新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

「負けた方が弱いのだ」な悔しい敗戦だった悔しい敗戦だった

2022-12-06 08:39:09 | コラム
「体格の差だけだった」と敢えて言うクロアチア戦でのPK戦での敗退:

昨夜は7時半頃に寝て、予定通りに11時半にやおら起き上がってフジテレビにチャンネルを合わせた。何処かで何方かが予想された相馬が先発メンバーに入っていなかったので少し安心し、堂安は起用してあったが矢張り三苫を前半から使ってこなかったのには、予想通りではああっても「宜しくないのでは?」と懸念させられた。

格上のクロアチアに対して怯むところなく挑んでいった姿勢は評価すべきだし、何度か2点目が取れそうな場面に持っていった攻撃力も賞賛せねばなるまいと思っている。負傷上がりの富安には何度か致命傷になりそうな失態もあったが、モドリッチを中心にしたクロアチアの体格的な有利さを前面に押し出した攻撃を1失点だけで守り切った守備力全般は立派だったと思う。

だが、私は既に「ディフェンスしていただけでは勝てない」と述べてあったし、岡田武史氏も同様な指摘をしていた。ボールの支配率が50%対37%だったのでは、ドイツやスペイン戦のように逆襲(カウンター)から得点を狙わねばならない場面が多くなるので、頭からその切り札的な三苫を使っておいた方が良かったのではなかったかと、今でも考えている。

敗者になってしまった我が代表を今更鞭打つ気ななどないが、私が見た敗戦の原因を挙げていこう。最大の要因だと思っているのが、物理的には如何ともし難かった「体格の差」だっただろう。後半のクロアチアの得点は斜め後ろからのFKからだったが、あのヘディングをした者の頭は我が方の守備陣よりも一つ上に出ていた。良いキックをしたからではなく、身長差の優位を活かしただけのことだった。負け惜しみになるが「ノーテク」だった。

次に目立っていたので取り上げたくなった点で「足の長さ」の差だった。アナウンサー用語では「カットする」か「カットされた」となっているが、折角良いコースに相手ディフェンダーの裏を取ろうとして出した縦パスが、途中で長い足を伸ばしたディフェンダーに奪い取られてしまっていた。または、彼らの頭上を通過する前に飛び上がって跳ね返されていた場合が多かった。

しかも、そのヘディングのこぼれ球は、殆どの場合にクロアチアに取れられてしまっていたのだった。更にヘディングの競り合いはクロアチア勢の背の高さに負けていた場面が多かったのも、苦戦の原因の一つとなっていたと見ている。裏を取ろうと高いパスを蹴っても、身長の壁を越えなかったという意味。

惜しかったと思い、後に「あれが入っていれば」の「たられば」になってしまうのではないかと思わせられた出来事があった。それらは先ず前半の立ち上がりに伊東純也が右サイドを素早く切り上がって綺麗な横パスをゴール前に通したときに前田大然が少しだけ間に合わず、左サイドから突っ込んできた者の前をも通過していったこと。

その暫く後に左サイドから攻め上がってペナルティーエリアまで入り、鎌田は少し角度がない位置で殆どフリーの形になり、しかも(私が信奉する「左サイドからのシュートは右足で」の)絶好の先制点の機会に吹かしてしまい、バーの上を通過するダメなシュートをした場面。今大会でマスコミの期待が高かった割りには得点がなかった鎌田の失態だった。私は「チャンスの逃しすぎは敗因になる」と見ているので、禍根を残さねば良いかと危惧していた失敗だった。

偽らざる所を言えば、試合開始と同時に来た閃きでは「勝てる気がしないのは何故だろう」だった。特に、今大会初めての先取得点をしたときには「この1点だけでは危ない。何とか早い時間帯にもう1点追加しないと」という予感が来ていた。さらに「この試合は120分間では決着がつかずに、PK戦まで行ってしまう確率が高い」とも来ていた。

今更、こんな事を言っても仕方がないが、PK戦の先頭に出てきた南野の表情には「自信の無さ」が悲しいほど現れていた。何故、彼が先頭かと嘆いた。三苫の顔付きも暗すぎた。折角世界の強豪を連破して勝ち上がり、格上のクロアチアをPK戦にまで引っ張り込んだ善戦健闘が、PKの失敗で負けてしまうのは耐えがたいほど残念な出来事だった。

繰り言を言えば、後半にしか使えなかった三苫が予想通りにマークされて本領発揮の機会が一度しか来なかったのは、森保監督の作戦の失敗ではなかったと言いたくなってしまう。三苫に90分間走り切る身体能力がないのだったら話は違うが、長い時間使っていれば、もっと左サイドからのチャンスが作れたと思えて仕方がないのだ。案の定、クロアチアの堂安と三苫に対するマークは厳しかったが、その辺りは織り込み済みだっただろう。

最後に、我が代表と森保監督は国民と国全体をあそこまで盛り上げて、8強どころかその上まで行くのではないかと期待させてくれた活躍振りは、どれほど褒め称えても、褒め称えすぎにならないと思っている。国の外はいざ知らず、国内が現在ほど明るくない話題に満ち満ちているときに「明るい希望を持たせてくれた監督と26名の選手たちとコーチたに心の底から感謝して、その世界を震撼させた功績を称えたい」と思う。



コメントを投稿