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ボーイングの新型宇宙船“スターライナー”の有人飛行試験は2024年5月6日に実施! ULAの“アトラスV”ロケットで打ち上げへ

2024年04月06日 | 宇宙へ!(民間企業の挑戦)
2024年4月27日更新

有人宇宙船“スターライナー”による、有人飛行試験ミッション“Crew Flight Test(CFT)”の飛行試験準備完了審査(Flight Test Readiness Review)が完了したことを、2024年4月25日付でNASAとボーイング社が発表しました。
これにより、打ち上げは早ければ5月6日に実施される予定ですが、国際宇宙ステーションでは“スターライナー”の到着に備える準備として、現在国際宇宙ステーションに係留中の無人補給船“カーゴドラゴン”の出発と、有人宇宙飛行ミッション“クルー8”の“クルードラゴン”宇宙船の移動が行われる予定です。
当初、“カーゴドラゴン”の国際宇宙ステーション離脱は、アメリカ現地時間の2024年4月26日に予定されていましたが、着水予定海域の悪天候が予想されることから同4月28日に延期されていて、“スターライナー”による有人飛行ミッションのスケジュールにも影響する可能性が出ています。
なお、“スターライナー”を搭載するユナイテッド・ローンチ・アライアンスの“アトラスV(Atlas V)”ロケットについては、アメリカ現地時間の2024年4月26日にNASA、ボーイング社、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス社による打ち上げリハーサルが実施されています。


ボーイング社の商業用旅客機“ストラトライナー”や“ドリームライナー”に連なる名前が付けられた開発中の有人宇宙船“スターライナー(CST-100 Starliner)”。
NASAによると、早ければ2024年5月6日(アメリカ現地時間)に、有人飛行試験“CFT(Crew Flight Test)”による打ち上げを実施するそうです。(2024年4月2日発表)
図1.2022年5月に実施された無人飛行試験“OFT-2”で国際宇宙ステーションに接近するボーイング社の新型宇宙船“スターライナー”。(Credit: NASA TV)
図1.2022年5月に実施された無人飛行試験“OFT-2”で国際宇宙ステーションに接近するボーイング社の新型宇宙船“スターライナー”。(Credit: NASA TV)
“スターライー”はスペースX社の“クルードラゴン”とともに、NASAのコマーシャルクループログラム(宇宙飛行士の商業輸送契約)のもとで開発がスタートした4人乗りの有人宇宙船です。

初飛行は、2019年12月に実施された無人での軌道飛行試験“OFT(Orbital Flight Test)”。
このミッションでは、ソフトウェアの問題が生じたので計画されていた軌道に入ることができず…
“スターライナー”は国際宇宙ステーション“ISS”への到達を断念し地球に帰還しています。

2022年5月には、2回目の無人飛行試験“OFT-2(Orbital Flight Test 2)”が実施され、国際宇宙ステーションへのドッキングを含む打ち上げから帰還までの実証試験に成功しています。

2度の無人飛行試験に成功した“スターライナー”は、本格的な有人飛行の開始に先立ち、実際にクルーが搭乗する有人飛行試験“CFT(Crew Flight Test)”の実施を控えていました。
“CFT”では、NASAのバリー・ウィルモア(Barry Wilmore)宇宙飛行士とスニータ・ウィリアムズ(Sunita Williams)宇宙飛行士がプライムクルーに、マイケル・フィンク(Edward Michael Finche)宇宙飛行士がバックアップクルーに任命されています。

NASAによると、“スターライナー”の有人飛行試験“CFT”の実施は、早ければアメリカの現地時間2024年5月6日。
フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から、ユナイテッド・ローンチ・アライアンスの“アトラスV(Atlas V)”ロケットに搭載され打ち上げ予定です。

国際宇宙ステーションへのドッキング成功後、バリー・ウィルモア宇宙飛行士とスニータ・ウィリアムズ宇宙飛行士は8日間ほど滞在してから地球へ帰還することになります。

有人飛行試験“CFT”に先立ち、国際宇宙ステーションでは2024年3月23日に到着した無人補給船“カーゴドラゴン”の出発や、有人宇宙飛行ミッション“クルー8”の“クルードラゴン”宇宙船を現在係留中のドッキングポートから別のドッキングポートに移動させるなど、“スターライナー”の到着に備えた準備が進められています。
図2.2024年3月25日時点で国際宇宙ステーションに係留中の宇宙船を示した図。“スターライナー”は、有人宇宙飛行ミッション“クルー8”の“クルードラゴン”宇宙船が係留されている“ハーモニー”モジュールの前方にドッキングする。このため、“カーゴドラゴン”補給船の出発後に空いたドッキングポートへ“クルードラゴン”宇宙船を移動させる作業が行われる。(Credit: NASA)
図2.2024年3月25日時点で国際宇宙ステーションに係留中の宇宙船を示した図。“スターライナー”は、有人宇宙飛行ミッション“クルー8”の“クルードラゴン”宇宙船が係留されている“ハーモニー”モジュールの前方にドッキングする。このため、“カーゴドラゴン”補給船の出発後に空いたドッキングポートへ“クルードラゴン”宇宙船を移動させる作業が行われる。(Credit: NASA)
2023年4月の時点では、有人飛行試験“CFT”の実施は同年7月21日以降に予定されていました。
でも、パラシュートの問題や機体全体で使われているテープの問題といった2つの問題が発覚したことで、延期が発表されています。

一旦は、2024年4月中旬に実施される予定でしたが、国際宇宙ステーションの運用スケジュールの見直しを受けて2024年5月に変更へ…
国際宇宙ステーションの混み具合によって決定されたようです。

ボーイング社では、コマーシャルクループログラム(宇宙飛行士の商業輸送契約)として、最大6機の“スターライナー”による宇宙飛行士の打ち上げを実施したいそうです。

今回の有人飛行試験“CFT”が成功すれば、“スターライナー”の正式な運行開始は2025年春頃。
その頃には、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)の新型ロケット“ヴァルカン(Vulcan)”により“スターライナー”の打ち上げが実施されているのかもしれませんね。


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