宅録ミュージシャン6月13日 「The Idiot」  | 脱腸亭日常 ~MY TESTAMENT of trifling beetle~

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名誉も金も、素晴らしい音楽を作り人々を感動させようという気持ちもない、極めて不心得なアマチュアミュージシャンであり、アマチュアアーチストtrifling beetleの遺書。
HP https://www.music-scene.jp/triflingbeetle/

そういえば、以前「イギー・ポップを聴いていますか?」という小説が図書館にあったのを思い出した。

あれ、誰の小説なのだろう??





イギーポップのキャッチフレーズには、実はすごいものがある。


パンクのゴッド・ファーザー」、「ロック界のシーラカンス」


昭和プロレス並みである(笑)。


そういえば最近、「Passenger」がソフトバンクのCMで流れていたよな。

非常に懐かしい限りだ。




一般的に、イギー・ポップという名前を知っている人は多いと思うが、詳細を知っている人は絶望的に少ない気がする。

基本、ヒット曲がない。

致命的である。

知名度が非常に浅く、わりかし広いのは、それが大きく影響していると思う。

ただただ、音楽的にはかなりのつわもので、才能にはすごいものがあると思う。

アルバムにハズレはないし。

そもそもイギー・ポップというこの人は、かなりのいわくつき人物である。


元々はストゥージズというバンドで活動していたが重篤なドラッグ中毒になりバンドは解散、精神病院に入院、病院を脱走後ホームレス化、廃人まっしぐらという人。

壮絶である。

映画になりそうなほどだ。

そんなイギーに手を差し伸べるのは、これまた当時ドラッグ中毒で苦しんでいたデヴィッド・ボウイだったのだ。

そして音楽家として見事に蘇生させるのである。

ちなみに「The Idiot」にはカルロス・アーマーがギターとして参加している作品がある。

ポール・マッカートニーの「PRESS TO PLAY」、ボウイの「FAME」に参加してギターを披露していたこのギタリストは、実は、70~80年代屈指の名プロデューサーでもあるのだ。




さて前出のように、1977年のデビューアルバム「The Idiot」のプロデューサーはボウイでドイツ・ベルリンで録音されたという。

収録曲は全てボウイとイギーの共作。

曲調はワン・コードで引っ張るファンク調、そしてハードでゴリゴリしている。

ここらはジェームスブラウンっぽい。

機械的な音、クラフトワーク的だ。

スチームパンク的でもあり、ここらへんはピストルズ的である。


イギーのヴォーカルは低く凄みがあり、まるでヤクザが因縁をつけているみたいである。

それまでの狂犬じみたシャウト唱法は極力押さえて、新たにボウイから教わったこの新しい唱法で、ほぼ全編通しているが、これがいい感じなのである。

アクは総じて強いほうだと思うが、聴いて損はないと思う。