オリバー | 海をみていたい

海をみていたい

日常。思ったこと、メモがわりだったり、テンションあがって発信したかったり、観劇、観戦、鑑賞日記です。
濱田めぐみさん、町田樹さん、パナソニックワイルドナイツ好き、現在連日HIDEKIさんを思い出しています。
趣味は携帯写真。

耳馴染みのいい楽曲揃いです。

見終わってからも印象的なフレーズが幾つか頭のなかに再現されます。


完璧に仕上がったものを観たいのでプレビューや開幕初期の公演には行かない主義だったのに、はやる気持ちを抑えられずプレビュー公演も初日も観てしまいました。

すると、納得のいかない部分が気になり、気持ち良い感想も書けず、

日本の場合、技術スタッフさんのリハーサルにはなっても舞台上の問題には目をつぶってしまう、例えばそのシーン長くて飽きるから短くしてほしい、工夫してほしいと率直な感想は誰でも思っただろうし、そのセリフ日本語としては唐突すぎる、とか、それまでの経緯がないのにいきなり超能力者が出てきたみたいに知った上での言葉を返していたり。本来プレビューでしなければならない試行錯誤の作業がないのでおかしなまま本番に入っているんです。

こういうところ、及び腰だと、いつまでたっても、日本人は口を出さずにお金だけ出すおバカな人たちです。

そんなフツフツわき上がる気持ちを曖昧にして、そうこうしているうちに既に東京公演は折り返しまで来てしまっています。


子供たちの特にギャング団やアンサンブルは素晴らしいものがあって絶賛したいところなんです。

ところが複数キャストが多すぎる弊害か、当然生じてしまう稽古不足か、日本語台本の見直し時間がとれなかったのか、もやもやしていました。

いまだに初日が開けた感がなかったのですが

先日のオーブは初見キャストが多くて断然良くなっていました。

(カーテンコールの写真はインタビュー記事またはプレスコール記事からお借りしました💦)



タイトルのイメージから子どもミュージカルのように思ってしまいますが、実際子供たちのシーンもナンバーも多いのですが内容が全く子どもミュージカルではありません。単なるこども冒険譚ではありません。


子供は手段として使われますが、それは子供を使う大人にとっても自分が歩んできたきっと似たような境遇だったんだろうし、おとなもこども底辺で生きるための術。

今とは違う世の中の価値観と貧富の差が大きい背景から貧しい生まれの子供達も、そこから成人したおとな達の逃れられない無教養な生き方のなかに犯罪が隣り合わせ。犯罪はもちろん悪いことですが『いいこと』『悪いこと』の善し悪しではなく、"いい人生"に憧れる気持ちが描かれていてそれがとてもかなしい。

底辺にいる切なさと、おかしさ。過酷な状況のなか大事にしなくちゃならないポイントはいったい何なのか、問いかけられている気がします。答えがみつからない作品でもあります。


道徳的に云えばアウトなのはわかっているけれど、そういう立場に陥ってしまったとき、それしか選べなかったとき、その上で誇りを持とうとする姿勢に何やら掴まれます。

これが人生とかウンパッパとかそう思いながら聴くと明るい曲調なのに哭けてしまいます。

必死さに、情けなさに心射たれるし、メリーポピンズとも同じ時代なのかな、メリーは裕福な家の人たちに起こるピンチの話、オリバーは主にそうでない階層の人たちが必死に生きている様。

心があるからフェイギンもナンシーも苦悩します。ビルサイクスだってタイミングが違えばきっとバルジャンです。。。

プラス、舞台の端々に

様々なミュージカルの要素も隠れて見えたりします。そう感じるのは私だけではないかと。

キャラクターの振り分けかた、思いきって長い場面をはしょってしまうやりかた、それぞれの持ち味や小道具にもレミゼそのものが、感じられます。

多分観客はレミゼの場合は傍観者なんだけれど、オリバーの場合貧しく、教育も受けられない自分に想定してみる方が物語に入りやすいと思います。

そして、背景や大道具からはメリーポピンズ感を見つけて、あっ!と思います。


フェイギンだってもっともっとズル賢ければ、時代がちがえばミスサイゴンのエンジニアに。


当初感じていたよりずっと深いオリバー。


日曜日、久しぶりに観た回のキャスト表

すごく良かったです‼️


小林くんのオリバーは期待通りの存在感とキラリとした華やかさもあわせ持っていて、正解でした。いい感じの舞台になっていました。

やはり2019年版レミゼ組ガブローシュの実力を感じました。同じくガブローシュで釘つけになった大矢くんのドジャーも今月末の予定でまだ観ていませんが期待しています。もうひとり楽しみなのがエバンズくん☀️動画で観ただけですが華があってオリバーにぴったり。

これまで溌剌として存在感抜群の川口ドジャー👍ばかり観ていましたがこの日の佐野くん✊の明るいドジャーも良かったです。



実は本日のマチネが小林大矢組だったんですよね。小林くんのTwitterに写っています。ソワレだったら絶対行ったのに。佐野くんも小林くんももう一度観たいのですが。


話は戻りまして、

ギャング団も救貧院の子たちも元気良くどちらのチームも2週間前より心地好かったです。

特に冒頭の救貧院のシーンは声も出ていて見違えるように良くなっていました。

この場面要らない、と感じるほど眠くなっていた冒頭のバングルさんのシーンは鈴木ほのかさんのテンション高めのミセスコーニーがテンポ良く噛み合っていて飽きずに観られました。(それまではこのシーンを失くせばもっとスムーズなのに、とイライラしてました)

組み合わせが違うだけでこんなにも全体の流れが良くなるのか、本番の回数を経てこなれてきたのもあるかもしれませんし、配役の相性かもしれませんがやっと開けた感じがしました!

(もしかしたら、このくらい稽古して開けた方が良かったのでは?)


日本人が持ち合わせていないものがペーソス。

メリーでもレミゼでもそれを日本的に補っているのがお笑いの人たちの起用だと感じます。

あのかたたちはお客さんはどうやったら笑ってくれるだろ?って、それが使命みたいなモチベーションだから悲惨なデタラメな場面でも楽しくしてしまう。

だらだらつまらないシーンよりも観客にとって、クスリと笑えたり楽しませてもらえる方がずっと良いんです。(勘違いしてほしくないんですが下品なのはダメです、問題外です。)

初日ではオリバーがご飯のお代わりをおねだりするところから葬儀やの件まで全部カットしたらいいと思うほどテンポが悪くて、寝堕ちしそうでした。

葬儀やから逃げたしたオリバーがドジャーと出会ってやっと幕が開いた(目が覚めた)感じです。そこから舞台が動き始めレディが登場。めぐさんナンシーが一気にミュージカルにしてしまいます。恐るべし、めぐさんの存在感!



お気に入りのシーンをいくつか

こちらはめぐさんのInstagramから

めぐさんが好きだとおっしゃった場面,。

ドジャーは川口くん、ギャング団はハックニーチームかな。



あと、本を届けに通りに出ると町の華やかな場面になるんですが、あそこがメリーポピンズ風で大好き💓♥️❤️

お花に水をやる少年も良いんです!



ビルサイクスは原さんの半端ない怖さがツボです。凍てつく冷たさ。めぐナンシーがダメだとわかっていながら惹かれてしまう危ない存在。
スピさんはチンピラ風サイコパス。どう転がるかわからなくて、ちょっと戸惑います。
ソニンちゃんとだったらどう映るのかな。
ソニンちゃんバージョンも観たいんですがいざチケットをとるとやっぱりめぐさんを選んでしまっています。
武田真治さんのフェイギンが気に入っています。もともと好きなんですが、今回のフェイギンを観てエンジニア(ミスサイゴン)もやれるじゃん!って思いました。スクルージやスウィニートッドでは優しい若者や少年らしさが武田真治の立ち位置でしたが、かつてのエリザベートのトートなど物語を引っ張って引っ掻き回す側も似合うんですよ、武田くん。それにめぐさんと同年生まれですよね?

追記:めぐさんのこと書き忘れてました、最も大事なめぐ様
プレビューの際は音声さんが様子見していたのか?歌唱時のめぐさんマイクがほぼ微音量で、オケやコーラスの音量に負けじとめぐさんが声を張っていて、公演中ずっとそうだと喉が大丈夫?、と心配になってしまいましたが、とにかくめぐさんが登場するとミュージカルが始まる感じに。
数日後の初日にはそれなりに音量上げてくれてましたが他のキャストに比べると小さめかな。それほどパワフルなめぐナンシーが進化してました。
そして、先日のナンシーは彼らの今を悲観しすぎず肯定するこれが人生と、一筋の光のようなオリバーの存在と相反するビルサイクスへの一途な思いが交錯して圧倒でした。
赤い衣裳のせいか、めぐカルメンの情熱も加わっている気がします。
(めぐさんのInstagramから↓)