調布 住宅街で陥没から1年 住民 詳細な地盤調査を求める
東京・調布市の住宅街で道路の陥没が見つかってから18日で1年です。
原因とされるトンネル工事現場の真上の住宅街では事業者による一時
移転の費用の負担や住宅の買い取りなどが進められていますが、対象
となっている地域以外でも被害を訴える住民は多く、詳細な地盤の調査
を求めています。
去年10月18日、調布市の住宅街の道路が陥没し、その後、周辺の
地下では3つの空洞が相次いで見つかりました。
原因は東日本高速道路が現場の地下で行っていた「東京外かく環状
道路」のトンネル掘削工事とみられることが会社側が設置した有識者
委員会の調査で明らかになりました。
会社側は地盤を補修するとしてトンネルの真上、幅およそ16メートル、
長さ220メートルほどのおよそ30世帯について、一時移転の費用の
負担や住宅の買い取りなどを行うとしています。
しかし、先月行われた専門家の調査で、会社側が地盤の補修の対象
としたトンネルの「真上以外」でも地盤が緩んだ可能性があることが
分かりました。
なかには「空洞」のようになっている場所があることも確認され、専門家
は工事の「振動」が原因の可能性があるとしています。
東日本高速道路は現時点ではトンネル真上以外では地盤は緩んで
いないとしたうえで、専門家の調査で指摘された場所の周辺で追加の
調査を行う考えを示しています。
問題を受けてトンネルの工事は一時、中断していますが、住民からは
今後の工事や地震などで再び、道路の陥没や住宅への被害が出るの
ではないかと心配する声が多くあります。
住民で作るグループは、会社側が補償の対象とした地域以外でも詳細
な地盤調査を行うことや、工事の再開にあたっては納得できる再発
防止策を示し住民の合意を得たうえで行うことなどを求めています。
トンネルのルート外にも地盤の緩み 調査へ 東京・調布の陥没事故
写真・図版
東京都調布市の住宅街で昨年10月、東京外郭環状道路(外環道)の地下
トンネル工事が原因で市道が陥没した事故をめぐり、斉藤鉄夫・国土交通
相は15日午前の会見で、トンネル工事のルート上以外でも地盤の緩みが
ないか、事業者の東日本高速道路(NEXCO東日本)が調査することを
明
らかにした。
陥没事故を巡っては、地盤の緩みが確認されているトンネルのルート上
に限って、NEXCO東が地盤の補修工事などを進めている。NEXCO東は
これまで、ルート上以外に地盤の緩みは確認されていないと説明していた。
ところが、地盤工学の専門家がルート上以外の場所を調査したところ、
地盤の緩みが確認された。これを受け、NEXCO東はルート上以外の地盤
についてもボーリング調査などで確認するという。斉藤氏は会見で
「工事に関連する地盤の緩みが確認された場合には、事業者が補修等の
対応を適切に行うよう指示する」と述べた。(山本孝興)
リニア中央新幹線の工事の一環として、JR東海は14日、東京都品川区
の深さ40メートル以上の大深度地下で、シールドマシン(大型掘削機)
を使った作業に着手した。リニアでの大深度地下工事は初めて。
起きており、住民の一部が反発している。
同社によると、品川―名古屋間の286キロのうち、都内や川崎市の
33キロと名古屋市などの17キロが同工事の対象区間。直径14メートル
のシールドマシンを用いる「シールド工法」で実施する。
今回の作業について、同社は「調査掘進」と位置づけているが、実際
にリニアが走行する区間を掘る。半年ほどかけて、深さ約90メートルの
北品川非常口から水平に300メートルほど掘削し、地盤や構造物への
影響などを確認する。調査結果は周辺住民に報告し、来年度以降は
月ごとに約400メートル掘り進める。
JR東海の金子慎社長は13日の定例会見で「調査掘進は、不安に
しっかり答えようということがひとつの目的。調査の結果をお知らせ
した後で本格的な掘進に入るので、慎重な手順を踏んでいることを
ご理解頂きたい」と説明した。
調布の道路陥没で露呈、大深度地下法の根本問題
「地上への影響はない」との前提は虚構だった
2021/10/06 5:20
陥没場所の地下を通る外環道は、関越道(東京都練馬区)と東名高速
(世田谷区)を南北16・2キロのトンネルで結ぶ高速道路だ。
大部分が40メートルより深い「大深度地下」を通り、地盤を削る大きな刃
の付いた「シールドマシン」(直径16メートル)という掘削機が掘り進める。
陥没は昨年10月、この掘削機が通過したルートの直上で起きた。
閑静な住宅街の市道が長さ約5メートル、幅約3メートルで崩れ、その後
の現地調査で3カ所の地下空洞も相次いで見つかった。
地上では掘削機がこの地域に達した昨年9月ころ、家屋などで振動が
起きたり、亀裂が出たりするなどの異変が起きていた。NEXCO側は現地
調査をし、国土交通省もトラブルの報告を受けていたが、その最中に陥没
は起きた。
国土交通省(法人番号2000012100001)
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