最近話題の『親ガチャ』という言葉。
メディアでも取り上げられ
流行語大賞になりそうな勢いすら感じますが
この『親ガチャ』という言葉に
色々な著名人が意見をしてる記事を多く目にします。
様々な家庭環境に悩む１０代の若者から
１ヶ月に４万通を超える相談が寄せられる団体の代表として
そして私自身が子どもの頃
『もっと普通の家の子に生まれたかった…』
と思った経験がある身として
この『親ガチャ』に対する様々な意見が飛び交う中で
私なりの見解や意見があり
今日はブログを書いてみました。
ちなみに『親ガチャ』とは…
子どもの立場から
「親は自分では選べない」
「どういう境遇に生まれるかは全くの運任せ」
という趣旨の表現でSNSを中心に広まっている
ゲームのキャラクター入手方法が語源の言葉。
ということですが
要はガチャガチャの親バージョンってことかと。
200〜300円入れて
何が出てくるか？をガチャガチャするアレです。
私の時代は
ガチャガチャって言ったけど
今は、ガチャポンだったりガチャだったり…
なので初めて聞いた時は
「あ〜、親もガチャガチャみたいに当たりハズレがあるってことか〜！
上手いこと言うな〜」
くらいにしか思ってなかったのですが
こんなに世間で議論されるようなことなの
とビックリしたくらい。
普段、講演などでいつも伝えていることですが
「死にたい」と生きづらさを抱える若者たちの原因は
ほぼ１００％と言っていいほど
家庭環境が原因です
この１０年近く
何万件と言う若者からの相談を見てきたけど
「死にたい」と苦しんでる子で
親から無条件の愛を受けてる子は
未だにまだ見たことがありません。
ちなみに無条件の愛とは
「条件付きではない愛」
ということ。
虐待やネグレクトなどはもちろん論外ですが
たとえば…
「あなたのためを思って言ってるんだから」
と自分の価値観を押し付けたり
「いい大学に行って、いい会社に入るべき」
と社会全体の価値観かのように
自分の願望を押し付けたり
「勉強頑張ってて良い子ね」
というような
勉強頑張ってないと良い子ではない
と言わんばかりの言葉をかけてしまったり…
数え上げたらキリがないほど
世間の親たちは
子どもに自分の価値観を押し付けたり
良かれと思って
あーでもない、こーでもないと
意見をしているものなのです。
価値観の押し付けをしないまでも
コロナで最近増えているのは
子どもの前での夫婦喧嘩。
子どもの前ではしないと
たとえ気をつけていても
親の険悪な空気や
親が仲が悪いことくらい
子どもたちはしっかり感じ取っています
そんなふうに
子どもたちが自分で選べない家庭環境が
今の社会には当然のように溢れているわけです。
私も子どもの頃よく
「あんたなんか生まなきゃよかった！」
と母から言われ
「産んでくれなんて頼んでねーよ！」
と心の底から思ったものです。
最近では
親を自分で選んで生まれてきた
という説があり
私個人としては自分の人生を振り返って
その説は真実だと感じています。
”きっとこの活動をするために
あの親に生まれてきたんだろうなぁ”
と思う体験や経験があるので
私自身はその説を信じてますが
とはいえ
子どもの頃にそんなこと言われたら
２００％で「絶対選んでない！」
と言っていたし
１０代の頃はJJとかの雑誌を見るたびに
誌面に出てくる読者モデルが
大学生なのにベンツやらポルシェやら乗っていて
バーキンや何百万もするバッグや時計を身につけているのを見て
心の底から羨ましかったし
都立の高校でさえも「金食い虫！」と言われて
半年足らずで退学した私からすると
大学でのキャンパスライフを謳歌し
親から与えられた数々の高価な物を身につけ
母親とホテルでランチとかしてる読者モデルの私生活を見ては
「きっと私がこういう家の子に生まれたら
猛烈に高飛車なイヤな奴になってたから
私は今の家に生まれたんだ…」
と、そんなふうに羨ましい気持ちを
グッと堪えていたものでした。
お金持ちの読者モデルは極端ですが
近所の普通の家の子を見て
帰ったら誰かが「おかえり」と言って迎えてくれる
その当たり前の家庭の風景が
ただただ羨ましかった子どもでした。
※普通の家とは、両親揃っていて帰ったらご飯が出てくるような家庭
今、私たちのところに相談に来る子たちには
私と同じような子もいれば
もっと過酷な環境の子もいれば
色々な家庭の子がいますが
みんな決して恵まれてる家の子ではないし
親からの無条件の愛をもらえてない子達ばかりです。
もちろん中には
子どもへの愛はあるのに
親自身が自己肯定感を持てないことから
うまく愛情表現ができず
親子のコミュニケーションがうまく機能していない
そんな家庭もあります。
良かれと思って言っていることが
子どもにとってプレッシャーや苦しみになっていたり
そういうこともあるけれど
総じて言えるのはやっぱり
親が子どもを無条件に信頼し愛せていないから
に他なりません。
そして、それができるのは
親自身が自分自身を信頼し自己重要感を持てていること
に限ります。
今の日本
自己重要感が低い大人が増えている中で
コロナ禍でさらにストレスフルになっていて
心に余裕がない親ばかりの中
その歪みがすべて家庭内で一番弱い子どもにいっている
そんなふうに痛感しています。
「親ガチャだなんて、親のせいにしすぎてる」
「親のせいにすることで逃げている」
「海外には戦争やもっと大変な環境の子もいる」
「学校に行かせてもらったり
ご飯を食べさせてもらってるんだから恵まれている」
というような
親ガチャに対する様々な意見が
色々飛び交っているようですが
虐待までいかなくても
親からの心ない言葉や
否定ばかりされ続けてる毎日や
親の喧嘩ばかり見ている生活など
その他諸々の家庭環境の問題で
世界で一番安心で安全な場所であるはずの家庭内に
自分の居場所がない子たちの現状を目の当たりにしたら
「親ガチャなんて言ってはいけない」
なんていう言葉の否定から始まる論争よりも
「そうした環境の子たちが
安心できる居場所を作るためにはどうしたらいいか？」
という
そうした子たちが愛を感じられる居場所を作るための
優しい発想の論議にならない今の日本が
やっぱりどうかしてると思うし
もっと優しい社会にならないものか…
と痛切に感じます。
明日は『子ガチャ』という言葉について
書かせてもらいます…
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