光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

中古ショップの増加に思うこと

2024-04-28 05:05:30 | 思いつくままに・考察
 ここ1年ほどの間にわたしの現住地にも次々に中古ショップがオープンし、それなりに賑わいを見せています。

 これは現住地だけにとどまらず、帰省で訪れる故郷とか、遠出で出かける静岡や東京なんかでも似たような傾向でして遠出をするたびに中古アイテムのお土産ばかりが増えるという珍現象が現出していると言ったところですね。

 以前なら「現住地では売っていない新作アイテムを買う」というのが遠出のパターンだった事を思えば一種隔世の感があります。
 おそらくですが、わたしの周辺で(条件的に)これほど中古モデルが買いやすくなったのは空前の出来事ではないでしょうか。

 これまでにも当ブログでそれらのオープンセールで入手したアイテムを紹介する機会が増えているのですが、中古モデルを扱う店が増えるのに反比例して格安でコンディションの良いいわゆる「掘り出し物」に当たる機会は減っている気もしています。
 (また、あるチェーン店では鉄道模型に関する限り「店が増えても一軒当たりの扱い品の数が減っていて実質プラマイゼロだった」なんて笑えない現実もあったりするのですが汗)

 以前ならローカルな店なんかではそういう掘り出し物に当たる機会もそれなりにありましたが、ショップのチェーン店化に伴い全国的なアイテムの情報共有が進んだ結果どこの店でも「秋葉原相場」レベルの値付けが増えたり、ネットオークション販売の普及に伴い買う側も次々に入札で値を吊り上げる傾向が進んでいるのを実感させられます。

 要するに、もはや以前の様な虫のいい買い物は難しくなっていると言えると思います。

 と同時に(ある意味当たり前の事ですが)「安価なモデルは大概訳ありのコンディション」という常識というか傾向も知れ渡ってきていると言うのが現状なのでしょう。

 そういえば現住地で古くからやっているショップでは鉄道模型の売り場に「購入に際しては必ず状態をチェックして納得してから買ってください」と言った意味の張り紙を目にしたりしています。
 他の売り場ではここまで書かれた掲示をあまり見ませんから「単に安いからという理由でアイテムのコンディションをろくにチェックしないで購入して後からクレームをつける層」が一定数いたのではないかと推察されます。

 当たり前の事かもしれませんが、中古品の場合「なぜそれが安いのか」「その理由(専ら瑕疵や性能の低下)がユーザーの手に負えるレベルなのか」を見抜くスキルと覚悟が買う側にも要求される時代ではあると思えます。
 (まあ「外箱がなかった」とか「後付けパーツが取り付け済みだった」とかのモデラーや運転派には割とどうでもいい理由で安価なケースもあったりはするのですが)

 まあ、それでも選り好みしなければ過去最高のレベルで中古モデルが買いやすくなっているのは確かなので、定期的なショップ巡りでアイテム漁りができる楽しみがあるのはありがたい事ではあります。
 (尤も現住地の様な田舎ではそれすらが「欲しいものが無いのを確認する」という不毛なツアーになる事が大半ですが汗)

 (写真は本題とはあまり関係ありません)

ホーンビィのファウラークラス2蒸気機関車

2024-04-27 05:57:28 | 車両・16番
 先日の渋谷行きの戦利品から


 ホーンビィのOOスケール、LMS4-4-0のファウラークラス2Pと称する蒸機のモデルです。
 実は同じショップにはホーンビィの4-4-0蒸気のモデルがいくつかあったのですが「記念モデルでオマケに大きなお皿が付いてくるでっかいパッケージ」の物ばかりで雨の日に持ち帰るのを躊躇させられるものばかりだったので、通常の箱に入ったこのモデルが拾えたのはある意味幸運でしたw

20210602SE (37).jpg
 前にも書きましたが4-4-0の蒸機というとわたし個人はイギリスかアメリカの古典機、或いは日本鉄道時代の東北線を走っていた明治期のテンダー機関車というイメージを持っています。
 今回のと前の1072は年代的には大正から昭和初期くらいの時期に製造された機関車なので幾分古典機っぽさは希薄ですが、それでも独特の優美さは堪能できます

 このタイプのロコはNゲージではまず見ないモデルですし日本型HOでも製品化がそう多くはないので勢いイギリス型に惹かれる事になります。
 事実日本でもこういうタイプの蒸機はイギリスやドイツからの輸入機が結構ありましたし。

 物が相当な旧式らしく殆どジャンク一歩手前の値付け(何しろノス鉄第4弾に毛が生えた様なお値段)な上に前に入線させた同じホーンビィのLMS1072よりも細密度で劣るモデルなのですが、走りっぷりは旧モデルとしては予想していた以上にスムーズでした。
 サイズも幾分1072よりも小ぶりで特にテンダーは「可愛らしい」という表現が似合う小ささ。

 日本型でもダブルルーフのオハ31辺りをつないでも違和感が少なそうです。

 全体の雰囲気も日本型蒸気とは異なるノリの優美さを感じさせると同時に、ロゴを落として「英国からの輸入機」として明治期のレイアウトに紛れ込ませても悪くない気もします。
 何より前の1072と併せて異なるタイプのLMS仕様の4-4-0が2両並ぶとなんだかワクワクしてくるのを抑えきれませんw


 電車でもそうなのですが、同じ鉄道会社の車両は1両だけぽつんと置いてあるより2両並ぶと急に生き生きと見えるものです。
 これは鉄道の模型ならではの特色ではないかと個人的に思うところです(社会のシステムの中に取り込まれた交通機関なので統一性と個性が同時に感じられる事にも魅力を感じやすいのではないかと)

レイアウトと強遠近法を考える2024・その1

2024-04-25 05:48:41 | 鉄道模型 
 今回のネタは10年以上前に考えた事の蒸し返しです。くどいかもしれませんがそこはご勘弁を。

 当ブログで十数年前に写真の撮影で「レイアウト上で遠近感を強めることでリアリティを出せるのではないか」という仮説の元にいくつかの写真を実験的に撮ってみた事があります。遠景用にNスケールの建物や車両を置くのは当然ですが中景に64分の1スケールのトミカを、最も手前側に食玩のフィギュア(これは万●書店などで一体300円前後で買えます)を使っています。

 これらを配置して比率に気をつけつつひとつの構図に収める実験でした。

 結果はごらんの通りですが、この時点でも比率に気をつければそこそこの効果は得られそうという結論に達しはしました。
 ただ、当時はそこで満足してしまった事と、基本的に写真撮影にしか使えない(視点がちょっとでも上、または左右にずれるとトリックがもろばれする)ことが分かった為に以後試すことはありませんでした。

 ごくたまに散発的に試す事はあったのですが、ここ10年くらいはその程度のレベルの応用だったのです。
 
 それから十年後、つい最近須賀川の特撮アーカイブセンターで強遠近法のジオラマを拝見する機会を得たのですが、以前の特撮博物館とは別なアプローチで強遠近法を応用しているのにピンとくるものがありました。

 こちらは以前の特撮博物館の時の写真。

 こちらが今回見学したアーカイブセンターのジオラマです。
 このジオラマに触発される前後のタイミングで自宅のメインレイアウトの移設・改修が重なった事もあって、強遠近法の手法を取り入れたジオラマが行けるのではないかという気がしてきたのです。

 改修は中断をはさみつつ現在も進行中なので現時点ではきちんとした成果は出せないでいますが、これについては追々当ブログで紹介したいと考えています。

レイアウトの「本屋さん」のはなし

2024-04-24 05:42:51 | ストラクチャー
 パン屋さん、模型屋さんに続く「ストラクチャーのお店のはなし」
 このネタもやってみると案外面白い題材と思えてきたので折に触れてちょくちょくやってみようかと思います。

 という訳で今回は本屋さんをば。
 かつてはどんな田舎の街でも1軒や2軒は見かけた本屋さんですが、最近は電子書籍やネット通販に押され、読書人口自体の減少とも相まってこれまた絶滅危惧種の店のひとつになってしまった感があります。
 ですがそれだけにノスタルジーの対象として街の本屋さんのモデルをレイアウトに残したい、或いは今どきの本屋さんをレイアウト上に再現したいというニーズはそれなりにある様な気もします。

 毎回ここから話を始めるのもなんですがTOMIXの商店の看板ステッカーにも「立見書店」という洒落の利いたネーミングの奴があったりしてストラクチャーの世界でも「本屋さん」は古くからある存在という事は言えるかもしれません(笑)
 TOMIXやGMの店舗は昭和の近郊の商店街で見かけた店舗全般の最大公約数的な外見ですので、本屋さんを紛れ込ませるのは割合簡単だったと思います。

 看板チューンの一種としてラベルソフトなんかでオリジナルの物を組み込むだけでも結構雰囲気は出るものです。
 わたしも以前「小〇館の学習雑誌」をあしらった看板(これもかつては本屋さんのトレードマークとして定着していたものです)を組み込んだ事があります

 時代が下がると、本屋さんに使えそうなストラクチャーとしてジオタウンの「タウンショップ」なんかも駅前や近郊のショッピングセンターの一角とかにある本屋さんのイメージで使えるものでした。わたしの場合は「駅ビル一階の書店コーナー」に組み込んで見た事がありますがこれも割合良い雰囲気が出せる優れものだったと思います。

 ですが最初から本屋さんを想定したものとしてはみにちゅあーとのペーパーキットの書店が今のところ決定版ではないかと思います。
 戦前から昭和30年代にかけて建てられた昔ながらの本屋さんのイメージを良く具象化しているのみならず店内の本棚までまめに造形しているところなどは作っていて舌を巻かされました。
 (現代のレイアウトでも「老舗の古本屋」で通用する外見だと思います)

 とまあ、製品としての本屋さんについては以上の通りなのですが、わたし自身が本屋が好きだったこともあってこれ以外にも例えばTOMIXの商業ビルや自作のビルの一階に本屋を入れるという事は以前からよくやっていた事です。ビルの一階が本屋さんというのも都市部ではよくある話でしたが、最近はこういうタイプの店も閉店が相次ぎ令和の時代の地方都市ではなかなか見ない存在になってしまいました。
 その一方で郊外ではホームセンターやスーパーなどの一角に大型書店が店を出す事が増えていますからジオコレの郊外店などを使ってそういうのを再現するのも面白いかもしれません。

 (同じ書店でも「万〇書店」とか「ブック〇フ」なんかはホームセンターや家電量販店の後釜として入り込んでいる事も多く、これも平成・令和の郊外風景の象徴とも言えます。そのくせこの種の店にずいぶんお世話になっているくせにレイアウトにこれを組み込む気がまるでないのがわたしなのですがw)

大井川鐡道E31とUmbau-Wagen(笑)

2024-04-23 05:40:25 | 車両・客車・貨車
 先日の「趣味におけるポリシーと偏見のはざまに・・・」ではいつにない多くのコメントを頂きありがとうございました。

 その中で「設定や考証に縛られない模型ならではの楽しみ方」に言及されている方が多かったのですが、今回のはなしは正に「模型ならではのお遊び」のひとつであるとは言えます。
(とか言いつつ、好き勝手な編成で悦に入るあほなおっさんの言い訳だったりして汗)

 先日入線の大井川鐡道E31に関連して。
 実車がそうだったからとはいえ、この短駆の機関車に20M級の優等列車上がりの旧客の組み合わせというのはやはり違和感がありました。

 前回RocoのV215にトラストトレインの3両編成を牽かせたはなしを書きましたが、それとは逆にE31にはあの短さに似合うような客車編成を牽かせてみたくなります。

 とはいえ、当鉄道に在籍する2軸客車はいずれも古典的過ぎたり欧州色が強すぎてどれもピンとこないのも確かです。
 さて、どうした物かと考えた時に閃いたのは昨年夏に中古を入線させていたフライッシュマンのUmbau-Wagen3軸客車でした。

 一見メルヘン系のショート客車の様に見えますが、実は彼の地では元々普通客車として使われていたのでよく見るとメルヘン臭は薄く、その点でも元来が貨物機であるE31の質実さには似合いそうな感じがしました。
 早速物を引っ張り出して繋いでみると(わたし的には)どんぴしゃりのマッチング。
 3軸とはいえ長すぎず短すぎない絶妙なサイズは短駆のE31には(長さのバランス的には)よく似合います。

 という訳で前に編成化した「V215牽引のトラストトレイン」と行き交わせてみると、これまたなかなか面白い。

 自分の気に入ったマッチングで構成した編成を走らせるのは模型ならではの楽しみ方だと思いますが、日本型に似合う外国型の組み合わせ(勿論逆も可)をコーディネイトしてみるのも面白いと感じました。
 (まあ、前にもEH500にOE88を牽かせた事もあるのですが)
 これに限った事ではないのですが仮令実例があるにせよ、個人的に違和感を感じる編成よりも、それをきっかけとして自分なりに「このロコにはこういう編成が似合うのでは?」という愉しみ方ができるのも模型ならでは。
 しかもそれを実際に編成して走らせることが出来るというのも鉄道模型の醍醐味のひとつではないでしょうか?

 ただ、これをやるならどちらかというとお座敷運転よりも曲りなりにシーナリィのあるレイアウトでやった方が「風景とのマッチングを考えた編成を考える」分だけ頭を使えて楽しさも倍増する気もします。

モジュールの改修2024・その1 プランニング

2024-04-21 05:52:24 | モジュール・3
 今回のグランシップトレインフェスタでは差し替え用のシーナリィをひとつ持ち込む事を算段しています。

 これまで同じわたしが持ち込んできたモジュールの大半はベースボードの上に「鉄道博物館風」「鉄道の街」「ミニSLレイアウト(棚幡線)」と三つの風景を差し替えてきたのですが、今回の第4弾は「鉄道の街・再開発」をモチーフに考えています。

 故郷の盛岡がそうですし、グランシップ会場の東静岡なんかも該当すると思いますが「かつて大規模な機関区や貨物基地のあった場所」というのは近年の規模縮小に伴い広大な再開発地域に衣替えしている事が多く、大概が高層ビル(それもマンション系)が立ち並ぶ一角になっています。

 今回は手持ちのコスミックやTOMIXのマンションを並べてその雰囲気を出す一方、かつての機関区の建物なんかを記念公園化させたヒストリースペースとして保存街区化させたという設定で新たな「光山市のどこか」を構成してみようかと思っています。

 実は今回のモジュールにはもう一つ裏テーマがありまして

 ここ数年の間の「コロナ禍に伴う自宅蟄居の成果の活用」がそれです。
 コスミックのマンションもそうですが、保存地区の機関庫とかヘルヤンの機関庫、工場などの赤レンガ系建造物の多くは「コロナ禍の折に作り貯めた積みキット」でした。
 せっかく似た様な建物が揃ったのでそれらを統一したトーンのシーナリィに組み込んでみようというのが今回の裏のテーマでもあります。

 という訳で想定されるスペースにそれらの建物類を仮配置している段階です。
 ただ、手持ちのストラクチャーを全て並べてしまうとキチキチ感も半端なくなりそうなので使える建物の取捨選択はしなければなりませんが。
 
 オマケにストラクチャー類の年代に開きが大きいですが、こういうのも「時代の変化の表現」としてやってみようかと。
 (この項続く)

鉄コレ第32弾からJR東日本キハE120

2024-04-20 05:50:42 | 車両・気動車
 今回は昨年入線させた鉄コレ第32弾から  JR東日本のキハE120形をば。

 前回紹介しているキハE130の2扉仕様という感じのE120ですが、実車はグリーンのツートンカラーを纏い主に只見線で活躍しているものだそうです(例によって実車にお目に掛かっていないので聞き書きですが汗)

 2008年に登場した同形は、キハ110よりも微妙にワイドなボディを纏ったステンレス車体で新潟仕様はオレンジ系を基にした帯を纏っていますが、只見線仕様は御覧の様なグリーン系のカラーリングで結構印象が違って見えます(新潟色も出ているのか、或いは単品で出る予定があるのでしょうか?)

 水郡線仕様のキハE130のカラフルさに比べるとぐっと落ち着いたカラーリングで、ローカル線のレイアウトなんかにもよく溶け込みそうな感じがします。第3セクター系の(例えば三陸鉄道36形など)に比べるとボディも長く単行でも堂々として見えるのは、何となくJRっぽさを感じさせますね(尤もキハ100なんかは36に負けないくらいの短駆ですが)

 こいつも例によって動力化・N化が未定の(わたし的にいわゆる)埋蔵金車両のひとつになっていますが、たんにポツンとレイアウト上で置物になっていてもそこそこ映える車両だとは思います(汗)

趣味におけるポリシーと偏見のはざまに・・・

2024-04-18 05:47:36 | 思いつくままに・考察
 予め書いておきますが、今回はストレスから久しぶりに酒を痛飲した頭で書いた駄文ですのでまとまりのない内容ですが、ご勘弁を。

 今回は鉄道模型における偏見、或いは狭量なポリシーについてわたし自身の経験に照らし合わせて感じた事から書きたいと思います。

 だいぶ前の話になるのですが、帰省の折に故郷のレンタルレイアウトのご店主から伺ったのですが、そこの店の客の中に「自分は昔の国鉄型のファンでそれしか認めない。だから自分が走らせる時には他の客にも昔の国鉄型だけを走らせてもらわないと嫌だ」と言って来た方が居たのだそうです。さすがにご店主もその客には辟易したそうですし、聞いているわたしも正直いい気分ではありませんでした。
 あるいは別の店で聞いた話では「本当ならうちでもHOゲージのレンタルレイアウトをやりたいけれど、HOの客の中には運転しながらNゲージの悪口を聞こえよがしに言う客が多いのでなかなか踏み切れない」と言うのもあったりしました。

 こと、鉄道模型の世界ではこの手の話を聞かされる確率が(少なくともミニカーとかアニメモデルの世界に比べると)比較的高いと個人的には感じています。
 実際、偏見と趣味人としてのポリシーとは紙一重のところにありますし、価値観の多様化と称して結局は自分自身を貫く筋すら見失ってしまうのはそれはそれで危険とは思います。

 実際に店頭とかイベントなどでたまにですが「見た事も馴染みもないから外国型は嫌いだ」とか「ガニマタが嫌だから16番はリアルでない」とか「ブラスモデルが本道でありプラやペーパーモデルなんか真の模型でない」とか、「模型は実物の正確な縮小であるべきでフリースタイルなんかオモチャと変わらない」とか聞かされることがあり、よくもまあポリシーというか偏見の種が尽きない物だと逆に感心するくらいなのですが、そうは言ってもかく言うわたし自身が趣味の中断前には「基本国鉄型、それも故郷で見かける奴しか揃えたくない」とか変に凝り固まっていた位なのであまり偉そうなことは言えません。

 そんな具合でHOゲージとか外国型とかZゲージなんてのはかつてのわたしにとっては関心の外の世界であり、ましてやフリーやショーティのモデルなんかに興味が向くなんてことはまずなかったものです。

 で、20年ほどして再びこの趣味を再開した時だって、主にレイアウトのサイズの関係から当初は「路面電車や軽快車両のみ」にポリシーをおいていまして、あの当時(も今も)Nゲージのメインストリームだった「フル編成志向の長大編成」すらも半ば忌避していたくらいでした。

 ですが、趣味を再開してクラブに入ったあたりからまず「長編成列車の魅力を再確認する」から始まって、やがてHOゲージ、Zゲージはもとより中断前には趣味の埒外だった「16番のフリーモデル」「メルクリンのAC3線式」「ミニトリックスやフライッシュマンの外国型」のアイテムなんかも中古とはいえ前よりも手軽に触れられるようになってくると、そのそれぞれにも特有の魅力が感じられたり、普通のNや16番のモデルにない活気と闊達さ、ポリシーの深さに驚かされたりする様になりました(まあ、再開してからそろそろ20年近くになりますから、自然そういう機会に触れる事も増えてきていると思うのですが)

 言ってみればそれらの「異世界に触れる」というプロセスそのものは例えるなら「わたしの中に内在していた偏見が木っ端微塵に砕け散る」繰り返しだったと言えますが、実をいうと「自分の中の偏見が砕け散る事による解放感、爽快感」の様なものも同時に感じて来たのも確かです。
 今でも何年かに一度はそういう事がありますし(最近ではホーンビィのOOモデルなんかがそうです)その度に「それまでとは違う趣味人としての自分」を感じられるのが楽しかったりもします。
 いい歳こいたおっさんの身分になって趣味の世界とはいえ「自分が前より成長したような感覚」を得られる事はなかなかそうあるものではないのではないでしょうか。
 (まあ、それが楽しいのは楽しいのですが、さすがに最近はそれらの場所塞ぎがそろそろ問題になっている感もあります汗。いくら安かったからと言ってもHOや16番がNの何倍も容積を取るのは事実ですから)

 もちろんそれらの魅力については専門誌や入門書で「読む」「知識として知る」事は出来ますが、やはり実物に触れ、体感する事にはどうしても敵いません。それらの経験の中でわたしがまず最初に気付いたのはそこでした。

 そんな経験もあって、自分のメインから外れた趣味や嗜好をけなしたり排斥する様な気分にはなかなかなれませんし(但し受忍限度を超える様なマナー違反や独善的な性向に触れた場合は除く)イベントなどで普段触れる事のない異なる嗜好のモデルやフォーマットを愉しんでいる人たちを見ているのが楽しかったりもします。

 それでも自分の趣味のポリシーの中にはまだまだ偏見に基づく先入観がない訳でもないでしょうし、これからも何かに触れる事をきっかけにそうした無意識の偏見を気付くこともあると思います。
 それこそがこうした異世界との接触の御利益なのかもしれません。

 今回もいつになくとっちらかった論旨になりましたが、ご勘弁ください。
 (写真は本題と関係ありません)

「マイクロドールハウス」の「鉄道模型走行会」

2024-04-17 05:44:31 | アクセサリー
 昨年、ジオコレの「体育館」を入手したはなしをしましたが、わたしにとって実はあのキットでは体育館の方は付け足しというかオマケみたいなものでして

 本当の目的はそのインテリアに設定されていた「鉄道模型走行会」の方でした。
 お値段もかなり張る物でしたが帰省中で気が大きくなっていた(爆笑)事もあってつい張り込んでしまった次第です(大汗)

 このキットは元々ジオコレの「マイクロドールハウス」と呼ばれるシリーズのひとつで既存のストラクチャーにペーパーキットのインテリアを付属させたセット物でした。
 これまでにも農家の屋内、銭湯の中、体育館内のバザーなんかもキット化されておりなかなか面白い企画と思ったのですが、まさか「レイアウトの運転会」まで製品化されるとは思いませんでした。

 実はこれと同じ様なものを以前鉄道博物館のモジュール内に組み込んだ事があるのですが、何分不器用が服を着て歩いている様なわたしのことゆえ、不本意な出来になっています。
 ですがそれを置いておいても各パーツは折り畳み椅子をはじめ、テーブルや薄型モニタの台、パーテーションやホワイトボード、果ては模型運搬用のコンテナやのぼりの類までモデル化しているという優れもの。

 これを企画した人はうちのクラブの様なイベント運転会を相当に観察している様で運転会経験者のわたしから見ても「よくぞここまで」と思わせる出来になっています。

 しかも入っているのはモジュールの大レイアウトをはじめ中型レイアウトが一つにテーブルトップのレイアウトがふたつ。単なる運転会というよりも複数のクラブのプチ合同運転会に近い規模のイベントになっています。

 (余談ですがその中の中型レイアウトをよく見ると「週刊SL鉄道模型のレイアウト」そのまんまだったりして驚きました。尤もテーブル三つ分というサイズから見てHOくらいを想定しているようですが)

 ニーズがどれくらいあるのかはわかりませんが(そもそもジオコレの中でも相当にお値段が割高)レイアウトの中に鉄道模型の運転会を組み込んでみようかなと思っているユーザーがいるなら大いにお勧めできるアイテムだと思います(笑)

 とはいえ、これ単体での欠点は「ベースの建物の屋根を外して上から覗き込む」という進撃の巨人さながらの使い方しかできない点でした。
 せっかくここまで作り込んでいても眺め方が特殊過ぎる(せめて横から覗くカットモデルでなら面白かったのに)のは考え物です。

「残念な鉄道車両たち」

2024-04-16 05:42:23 | 書籍
 先日紹介した、近所の古本屋の閉店当日に拾えた本の中から。

 今回のキーワードは「ざんねん」です(笑)
 物はイカロス出版の「残念な鉄道車両たち」(池口英司 著)および講談社ビーシーの「ざんねんなクルマ事典」(片岡英明 監修)の2冊。

 近所の本屋の閉店で残念気分になっているわたしだというのに、そこで閉店当日に買う本まで「ざんねん」というのはなんだか因縁めいた気がしますが(笑)

 前者は主に国鉄時代からJR時代にかけて主に著者の視点から「設計当初の理念やコンセプトが貫徹できなかった残念な車両」を俯瞰した物です。
 なので一般的な知名度や人気の高いD51やキハ40系、185系なども含まれているのが面白いところでもあり、「はてな」と思いながら読み進めれば「なるほど」とうなずけるところもそれなりにある(一方で読む側の視点によって異論も出てきそうな内容でもありますが)ものです。

 鉄道車両の場合、設計に際して使われる環境に合わせて「どのような目的で、どのような用途で使われるか」が厳密に検討されるものですが、それでも実際に出てみるとその間の環境や社会情勢などの変化で期待された活躍が出来なかったりすることが往々にして見られます。

 また、従来になかった新機軸を取り入れようとする際には必ずと言って良いほど初期のトラブルが出てくるものですが、それが多発したり対応コストがかさむなどの要因でそれ以上の発展が出来なかったケースもあり、殊公共交通機関としての鉄道ではそれも致命的だったりもするものです(キハ81系とかDD54なんかが該当しますか)

 本書で取り上げられている車両の中にはファンの間で人気が高い車両も少なからずありますが、人気はあっても薄命に終わった物もまた多く、それが読む側にも「残念」として語り継がれる事にもなりましょう。
 (「不人気=マイナー」が直結しているクルマなんかと違って鉄道車両の場合は不思議と「判官贔屓」みたいに悲劇的な車両を推す向きが多い様な気もします。あ、わたしもそうかw)

 その点で本書の「残念な車両」にはどこか期待と挫折、という悲劇的な響きがノスタルジーと共に心に響きます。

 ところでもう一冊の「ざんねん」本についてはこのあとサブブログに上げる予定です。
 その際には以下のリンクをご参照ください(笑)

ホビーのごった煮「ざんねんなクルマ事典」

電気釜とボンネットの競演(笑)

2024-04-14 05:27:26 | 車輌・電車
 先日、日々のストレス解消で久しぶりにKATOの電気釜〈485系)を走らせた話をしましたが、今回はその続きです。

 最初は電気釜を走らせているだけで満足していたのですが、暫くするとボンネットの特急も一緒に走らせたくなる欲求がムラムラとわいてきました。
 こういう場合、普通なら同じKATOの181系とかやまびこ仕様の483系とかを引っ張り出すところなのでしょうが、今回は「模型自体のノスタルジー」に惹かれる形で同じボンネットでも「TOMIXの485系初代モデル」をレールオンしました。

 実はこいつを走らせたのも実に10年ぶりくらいになりますか。
 元々は近所の中古ショップで「1両当たり3桁価格で袋詰めジャンク扱いで並んでいたモデル」だったのですが、外見も走行性も特に瑕疵がなかったので手を出したものでした。

 車体のアイボリーが「成型色そのまんまに見える」所とか、窓周りに赤が回り切っていないために肉厚が目だっている所とか、多少安っぽさを感じる所もあるのですが、全体の印象は「あの頃(つまり前世紀の)Nゲージっぽさ」を感じさせるモデルと思います。
 走行性も繊細さとは無縁な豪快なサウンド(というか単にノイジーw)を立てつつ爆走するのですが、これがまた1980年代のNゲージを覚えている物からすると不思議と懐かしい気もしますw


 ところで、電気釜とボンネットの並びというとわたし個人の思い出で言うなら「あの頃の仙台以南の東北本線」です。

 ここでいう「あの頃」とは昭和50年前後の事ですが、それまでボンネットだったやまびこが電気釜仕様に変わったくらいの時期に上京した折、仙台駅だったかでまだ生き残っていたボンネット仕様の「ひばり」を目撃した思い出がありまして、前は模型でもこの二つが行き交う運転をやっていた物でした。が、それも(多分、東日本大震災の前後くらいから)ここ暫くご無沙汰していました。

 そんな訳で久しぶりの競演、しかもレイアウト移設後初の運転でしたがこの時だけはストレスが更に吹っ飛ぶ感じがしました(汗)

我が家の「青大将」のはなし

2024-04-13 05:23:58 | その他
 先日入線したKATOの旧製品EF58・青大将仕様に関連したクルマネタです(笑)

 実はこのネタはだいぶ前にこのブログで上げた事があるのですが、実際にEF58の青大将が入線した事ですし、この機会に増補改訂版を上げようかと(せこいな)

 「青大将」というとこのブログを読んでくださる方の大半が「EF58」を連想される事と思います。
 あの独特のカラーリングはEF58の中でもなかなか個性的で一度見たら忘れられないインパクトがあると私も思っていますし、だからこそ今回の中古モデルの入線につながっているところも多分にあったりします。

 鉄道模型趣味の中断期間中だった30年ほど前の頃ですが、たまたま車を買い替える事となりミニバンを中心に車種を物色していた、そんな折にカタログで見つけた変なクルマ。

 最初一目見た印象は「青大将だ!」
 明緑のカラーリングと言い黄色のストライプを入れた配色と言い青大将のEF58をほうふつとさせるイメージでした。
(まあ、似ているのはそこだけなのですが)

 その車の名は日産の初代セレナのRVセレクト。

 このクルマには他にも色々と当時の競合車種にないメリットがあった事もありひと月ほどの検討を経て購入を決断しました。
 しかし、このクルマの選択の段階で「青大将みたいなカラーリング」というのが大きく影響していたのは確かです(爆笑)

 で、入庫した当初は鉄道趣味に縁のない周囲からは「未来カー」とか「お茶屋の営業車」とか随分いろいろ言われました。このカラーリングはカタログのシンボルカラーだったにも拘らずセレナの中でも断トツに人気が無かったらしくこれに乗っている期間、同じ色のセレナには2度しか会っていません(岩手~岐阜の範囲でですが)
 尤もそのせいで「どんなに混みあった駐車場でもうちのクルマだけはどこに停めたか一発でわかる」という隠れたメリットもあるにはありました。

 で、このセレナというクルマ、当時(も今も?)ミニバンとしてはなかなかマニアックな中身の1台でしてカッコさえ気にしなければ満足度の高いクルマでした。

 何しろ当時のシルビア(S13)ですらオプションだったLSDが標準装備、ワンボックスとしては異例のマルチリンク式4輪独立懸架だった上にミッドシップのエンジン配置のせいで当時のRX-7並みの前後重量配分を実現していたという凝りまくった足回りのおかげでワンボックスとは思えない安定した走りが楽しめた記憶があります。
 4輪駆動のシステムもビスカス式ながらLSDを含めて実質デフを二つ組み込んだような仕様だったので「雪道なんかで3輪までスタックしても残りの1輪が噛んでいれば脱出可能」という驚異の性能まで持っていたりしてw

 ただ、燃費はどうやってもなかなか二桁に届きませんでしたし「尻の下から湧き上がるSR20DE(これもシルビアと同じ形式)のツインカムサウンド(笑)」には参りました。あと車重が重すぎたのでブレーキのキャパシティが足りなかったのも弱点でしたが

 さて、この手のクルマにつきもののユーティリティの話に移ります。 

 ミッドシップレイアウトを実現するためにエンジンを縦置きのまま運転席の真下に置いたためバルクヘッドが運転席と2列目以降を分断している点はワンボックスと同じなのですが、それでも1BOXの様に「前輪が尻の下に来ないためバルクヘッド自体がワンボックスより小さかった」ので他のミニバンでは困難だった「3列シートすべてのフルフラット化」が可能だったのは大きな特徴の一つです
(これと同じ事が出来たのは同じミッドシップのボンゴフレンディくらい)

と同時に、3列目と併せて「2列目シートを前転させて畳めるようにする事で広大なラゲッジスペースを実現」これは後のミニバンでは当たり前になっている装備ですがその意味では先進的(笑)でした。
 特にRVセレクトの場合2,3列が左右分割式だったので「片側だけ座席、反対側に長大なラゲッジスペース」とか「片側だけフルフラット化」という自由度の高いアレンジが可能だったのも特筆できます。
 更に余禄として「2列目シートを畳むことで3列目にリムジン顔負けの広大なレッグスペースを確保する」という裏技もあり、これも現在のノアやステップワゴンのシートアレンジに継承(笑)されています(今のミニバンは逆に3列目を畳んだスペースに2列目を後方スライドさせるのが主流ですが)

 ふかふかした座り心地とは無縁の2,3列目のシートもまるで最近の通勤電車みたいに座面に適度にくぼみが掘ってありアップライトな着座姿勢と併せてそれほど不快ではありません(というか、当時のミニバンで一番座面が広い2列目シートでした)
 シートの柄も当時やたらと高級ぶっていたミニバンの中では異例な程カジュアル志向の織物仕様でこのクルマには似合っていました。

 実際帰省のたびに車中泊をやる身としては広大なフルフラットシートの実用性はかなりなものでしたし、上述のリムジンモードの時はこれまた広々したスペースを利して食堂車的な喫食スペースを作ることが出来ました。

 もし今でもこのセレナに乗っていたならグランシップなんかでクラブのモジュール運搬にも大活躍していたであろうことは間違いありません(笑)
 
 ただ、これらの高度な多機能性というのは大抵の場合何かと引き換えに成立する事が多いのですが、セレナの場合そのトレードオフの代償はもっぱら「マンボウの化け物を思わせるぼってりプロポーション」でした。

 この点でほっそりした葉巻のスタイリッシュさでライバルのエスティマ(特に5ナンバーのルシーダとかエミーナ)が順調に販売を伸ばしていったのとは対照的に初代セレナは終始苦戦せざるを得ませんでした。
 ですが室内の広々感はエスティマ以上。当時クラス唯一の「スライドドアの窓が開閉できる」「二つのサンルーフがどちらもスライド解放できる」メリットは絶大でした。前者は後のミニバンのほぼすべてに継承されています。

 特に遠出などで2列目席なんかに座っていると道路上なのに「列車のコンパートメント臭い」雰囲気が感じられたのは当時中断中だったとはいえ鉄道も好きな身としては嬉しいポイントだったりします。エアコンの吹き出し口も天井にありましたしその操作もワイヤレスリモコンで可能、これで頭上に網棚でもあれば完璧でしたね(笑)
 背も高ければ床も高いという当時のミニバンの構造もどこか電車的ではあります(最近のミニバンはFFのセダンベースのプラットホームなので一部を除いてかなり床が低い)

 クルマというよりも特急列車が似合いそうなこれらの特徴には「路上の青大将」という綽名が似合うものだったと思います。
 (ご丁寧にも「やろうと思えばヘッドマークを取り付けられそうなメッキのグリルガード」まで標準装備w)

 この青大将、当時の私の生活パターンに合致していた車だったので6年近く使ったのちにベンツのAクラスにバトンタッチしています。
 が、今乗っているエスクァイアなんかもよく考えてみればこのセレナのアップグレード仕様みたいなものではありますねw

TEZMO SYNDOROMEと大井川鐡道E31のはなし

2024-04-11 05:22:15 | 車両・電気機関車
 3月に紹介の「TEZMO SYNDOROME」の積みキットのはなしに派生したネタから。

 作中で風奈がGMの客車の積みキットを消化しようとする展開がありましたが、その最初のネタになっていたのが大井川鐵道の「ELかわね路号」でした。
 わたしの手元にはかわね路号はありませんが、同じ大井川鐡道のトラストトレインの編成は在籍しています。

 何の事はない、十数年前に「C12目当てで中古のセット品に飛びついた」というのが真相ですが、最初の頃はお目当てだったC12はともかくスハフ43とオハニ36の扱いに少々逡巡させられたものです。初期型の茶色のモデルだったので青に比べると融通は利くのですが。
 今ならKATOのC12に牽かせればバージョンアップ感は出そうな気もしますし、架空編成に徹するなら例えば高崎の旧客の代わりにEF55やC61に牽かせるというのもアリだと思います。

 ですが今回の本題はそこではありません(笑)

 実は昨年春くらいから行きつけの中古ショップで丸1年くらい残っていたマイクロの大井川鐡道E31(E32仕様)がありまして、今回のコミックを読んだのをきっかけについムラムラと(爆笑)

 これはマイクロの電機の中でも相当に短駆な部類に属するボディは個性的なカラーリングおよび近代型っぽい前面とエアフィルタが胴体下部に並んだサイドビューの組み合わせが独特の凝縮感を醸し出す不思議な印象の機関車だと思います。
 短駆なだけにかわね路号の様な20M級の客車を牽くと「蚤の夫婦」という言葉を連想するくらいロコと客車とのアンバランスさが際立つのですが、まあこれはこれで楽しいものはあります。

 走行性は中古のマイクロ機関車のそれでスムーズではないですが困る様な走りでもありません。前面ディテーリングのバランスも良く、わたし的には好感の持てる機関車でした。
 これなら昨年のうちに買っていても良かったかもしれません。

電気釜に癒される夜(汗)

2024-04-10 05:20:53 | 車輌・電車
 ここ数日くらい、色々と不本意な事やら嫌な事などが重なっておりまして、徐々に心の中に一種の歪力が掛かる様な感覚に押しつぶされそうになる心境が続いています。

 で、ふと思うのですがこういう感覚に襲われている時というのは大概「暫くモデルを走らせていない」ような時期である事が多いので、寝る前のひと時にでも何か列車を走らせてストレスを吹き飛ばしたくなってきます。

 そう思い立って、さて何を走らせようかと思ったのですが、以前はよく見かけたのに今では絶滅寸前になっている「普通の国鉄色の485系」を長い事走らせていないのに気づきました。
 そんな訳で趣味の再開直後の20年近く前に入線させたKATOの485系「はつかり」を引っ張り出します。

 久しぶりの走行だけに最初は走りもややぎくしゃくしていましたが、暫く試走してゆくうちに徐々に当たりが付いてきたのか、そこそこスムーズな走りを取り戻してきました。
 下段のレイアウトの緩曲線を身をくねらせながら走る「電気釜」

 子供の当時はボンネットタイプに比べてなんとなく愛想のないデザインと感じていたのに、いま改めて走らせると懐かしさと共に一種のワクワクした気持ちも取り戻している様な心持になってきます。

 やっぱりテツドウモケイは飾るよりも走らせるほうが楽しい。改めてそう思います。

 おかげで幾分ですがすっきりした気持ちを取り戻すことが出来ました。
 尤も、だからと言って悩みの種が解消されたわけではないのですが(汗)

古本屋の閉店と「全国軽便鉄道」のはなし

2024-04-09 05:19:31 | 書籍
 先日、現住地の近所のブック〇フが閉店しました。
 自宅に近い事もあって時々覗きに行く店だったのですが、今年に入って暫く顔を出さずにいたら「久しぶりに出かけたその日が閉店当日だった」というショック!
 
 新刊本屋もそうなのですが、古本屋までなくなってしまったら本当に参ります。
 電子書籍やネットショップではこれまでの様なアナログな「足で探す本の探索」が出来ないですから(本を探すために汗をかくという行為は実は読書子には不可欠な要素のひとつと思います)

 などと文句ばかり書いても仕方ないですが。
 先述の通り「久しぶりに覗いたら閉店当日」だったブック〇フですが、不幸中の幸いと言いますか店内整理で在庫が少なかったにもかかわらずわたしの琴線に触れるような本が何冊か拾えたのは有難かったです。
 この店で「わたしが買おうと思う本がいちどきに5冊以上拾えた事」は滅多に無かったですから。

 という訳で今回は閉店当日に拾えた本の中から(まあ、そう自慢になる様な物でもありませんが)

 JTBキャンブックスの「全国軽便鉄道」(岡本憲之 著)をば。

 あおりに「失われたナローゲージ物語300選」とある様にかつて国内に存在したナローゲージの鉄道を俯瞰した「ナローゲージ資料集」とでも言う様な入門書です。
 現住地はおろか故郷の古本屋を回ってもナローゲージの古本に当たった事はありませんでしたから、これだけでも驚きではありました。
 (まあ、めぐりあわせというか運の要素も大きいのでしょうが)

 本のボリュームから言ってひとつの鉄道のスペースは多くても2ページが精々、1ページの半分とかしか書かれていないのもざらなのですが、これまで私の手持ちの中でこれくらい纏まった俯瞰本はなかったですから基礎文献としてはなかなか有用な一冊です。

 ナローと言ってもいわゆる軽便鉄道ばかりではなく馬車鉄道や人車鉄道、鉱山鉄道や森林軌道なども含まれているので扱いの範囲はかなり広いのですが鉱山鉄道はキャンブックスの中で独立した一冊になっていますから併せて読んでも楽しめそうです。
 それにしても「ナロー」とひとくくりにして軽便鉄道くらいしかイメージできなかった自分でしたが、本書を読んでそのバラエティが予想以上に広かった事には改めて驚かされました。