漢方薬の構成 | 癒しと元気ブログ 東洋医学ってこんなに面白い!

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こんにちは~!

 

なんか、お堅いタイトルになってしまいましたが(笑)、今回は漢方薬を構成する生薬の組み合わせについてお話しいたします。

 

前回までの記事で、「生薬には上・中・下薬の3種類がある」ということを説明しました。

 

すると、こう思う方も多いのではないでしょうか?

 

「副作用がほとんどなくて、長期間飲める上薬だけの漢方薬が飲みたい!」

 

まあ、気持ちはわかりますが、そんな都合のよい漢方薬はありません。

 

というか、上薬だけで作られた漢方薬って効果ありますかねぇ?

 

野球で例えるならば、1番から9番までホームランバッターで揃えたような感じですよ。

 

各個人はそれなりにヒットは打つかもしれませんが、なんかチームの勝利にはつながらないような・・・笑

 

やはり、トップバッターにはイチロー選手のような技術巧者を配置して、3番・4番に主砲を持ってくるといった野球の打順は理に適っているのでしょう。

 

 

 

4番打者だけでは野球はできません!

 

 

 

 

漢方薬も同じです。

 

一つの漢方薬の処方に上薬ばかり揃えても、「俺が、俺が!」と自己主張ばかりして、あまり上手くいかないのです。

 

では、どのように漢方の処方を組み立てるかと言うと、「君臣佐使」の考えによります。

 

意味不明な四字熟語がでてきたので、簡単に説明をしてみましょう。

 

君・・・国王

 

臣・・・大臣

 

佐・・・役人

 

使・・・兵士

 

群雄割拠の時代が続いた古代中国らしい考え方ですね!ニコニコ

 

確かに、一つの国に王様だけしかいなかったり、逆に兵士だけしかいなかったら、その国はあっという間に滅びそうな気がします・・・あせる

 

やはり、国王を支える大臣がいて、役人が国王からくる命令を実行して、兵士は最前線で戦って国を守るといったシステムの方が国が長続きするでしょう。

 

漢方薬をこの考えに当てはめて考えてみます。

 

中心となるべき君薬がいて(1種類以上の時もあります)、それを補佐する臣薬がいて君薬の効果を高め、君薬の補助と行き過ぎを抑える佐薬がいて、実際の病巣部位に働きかける使薬がいて・・・みたいな処方の構成が一番効果を発揮するのですね。

 

西洋医学的な考えだと、「この一つの生薬の中に病気を治す素晴らしい成分があるに違いない!」となりがちですが(笑)、漢方薬は生薬単独ではなく組み合わせで考えます。

 

麻黄を例にとりますと、西洋医学では「麻黄の中心的な成分はエフェドリンで、咳止めに効果あり!」となるでしょうが、東洋医学ではそう単純ではありません。

 

組み合わせによって、薬効も変わります。

 

代表的なのは、麻黄+桂枝、麻黄+杏仁、麻黄+石膏といったところでしょう。

 

それぞれ、薬効は違います。

 

その組み合わせを上手く使った例が、麻黄湯ですね。

 

次回は、君臣佐使の観点から麻黄湯を考えてみます。ニコニコ

 

 

 

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