職場での今日の出来事です。
私がいるデイサービスエリアには毎日20人くらいの障害を持つ方が通所しています。
そこで私を含む15人くらいの人間が働いているのですけど。
昨年、ある若い男性がパートで入ってきました。
彼は29歳。
一人暮らしでつい最近まで大学生だったのです。
親の仕送りで暮らしていたそうです。
ひきこもりがちだったので大学を卒業するまでこんなにかかってしまったらしいです(^^;)
ということで人生で一度も働いたことがないということで
優しい私の職場の上司(女性)が彼をひきうけてしまいました。
彼のそういうことを頭に入れてそれなりの対応をしてください、、と言う事でした。
(ちょっと使えないと思ったとしても大目に見てあげて、、という事ですね。)
まあ、そんな形で彼がここで仕事をはじめてもう半年以上たつのですけど。
案の定かれは無口で静かでした。
でも言われた事をきちんとこなそうと頑張っていてスピード感はないけど私達スタッフの優しさとユーモア(?)でなんとかやっていました。
私もここが彼の居場所になればいいなーなんて思っていたのです。
ところが先週彼ははじめて遅刻をしました。
ハードなところもある仕事だし、働き慣れない彼にとって毎日職場に来るだけでも大変な事だろうな、、とは思っていたのですが、ちょっと心配になりました。
今週はちゃんと来ていたのですが、、、。
なんと今日も朝から姿を見せなかったのです。
職員が電話をしても出ない、、と聞かされて、、。
ああ、とうとうこういうことが起きてしまった、、と思いました。
人生で一度も働いたことがない、アルバイトもしたことがない彼がこういう仕事を続けることはきっときつかったんだろうなー。
電話にも出ないなんて、、。
心も体も動けない、、仕事に行きたくない、、もう辞めたい、、なんて思っているのかな?
なんてちょっとあきらめムードで仕事をしていました。
お昼の食事介助も終わりそろそろ私も急いでお弁当を食べようかな?
と思っていた私の目の前に色白の顔に汗をいっぱいかいている彼が現れたのです。
「すいません、携帯の電池がなくなっていて、目覚ましもならなくて起きれませんでした。」
と妙に明るく言うのです。
私は思わず
「あーよかったー、もうココに来るのが嫌になったのかと思ったー。」
すると彼はちょっと恥ずかしそうに
「そんなー」
と言って笑いました。
そばにいたもう一人のスタッフ(女性)は
「熱中症で倒れてるのかと思ったよー」
とやはり嬉しそうでした。
なぜか彼もうれしそうな表情で不思議でした。
そうかーここや私達がきらいになったわけではなかったんだーと
安心してお弁当を広げていたらなんだか涙が出てきてしまいました。
決して彼に思い入れがあるわけではないのに、ほっとしたからなのでしょうか。
こんなことで私は泣いちゃうのか、、と意外な気持ちでした。
きっと彼はここで大丈夫だな、、と思えた瞬間でもありました。
無口で不器用、、スローモーな彼ですが心の本質に優しさがあるのがよくわかります。
この仕事が合ってるはず。
いずれは正社員として採用されるはず。
このまま続けていったらいいポジションにもつけると思う。
ほんと頑張って欲しい。