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レバナス投資とはレバレッジ・ナスダックの略で投信レベルではiFree レバレッジ NASDAQ100、ETFの場合は$TQQQなどを指します。
今回はiFree レバレッジ NASDAQ100を取り扱う事にします。


実は、レバナス投資にも死角が出て来たのでそこを書いていきます。

🐣為替ヘッジによって基準価額が大幅に下落してしまう

iFree レバレッジ NASDAQ100の場合は為替ヘッジがかかっています。
今回はこれが裏目に出てしまいます。


そこで・・・
iFree レバレッジ NASDAQ100(為替ヘッジあり)
iFree レバレッジ NASDAQ100(為替ヘッジなしに逆算)
を比べてみましょう。

前提条件
扱う投信は
iFree レバレッジ NASDAQ100(為替ヘッジあり)
iFree レバレッジ NASDAQ100(為替ヘッジなしに逆算)
を扱います。

為替ヘッジなし逆算はヘッジコストが無い分だけ本来の基準価額に比べて低くなっています。
期間は2021年12月30日~2022年04月15日までとします。

出所は、基準価額のデータはモーニングスター、為替レートのデータは日本ヤフーファイナンス
2021年12月30日の基準価額を10000円とします。
iFreeレバレッジNASDAQ100
水色がヘッジあり、オレンジがヘッジなし逆算です。
現実はオレンジはもっと基準価額は高くなります。


ここから言える事は為替ヘッジをしてしまったが故に、基準価額の下落が大きい事が言えますね。
それだけ、3月から急速な円安が進んだからです。


ここで考えて欲しい事があります。
NASDAQ100は元々、金利上昇に弱いので、今のように金利上昇局面ではNASDAQ100のようなグロース株はパフォーマンスが悪くなる傾向にあります。

日本では長期金利の上昇を抑える為に、日銀が長期国債の利回りを0.25%で無制限に指値オペを実行して、日米長期金利差が拡大しています。
これに伴って急速に円安が進んでいます。


つまり、USD/JPYは急速に円安に進んでいるので、ヘッジなしの方がヘッジありに比べて基準価額の下落が抑えられています。
レバナス投資の死角はまさにここで、ヘッジコストを払いながらも、為替差益が得られない事が基準価額の下落に拍車をかけています。


元々、NASDAQ100はボラティリティが大きいので、レバナスになれば更に大きくなります。
その上で為替ヘッジによって基準価額の下落が大きくなっています。


勿論、円高の進行とNASDAQ100の下落が重なる場合には、ヘッジコストを払ってでも為替ヘッジをかけた方が基準価額の下落を抑えられます。
ただ、最近の日本を考えると、円安要因が全て揃っていると言っても良いぐらい、条件が揃っています。



日本のコロナ規制で外国人観光客がいまだに来れない状況が続いています。
外国人観光客が来る事は外貨を売って円に換えて、日本国内で消費をしてもらうので、円高要因になりますが、それをコロナ規制で排除しています。


これだけでも円高要因の1つが無くなっています。
これだけではなくて日本では化石燃料を海外から大量に輸入している事から、資源価格の上昇に伴って貿易赤字が顕在化しています。
これは明らかに円安要因ですが、これは原発に切り替えるだけで貿易赤字は解消して円高要因になります。


更に日本の株式市場は不祥事が多く、その上で過剰な買収防衛策のお陰で日本株に投資をしようとする投資家があまりいません。

東芝不正会計事件やグレイステクノロジーによる粉飾決算など不祥事が多発しており、日本の株式市場にお金が入りにくくなっています。

これらによって、円安要因が揃いに揃う珍しい状況になっています。

そう考えると、今の円安は直ちに解消する目途は立たなくなると考えられます。
ですから、今の状況が続く限りは無理に為替ヘッジは使わなくても良いのかも知れません。

もしも、円高に動く要因が出て来るとすれば原発再稼働の話は出て来る筈です。
東証上場企業も今後は不祥事が出た時に経営陣に対する罰則の強化なども盛り込まれる筈です。
それは市場介入よりは遥かに効果が高いので、真っ先にこの2つはやるべきでしょう。

🐣私がなぜ、ESG投資やレバナス投資をやらないのか?

ESG投資やレバナス投資は新しい投資手法なので、どこに死角があるのが分かりませんでしたが、ロシアによるウクライナ侵攻でESG投資の問題点が次々と出て来た為、死角が見えて来たのです。

レバナス投資は為替ヘッジが裏目に出た事で死角が見えて来ました。
つまり、死角が見えて来るまでには時間がかかります。
だから、慎重にならざるを得ません。

その上で、ESG投資は縛りプレーに近く、それではヘッジが掛けられなくなるなど、リスクが高くなってしまいます。
レバナス投資では過剰なリスクを取っている為、何かあったら一撃で退場になってしまいます。


このようにリスクマネジメントで考えるのならばESG投資やレバナス投資は近づかない方が無難と判断しています。
投資のパイは大きい方が何かあった時に臨機応変に対応ができますが、それと同時にリスク許容度の問題も考える必要があります。


そこで今度はiFree NEXT NASDAQ100について、ヘッジを考えてみましょう。

🐣NASDAQ100にヘッジをかけてみる

前提条件
扱う投信は iFree NEXT NASDAQ100
iFree レバレッジ NASDAQ100+USD/JPYロングのレバ1倍を扱います。


本来はインデックスファンドは代用有価証券には入れられませんが、NASDAQ100のETFは代用有価証券に入れてFXポジションを建てられるので、ここではUSD/JPYを基準価額10000円に対してレバレッジ1倍でヘッジポジションを建てる事にします。

ここではスワップポイントは考慮しません。
期間は2021年12月30日~2022年04月15日までとします。


出所は、基準価額のデータはモーニングスターで
為替レートのデータは日本ヤフーファイナンスです。
2021年12月30日の基準価額を10000円とします。
iFree NEXT NASDAQ100
水色は純粋にNASDAQ100のインデックスファンドの基準価額、オレンジはこれにヘッジポジションを建てた場合の基準価額の推移です。

既に説明していますが、NASDAQ100は金利上昇に弱く、現在のような金利上昇局面ではパフォーマンスが悪くなります。
しかしながら、日米金利差の拡大でUSD/JPYロングは利益になっています。

その結果として水色に比べてオレンジの方がパフォーマンスが高く、2021年12月30日の基準価額10000円を超えている事が分かります。
これをやる投資家はファイナンス論で言われるヘッジャーです。

それに対してリスクエクスポージャーを増やして高いリターンを狙う投資家はスペキュレーターと言います。
ここから言える事はFXを使う事が単純にスペキュレーターとは言えない事が分かりますね。

ファイナンス論
注意点は、ヘッジのやり方は状況によって異なって来ます。
今回はFXを使っていますが、次のリスクではこうなるとは限りません。


応援よろしくお願いします。

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