あさあめの凡々日記

アニメ・漫画・ゲームなどの感想メインの日記

【感想】わずか5巻で最上級の面白さを誇るセカイ系作品「ib -インスタントバレット-」

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この世界のすべては

 

このようなキャッチコピーから始まるこちらの作品「ib -インスタントバレット-」。

99%の人が幸せだとしても、1%の人は幸せではない。

そんな1%の少年少女たちが紡ぐ、終わりの物語。

 

「正義でありたい」

「悪でありたい」

「「・・・世界を壊したい」」

 

相反するような欲望も、同じ道を辿ることもある。

そのような心情を描いた作品です。

感想を読んで興味を持っていただけたら、ぜひ読んでみてください。

※以下、一部ネタバレ注意

最後まで展開は予想できない、物語はどこへ向かうのか

本当に今、読み終えたところでこちらの感想を書かせていただいてます。

読み終わった率直な感想としては、

 

全てが面白かった

 

そう言わざるを得ないです。

 

こちらの作品は、上述したようにセカイ系の作品です。

少年少女たちは突然、インスタント・バレット(ib)と呼ばれる魔法を手にします。

それは創造であったり、破壊であったりと様々です。

 

そのような特別な力を手に入れる条件は極めて簡単。

人から逸脱していることです。

正常であってはいけない、それが条件。

 

だからこそ、魔法によって少年少女たちは自分の願いを叶えようとします。

それに共通するところは、「この世界はすべて敵だ」ということ。

 

そんな魔法を持った少年少女たちが出会い、世界を敵としたとき、物語の結末はどうなるのか。

世界は敵なのか、自分は異常なのか、幸せであってはいけないのか。

 

1巻~5巻までのサブタイトルにも注目してぜひ読んでみてください。

全ては綺麗ではいられないけれど、綺麗でいいこともあるはずだと思うはずです。

 

※以下は完全ネタバレなので読んだ方のみ推奨。

 

感情移入させられるキャラクター

以下は、自分が思いの丈を書きたいとおもったキャラたちを書いていきます。

 

・深瀬クロ

「創造」と呼ばれるibを持つ少年。

この物語の主人公であり、正義のヒーローにはなれなかった悪である。

 

1巻で彼は自分を悪だと言いました。

しかし、物語は彼を軸として進み、そこに悪は存在しなかった。

 

「守りたい」

 

その願いを叶えるために、彼は行動します。

それによって救われた人は数多く存在します。

ただ、作中にも述べられたように、赦す時間がなかったため、最後に悪となります。

 

これはきっと、セラを助けるためではない、純粋な世界を壊したいという感情だったと私は思います。

彼はずっと、世界を壊すという信念だけは曲げていませんから。

それ故に、歪んでいる。

 

ただ、歪んでいる中にも、優しい一面はあり、そこを好きになった人もいる。

人間がいい人だけではいられないという現れではないでしょうか。

世界が終わることは確定していたとしても、幸せな最後を迎えられるといいなと思いました。

 

・姫浦瀬良

「破壊」と呼ばれるibを持つ少女。

私的にはヒロインというより、この子が実質の主人公だと思ってます。

 

セラは昔からヒーローに憧れていた。

けれど、ibの発現により自分はその役にはなれないとも感じていた。

天才だからこそ、考えに答えが出てしまい、歪んていく。

 

ibの能力としては最高峰の魔法ですね。

爆弾全てを召喚・起爆できるとか、チートです。

メタ発現かもしれませんが、街に核を落とすときも、落ちるまで待たずに途中で爆破させることもできるはずです。

 

彼女は、作品のような言い方で例えるなら「神様に愛されなかった子供」ではないでしょうか。

 

感情の欠落

 

これは彼女のせいではないですし、それによって彼女が歪んでいくことは仕方のない事だと思います。

両親が最後まで育ててくれれば、きっと正常な人間として生きていけたのでしょう。

それが叶わなかった彼女はやはり、神様に愛されていなかった。

 

そんな彼女が世界を壊すときに現れた相手は求めていた悪そのもの。

ようやく、正義のヒーローになれたのです。

まあ、邪魔されちゃいましたが(笑)

 

けど、最後のきっかけによって彼女はこれまでとは違った人生を過ごせるのではないでしょうか。

その先の終わりが幸せであるならと、私は願います。

 

・古砂夢/魔女

「時間」と呼ばれるibを持つ少女。

この作品のヒロインであり、キーパーソンです。

 

過去・未来の全てを視ると共に、移動も可能な彼女。

時間系の能力者は最強であるがゆえに、退場することが多い気がします。

 

世界が終わることを知り、自分が死ぬことを知り、恋をすることを知る。

彼女の行動原理が歪むのは全ては魔法のせいなのに、彼女を救ったのは魔法によって現れた自分自身。

救われる道が残されていないのは、本当に彼女一人だけでした。

 

ただ、異常から抜け出し、幸せになったのもまた作中では彼女だけでした。

恋をした少年に助けてもらい、最後を看取られ、全てを託すことができた。

古砂夢の幸せはそれだけで満たされていたのです。

 

最初からこのキャラクターは私の一番好きなキャラでした。

ヒロインとして可愛くあり、また物語を進める黒幕的な存在感もある。

そんなところを好きになったのは私以外にもいるのではないでしょうか。

 

だからこそ、死ぬ未来を知ったときは辛かったですし、過去の夢がいることを知ったときは嬉しかったです。

最後に登場した夢は、笑っちゃいましたね。

シリアスブレイカーにもなれるのか、と。

 

未来は変えられないという彼女ですが、そこに至る過程によっては意味があることを教えてくれた気がします。

結末だけが全てじゃない。

世界が終わることがわかっていても、作品はハッピーエンドを迎えることはできるんです。

 

もうちょっとだけ、彼女が描く物語を見ていたかったですね。

単なる日常だけだとしても、それはかけがえのない未来につながっているわけですから。

素晴らしいキャラでした。

最後に

この作品を読み始めたきっかけは表紙です。

もうイラストだけで面白いとわからせるような作品だと思います。

 

また、このような作品に出会えたらいいなと思っております。

それではまた別の作品もよかったら見に来てください。