アフリカの西海岸近くにあるスペイン領のカナリア諸島。DDTの散布は禁じられていたにもかかわらず、母乳にDDTが現在まで含まれ続けています。
大規模調査の結果、DDTによる乳幼児、子どもたちへの影響はありませんでした。
でも、調査研究は、現在も続いています。研究者らは、なにか危険を感じている・・・。
▼ 70年たってもDDTは体内から検出される
アメリカでDDTが使われ始めたのは1945年以降です。その後、DDTの使用は禁止になりました。
DDTは、アメリカから消えた?
残念ながら、DDTは、いまだに、体内に侵入しています。
アメリカの2009 年の報告書から
「人口のごく一部で測定可能な DDT が検出され、人口のほとんどで DDE が検出された。]
DDE? なんでしょう?
▼ 肝臓が毒を解毒
体内に毒が入ってくると、肝臓が処理をすることになっています。
まず、毒を分解して、からだに影響しない形に変える。
そのあと、分解物は膀胱へ送られ、体外に排出される。
例:アンモニアの解毒
肉、魚、卵は、アンモニアを多く含んでいます。食べ過ぎると、脳に障害を起こします。
そうならないように、肝臓は、アンモニアを分解して解毒します。
このシステムによると、DDTは、肝臓のおかげで解毒される。でも、そうではなかった!
▼ 肝臓が解毒不能!
肝臓にDDTが入ってくると、解毒のためDDEに変えます。
自然の化学物質だったら解毒できた。でも、人工的な化学物質のDDTは解毒できない。
毒素DDEは、脂肪に蓄積されやすいという性質があり、体内の脂肪部位に居座ってしまいます。
時間がたてば、体外に排出されるのですが、2年から10年もかかる。
▼ 体外に排出されるのは、たったの2割
DDTの20%ぐらいは、DDD→DDAと変わり、体外から排出されます。
DDDは、害虫駆除に使われていましたが、今は禁止されています。
DDAは、毒性はないらしい。(文献が見つかりませんでした)
結論:
DDTが一度、体内に入ってしまうと、排泄するのに何年もかかってしまう。その間、からだはどうなる??