師は脈から、私の咀嚼(そしゃく)が充分でないことがわかったのでしょうか?
アーユルヴェーダでは食物は消化されると7つの段階を経て、最終的に「オ―ジャス」と呼ばれる生命エネルギーになると言われています。
ちなみにオ―ジャスになる一つ手前の段階は女性は卵子で、男性は精子です。
このオ―ジャスによって私たちは生きていくことができるという、いわば生命の源でもあるのです。
とても精妙な物質です。
ここで再び脈の話に戻りますが、アーユルヴェーダ医師は脈診で先の7つの段階の状態が良いのか悪いのかがわかります。
早口だと消化が不十分になりやすく、そんな人の脈は最初の段階で独特な脈を打つようです。
よく噛んできちんと消化をスムーズにしないと、食物から本来得られるはずの生命エネルギー「オ―ジャス」を充分に得ることができなくなるのです。
ですから、よく噛むことは子供を成長させたいお母さんにとってはとっても大切なことです。
もちろん、私たち大人にとっても。
では実際に何回くらい噛むのが理想なのかと言いますと、一概には言えませんが、食物が口の中でトロトロになるくらいまで噛むとよいでしょう。