都美館 Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる | 海をみていたい

海をみていたい

日常。思ったこと、メモがわりだったり、テンションあがって発信したかったり、観劇、観戦、鑑賞日記です。
濱田めぐみさん、町田樹さん、パナソニックワイルドナイツ好き、現在連日HIDEKIさんを思い出しています。
趣味は携帯写真。

イラ(わたし)は川の流れが好きだな。
いい思い出だけは胸にしまって、いやなことはみんな流してしまう。
水の流れはいいよ。
だからダムにならんほうがいい。水は流れとったほうがいい。
溜めてしまうと、池になって汚くなるし澱んでしまうでな。
 
 
  
心動かされた写真の数々。
ダムに沈んだ村に住んでいた人々、彼らの生活、
かつてその地で結婚したご主人は戦時中、インパール作戦で行方不明となっていた。
ひとりぼっち、
決して還ってくることはないんですが、
万にひとつ、もし帰ってきたときこの地がダムに沈んで跡形もなくなってしまったとき、ここでの暮らしがあったことを留めておかなければ、と、
還暦を過ぎてから撮りはじめた記録。
小さな村の人々の営み、近所の子供たちのはにかむ表情、慣れてきて自然に浮かぶ笑顔、その後に跡形もなくなって沈んでしまう村の、そうとは信じられない穏やかな表情と記録していた側のたづ子さんの気持ちまで伝わってきて、
膨大な現像写真の数々に感動してしまいました。

 

 
これ迄もそうですが、
へたうまとか芸術だと思ったことはないんです。
けれどもこの展示は感動したし、へたうまではない美しいものでした。
artとは美しいものだと信じています。だから落書きをアートと認識していないし、人によって、見かたによってそれぞれ違うという言い訳めいたコメントが世の中にまかり通っていても、それは認めない、認めたくないんです。
それは、やはり美しいものしか芸術ではないと思っているので。
その観点で、

こちらも、一見、

というか、描きかたもタッチも素人ですが

やはり心惹き付けられます。

少しでも絵の勉強をしたとこのあるかたなら、筆使いをこうすればいいのに、色の載せかたはこうすればいいと、アドバイス出来る水準ですが、それを越えるインパクトがあります。

この老人の眼を通した景色が、嘘がなく、伝えて来るんです。

先ほどのへたうまと矛盾しているような書き方ですが、云いたいこと、意味が全く違うんです。へたうまをアートぶってこれが芸術だとうそぶいている胡散臭さが微塵もなく、純粋に彼が美しく感じた景色が再現されているから心揺さぶられるんです。

発掘してくれたかたの眼が間違っていない。そういう意味で安心します。

上野はやっぱり好きです。

私にとって芸術の森。

 

ゴッホ展は混雑していそうだから此方にしたのですが正解でした。

こちらはまもなく終了です。10月9日(土)までです。