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 1990年10月、マツダ多チャンネル化によって誕生したものの取り扱い車種が軽自動車とランチアしかなかったオートザム店に登場した小型車。デビュー当初はオートザムチャンネルで販売されたため、オートザム・レビューを名乗っていた。後に、モデル末期にマツダ・レビューを名乗っていた。

プラットフォームはマツダ・DBプラットフォームで、同じくマツダ製のフォード・フェスティバ用DAの後継にあたる。後にこのフロアパンを元にマツダ・デミオが設計・生産されている。

エンジンはB型直列4気筒1.3L・76馬力と1.5L・88馬力の2種類のガソリンエンジンのみで、生産終了まで変更や改良はなかった。全車にマルチポイント式インジェクションのSOHC16バルブエンジンが搭載されたことがフェスティバとの相違である。


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 駆動方式は横置きエンジンの前輪駆動で、トランスミッションは5速MTと、1.3Lに3速AT、1.5Lに電子制御4速ATが設定されていた。

ボディ形状は4ドアセダンのみで、同じオートザム店の人気車種マツダ・キャロル(2代目)のイメージを踏襲した、丸みを帯びた外観が特徴である。極端に短いトランクを持つスタイルから「2.5ボックスセダン」とも呼ばれていた。また、フォード・フェスティバで人気となっていたキャンバストップ開口面積が大きく、前後どちらからでも開けられる電動キャンバストップも特徴の一つであった。

日本国内では女性ユーザーを狙いすぎたためか大きな人気を得る事はできなかったが、短い全長の中に、大人4人がゆったりと乗れる居住空間とスーツケース2個を乗せられるトランクルームを持つ真面目なセダンであり、その合理的な設計は一部から高い評価を与えられている。


 海外へは、Mazda 121の名称で輸出され、そのスタイルや室内とトランクの広さから人気となり、特にドイツではシトロエン・2CVの再来といわれ、バックオーダーを抱える状態が続いた。レビューが欧州で品薄となった裏には、輸出の中心は価格の高いクセドスブランドやマツダの上級車が中心であり、利幅の少ないレビューの出荷台数を抑えていたことがある。オーストラリアでも人気を得ており、どちらの市場でも2010年代に入っても中古車市場に数十台が流通している。

デミオ登場後はオートザム店の合併によりマツダ・レビューに名称変更されて併売されたものの、日本ではマツダ・ファミリアとの兼ね合いもあり1998年12月に生産中止、一代限りのモデルとなったが、多くの海外市場ではデミオが「マツダ・121」の名称を継ぎ、その後の「マツダ・2」へと続きマツダのボトムエンドを受け持っている。


 


販売期間 1990年 – 1998年
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン B5-MI型 直4 1.5L 88PS
B3-MI型 直4 1.3L 76PS
変速機 3速AT/4速AT/5速MT
駆動方式 FF
サスペンション (前)マクファーソンストラット式独立懸架
(後)トーションビーム式
全長 3,800 mm (149.6 in)
全幅 1,655 mm (65.2 in)
全高 1,495 mm (58.9 in)
ホイールベース 2,390 mm (94.1 in)
車両重量 860 kg (1,896.0 lb)