年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

今頃報道されても  手作り漬物の食品衛生法の適用 完全実施

2024年03月10日 | 宅老のグチ
2024年4月1日から猶予されていた食品衛生法の実施が漬物業に完全適用される。道の駅や自家製を売りにしているごく小規模の漬物製造者が営業継続の瀬戸際という。
多くのこの件の記事は次にような見出しから始まる。
 
 道の駅や産直市で販売されている地元農家の手作り漬物が、存続の危機に直面している。昔ながらの味を受け継ぐ自慢の漬物。食品衛生に関する法律が変わり、作り手たちは製造が続けられるかどうかの岐路に立たされている。 

 この規制の骨子は
作業場の清潔を維持する施設にする。
トイレと手洗いの水道の整備
他の部分はあるが大方の保健所の行政指導はここに尽きる。
漬物は設備を整備すれば味が良くなり、売れ行きの良くなることは無い。最近の米食離れで、漬物の売り上げが低迷していて、行政の補助金もあるのだが高齢者の多い作業場では売り上げ低迷と多額と言ってよい改装費(借金)ということもあって廃業を選択する方向が見える。

国立感染症研究所のホ―ムぺ-ジで
札幌市等で発生した浅漬食中毒事件の概要
2012(平成24)年8月に札幌市等で発生した浅漬(「白菜きりづけ」)による腸管出血性大腸菌O157による食中毒事件は、患者数169名、死者8名を数え、患者発生場所の多くは高齢者施設であったが、当該食品はスーパーやホテル、飲食店においても流通していた。また、発生時は観光シーズンであったため、北海道内のみならず、北海道外の自治体においても患者が確認された。 

 この北海道のO-157大腸菌による食中毒で亡くなった人数は今でもこの数字を超えたO-157食中毒はまだない。その後の食品衛生法の法改正の執行が伸びただけ、急とは言えない。多くの保健所の指導員がコロナで行政指導、補助金等の利用を呼び掛けていたが売り上げ減少という現実から、投資を控え廃業する方向に向かっている。この辺りは農業振興という観点から若い人に希望を持たせる政策で無いと、道の駅のような販売所の漬物は消える。

 北海道の事件から12年経っているが、その後で漬物業からO157の大腸菌による食中毒は発生していないように思える。
 事件の経過を調べると、事件は8月に起きていて、札幌競馬開催中で競馬場と漬物業者はいくらも離れていない。競馬場を出入りする車に大腸菌が付き、その汚染菌が洗浄不十分だった漬物の漬け込み槽に入り大腸菌が増えた。漬物の昔は塩が多く、菌は増えないが低塩志向の浅漬は大腸菌でも生き残る。多くの人が亡くなったのは高齢者施設で多分栄養士さんの指導で塩分を抑えていた漬物を要求していたと思われる。O157事件の報告書を読んでいると、結論として野菜の洗浄不十分と洗浄後の温度管理がある。
 事件後多くの漬物業者が野菜洗浄の機械をいれたが、その設備の借金で最近倒産するところが増えた。返済猶予が終わったと思われる。
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