42年半の会社勤めでは出張することも多かったが、最も印象に残るのは通産省の大型プロジェクトで開発された 「FJR710/600S ターボファン・エンジン」 の高空性能試験の一員としての英国出張であった。
エンジン高空性能試験を簡単に説明しよう。
ジェットエンジンは航空機に搭載されて地上から一万数千メートルの上空までの広範囲で使用されるが、高度が上がるに従い気温と気圧が減少する。
ジェットエンジンは連続燃焼であるが空気が薄くなっても空燃比が一定になるように FCU (Fuel Control Unit:燃料制御装置) はエンジンに入る空気温度と気圧を感知して自動的に制御するように設計されている。
しかし地上における通常の運転試験では高空での制御が設計通りに作動していることを確認することは困難である。
そこであらゆる大気条件を人工的に作出し、あたかも高空で飛行しているのと同じ条件で性能を確認することができる装置が 「高空性能用セル」 である。
セルとは 「運転場」 と同義語である。 しかしこのセルは動力源としての電気量などが膨大なため1970年代には欧米でも公立及び軍の施設を含めても数基しか無かった。
だが、高空での性能データは開発中のエンジンにはどうしても必要な要素であった。
FJR710 ターボファン・エンジンの場合は英国の NGTE (National Gass Turbine Eatablishment:国立ガスタービン研究所) と契約して現地で高空性能確認試験及び高空着氷試験を行った。
私もこの試験の一員に選ばれ昭和52年 (1977) 10月から約二ヶ月間英国へ出張した。 (この項、終わり)
今年のお彼岸の中日は朝から雨が降り続いていた。
中日が雨とは、珍しいような気もするがコロナ騒動での移動制限も緩んだので三日連休の人は旅行なども計画したことであろうが、その天気は少し残念なことだったろう。
散歩途中で見る柿の実も徐々に熟し始めている。 食欲の秋に相応しく柿をガブリとかじってみたいものです。
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