清水邦夫『楽屋』
この戯曲、夢中になって読んでました。
まだ上演された舞台を観ることもなく、ひたすら読んで読んで。
だからセリフのほとんどを覚えてました。
今から考えると意味など全く理解していませんでしたが、わかるような気がしてのめり込んでいたようです。
セリフに出てくるマクベス(シェイクスピア)とか、かもめのニーナにも惹かれてチェイホフを読んだり、チェイホフなら当時の新劇がよく上演していたので文学座とか観に行きました、小学生の頃。
翻訳の違いでセリフが違うことなど今ならはっきり比較できますが、その頃どこまで理解していたのか?きっと知ったかぶりでわかったような気がしていたんです。演劇好きなら同じように夢中になった経験、あるかもしれませんね。
今回、ものすごく実感というか、あてはりました。その状況とセリフがリンクしていくのを目撃している感じです。演者の皆さんの間の良いテンポが秀逸で、こんなに心地好い舞台をあじわえるしあわせ。
演出もよくあるような並んだ鏡前ではなく、まずふたりの鏡がこっち(客席)を向いていること。ニーナ役者は向こう側。
それもすごく効果的で無駄がないんです。
澱んだ溜まった空気感を逆にすすきが揺れる様で表現しているのも
切なさが漂ってきて、アートだし、アングラ感漂う美術がいいです。
unratoの以前観たメアリーステュワートでも楽屋の鏡前みたいなセットがエリザベスとメアリーのそれぞれの立場になっていて面白かったのですが、今回もいい塩梅です。
なんといっても保坂千寿さまのうまさに感動します。
いつだってうまいんですが、演劇少女のバイブル的この戯曲を、まるでほんとうに戦前の女優さんかと、ほんとうにプロンプターしかやらせてもらえなかった端役さんかと、配役されたのは男役ばかりしかなかった実在の人かと錯覚しそうな位、うまいんです。
こじんまりした赤坂レッドシアター
体格のいい人や男の人が並ぶと窮屈そうな座席ですが一気に戯曲に描かれている世界へワープしてしまうので気になりません。
昼公演終わりました✨
— 笠松はる (@harukasamatsu) 2021年10月21日
マチソワ間は、演出の直子さんとみんなで穏やかにお話したりゴロゴロしたりして過ごしております☺️
本日の写真はこだわりの舞台美術の一部。ここにはヘッセの詩集が📖
他の場所にも出演者も知らなかった色んなあれこれが隠れております✨#unrato楽屋 pic.twitter.com/BxbzFPuJ57
作:清水邦夫
演出:大河内直子
出演
保坂知寿
大空ゆうひ
笠松はる
磯田美絵
一昨日にツイートされたアンラトさんのお知らせ~昨夜観てきました✨
『楽屋』あす21日は14時と18時30分の2回公演です。
— unrato(アン・ラト) (@UNRATO_JP) 2021年10月20日
開演45分前より会場にて当日券を発売します。
当日引換券も発売中。
ぴあ https://t.co/VL8NT7QvfO…
e+ https://t.co/TOU3F2G4Eg
当日精算予約 https://t.co/hcZmPuwFk0#unrato楽屋 (撮影:交泰) pic.twitter.com/iBD5W9KlVi
真冬のような気温でしたが開演前に赤坂見附から紀尾井町を散策しました。