Nová Syntéza = New Synthesis/Blue Effect | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Blue Effect60年代後半Czechで結成されたRock Bandであり、主に70年代に活動していた。ベースのJiří Kozel、SingerのVladimír Mišík 、ドラムスのVlado Čech、ギターのRadim HladíkMiloš Svobodaによって生まれたGroupは、メンバーの殆どが義務兵役免除の証明書となる"Blue Booklet" (Czech語でModrá Knížka)に由来するThe Special Blue Effectというバンド名が短縮されてBlue Effectと名乗るようになった。68年12月にLucerna宮殿で行われた第2回Czechoslovak Beat Festivalに出場してDiscovery of the Yearに選ばれた。69年The Blue Effectとして“Slunečný Hrob / I've Got My Mojo Working”でDebutすると5万枚以上を売り上げ、EP『Blue Effect』も同年にリリースされ好調なセールスを記録、一躍人気バンドとなった彼らだが、Svobodaがバンドを去ってしまう。4人編成となって70年Debut AlbumMeditace』をリリース、この時点で政府のRockへの弾圧は始まっており、アルバムに最初に書いた歌詞の多くは書き直ししなければならなかった。Vladimír Mišíkが70年半ばにバンドを脱退すると、バンドはInstrumental Jazz Rockを志向するようになり、Jiří Stivínが在籍していたJazz Q PrahaのメンバーとBlue Effect & Jazz Q Praha名義で共演アルバム(4曲中1曲のみJazz Q Praha単独作)『Coniunctio』をリリースしている。71年にバンドはCzech名のModrý Efektを名乗らなければならなくなり、短縮してM. Efektと改名した。そしてJazz Orchestra of Czechoslovak Radioとの共演となる本作をリリースするのである。69年にDeep PurpleがMalcolm Arnold指揮のThe Royal Philharmonic Orchestraと共演してRock史上初めて観客を前にしたOrchestraとの共演が実現されたが、こちらはJazz Ochestraである。名手Radim Hladíkの燃えたぎるギターを中心に半端じゃない熱量でRockとJazz、Classical Musicが混然一体となって盛り上がっているのであった。

 

 『Nová Syntéza = New Synthesis』はModrý EfektBlue Effect)が71年にリリースしたアルバム。

アルバム1発目はギタリストRadim Hladík作の“Má Hra = My Game”。抒情的ながら重厚なOrchestraの演奏が始まると、ギターが唸りを上げ疾走感溢れるリズム隊と熱いRock魂を注入緩急織り交ぜた後半の盛り上がりはグッとくる。

本作から加入した鍵盤奏者Lešek Semelka作の“Směr Jihovýchod = Southeast Bound”。イントロから高らかに鳴らすHorn隊に心躍らせれば、こちらも熱いギター・ソロにHammondソロも登場して、これまた動と静のContrastが鮮やか変幻自在で躍動するリズム隊もカッコイイっすなあ。後半のTempo Upしたところでギター・ソロが炸裂。ビシバシときめるBrass Sectionもイイ感じ。

Radim Hladík作の“Popínavý Břečťan = Clinging Ivy”はイントロから畳みかけるHorn隊が最高。スリリングに弾き倒すHladíkのギターが熱いっす。

Jazz Orchestra of Czechoslovak Radioの指揮者Kamil HálaとVlastimil Hála共作の“Blues Modrého Efektu = Blue Effect Blues”はタイトル通りの哀感漂うご機嫌なBlues。Brass隊がビシバシとフレーズをキメこんでくる中、Bluesyにむせび泣くHladíkのギターがRockっすなあ。派手さはないけれど、じわじわとEmorionalな高まりが炸裂していき、ここぞとばかりに爆発させる男泣きのギター。

アルバム最後をシメるのはタイトル曲“Nová Syntéza = New Synthesis”。こちらもKamil HálaとVlastimil Hála共作の14分越えの大曲淡々と繰り返すFunkyなギターのカッティングが気持ち良い。この曲も時にAvant-Gardeな響きやPastralな雰囲気を感じさせながら、じわじわ攻めて、最後に爆発させる、お約束のギター・ソロが良い。

(Hit-C Fiore)