「シン・ウルトラマン」 | MCNP-media cross network premium/RENSA

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「シン・ウルトラマン」(2022/東宝)

 

 監督:樋口真嗣

 総監修:庵野秀明

 脚本:庵野秀明

 

 斎藤工 長澤まさみ 有岡大貴 早見あかり 田中哲司

 西島秀俊 山本耕史 岩松了 嶋田久作 山崎一 竹野内豊

 

 おすすめ度…★★★★☆ 満足度…★★★★☆

 

 
 
 
「シン・ゴジラ」に続いて今度は「シン・ウルトラマン」だ。
最初にこの企画を知ったときは正直不安しかなかった。
というのも、大ヒットしたらしい「シン・ゴジラ」はまったく響かず、二度観て二度とも寝落ちした。
 
そもそもエヴァどころかガンダムもほぼスルーした世代なので、ぶっちゃけ庵野秀明という名前を出されても、それがどうした?レベルの認識しかない。
 
でも「ウルトラマン」は別。
幼少期にギリギリでオンタイムの視聴に間に合ったこともあって、初期の<ウルトラマン>シリーズは大好物。
 
それ以降、長期にわたって特報や予告編等で予習をした感じでは、あの頃のウルトラマンの復活に期待してもよさそうだ。
 
公開初日になんとか観ておきたくて、仕事終わりのタイムテーブルが唯一間に合いそうなシネコンへ。
週末の雨の中で予想以上の渋滞で焦ったものの、予告編の頭くらいに何とか客席に到着した。
 
うん、これはこれでいい。
 
少なくとも「シン・ゴジラ」の時のような絶望は味あわずに済んだらしい。
 
とにかくあの頃のウルトラマンへのオマージュをぎっしり詰め込んだオープニングからの怒涛の映像ラッシュにあっという間にスクリーンに釘付けになった。
 
昔からの東宝のオープニング映像のあとに水色の背景に「東宝映画作品」の刻印。
 
そして当時のウルトラマンのオープニングを踏襲した「ウルトラQ」の不気味な映像から「シン・ゴジラ」の文字が浮かび、そこを打ち破るように赤バックの「シン・ウルトラマン」のタイトル。
 
禍威獣(カイジュウ)が日本に襲来するようになってからの一連の出来事をニュース映像のように駆け足で映し出し、現在における科特隊である禍威獣特設対策室専従班(禍特対)の活動へと強引に繋げていく。
 
このあたりの有無も言わせぬ展開はかつてのウルトラマン世代には文字通り留飲の下がる感じがあるのだけれど、「シン・ゴジラ」を信奉するエヴァ世代には果たして受け入れられたのかはやや不安もある。
 
いずれにしてもあえて怪獣を禍威獣(カイジュウ)と読み替えたり、科特隊(科学特捜隊)を現代の組織の枠組みの中で禍特対(カトクタイ)とするなど、ここは「シン・ゴジラ」支持層への配慮も感じた。
 
作品の中身についてはあえて触れないでおこう。
ただ前半と後半ではずいぶん物語のトーンが変わっていったように思う。
 
後半はオリジナルでも描かれたウルトラマンと人類との共生を軸にストーリーが進んでいくものの、そのすべてを盛り込もうとした結果かなり性急な展開になり、最後のラスボス的なエピソードは無理やりねじ込んだ感は否めない。
 
BGMでオリジナルの音楽を多用したり、登場する禍威獣や外星人(宇宙人・星人)もオリジナルを踏襲したデザインを重視したり、禍特対のメンバーのキャラクターも個性的で違和感はない。
 
オリジナルで描かれたストーリーをベースにした各エピソードがエヴァ世代にどう受けとられたのか。
 
観る人によってまったく違う映画になったのかもしれない。
 
ひとつだけ気になったのは…ここでもマルチバースかよ!
 
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