まずは、BGM。







某元選手のファンが「正しい技術」とか言ってるのを見かけるたび、イラっとしていた。
これ、ジャッジ批判かスケーターの技術批判かのどちらかとペアになって展開されている。

しかし傍から見ると、ただの素人がこの世界で十数年生きてきた人であるジャッジや選手を、何の根拠があって批判するんだ?としか思えないという。


でも当人たちはごく真面目にやっている。
一方で、「正しい」「正しくない」の線引きについて語られることはまずない。なので、何をもって「正しくない」というのか、こちらから見るとよく分からないという。
(立場の違う他人から見て分からない線引きで相手を価値を下げるのは誹謗中傷の類だと思うんだけど、本人たちは正当な主張だと思ってるからその意識がない。)



で。
宇野昌磨選手がインスタグラムにアップした、4回転ルッツの練習動画について、その界隈から色々批判が出てきて。
で、まあ「正しい技術の例」として、某元選手、あ、ここは名前を上げるべきか、羽生元選手の四回転ルッツ動画がSNSに複数アップされたわけだけど。
それを見て私が思ったこと。「どうせならボーヤン・ジン選手のにしてくれ。」一番見事な四回転ルッツジャンパーはボーヤン・ジン選手だよね。
いや、佐藤駿選手でもいい。日本で最も多種類の四回転を跳ぶ選手である。
もちろんネイサン・チェン選手でもいいんだけど、まあ羽生ファン界隈では彼の評価は低いことも多いので、そちらは無理かと思う。
しかしボーヤンや駿くんなら羽生ファンも認めているし、競技選手だし、比較するならそっちだよなあ。
なんで競技選手じゃなくなった人の、3シーズンも前のルッツを見なければいけないんだ?まあそうやって後輩選手やそのファンにマウントかけたいんだろうけど、でもなー、羽生くんってそれほど四回転ルッツの人には思えないんだよなあ。
(むしろ羽生くんと四回転ルッツというと、微熱あるのに練習で跳んで怪我して欠場のNHK杯の方を思い出すという)
まあとにかく、質のいいジャンプを跳ぶボーヤン・ジンという競技選手がいるのに、なんでわざわざ羽生「元」選手の四回転ルッツ見る羽目になるんだ?と正直思ったのだ。
ファン以外の視点なんて、そんなものである。



で、四回転ルッツとボーヤン・ジン選手と羽生元選手の関係を見て、思ったのだ。
「技術って、優れた技術と稚拙な技術の間のグラデーションだよな。」と。
羽生元選手の技術は優れたものだが、ボーヤン・ジン選手の技術はもっと優れたものである(ボーヤン四回転フリップ跳べるし、エッジエラーほとんどないし。正確だよね)。
つまり、真っ白(もっとも優れたもの)から真っ黒(競技で評価される技術として認められないもの)までのバリエーションがある。



で、フィギュアスケート競技はそれに合わせてGOE(出来栄え点)というのが11段階で評価されるようになっている。
ところが、「正しい」「正しくない」という素人の評価は、それをざっくりと二つに分けてしまうのだ。

ボーヤン・ジン選手も羽生選手も正しい、真っ白だと、まるっとまとめて、その間の差を意識から飛ばしてしまう。
一方、「正しくない」と判定した技術の人は、全部まとめてNGコース、黒。得点なんてやるな、と。

つまるところ、「正しい」というのは。
きめ細かい評価なんて面倒くさいことはやらず、ざっくりと扱えということなのだ。
で、自分の贔屓選手はむろん「正しい」方にいれる。自分の贔屓選手より優れた技術の持ち主も同格、白になる。
一方、自分の贔屓選手の技術より下で線引きをする。ちょっと下くらいの技術の持主は、みな「完全に下」、黒になる。



黒と白だけで描かれたドット絵のような、そんな立体感のない構造が頭の中にあるわけね、と思ったのである。






<追記>

Disney鴨さんとやら。

複数の記事にコメントを付けられてましたが、単なる罵倒コメントだったので、表示せず削除しました。

もうちょい芸のあるコメントをお願いします。






そーいえばプーさんで思い出したんだけど、昔、プーさんシャワーでSNSを検索したら「プーさんが痛そう、かわいそう」と言ってる人が複数いた。なんか神経質ねえと思ったんだけど。

よく考えてみたら、「くまのプーさん」って熊じゃなくて、ぬいぐるみだった。つまり、あの投げられているぬいぐるみたちは「プーさんという熊のぬいぐるみ化」ではなく、「ぬいぐるみのプーさんの同胞」なんだよね。

それじゃ、あの物語好きな人の中には抵抗感じる人もいてもおかしくない、と思ったんだった。