なんだ?この話は。
シェイクスピアっぽいけれど中身がない。
たしかにシェイクスピアの喜劇には大衆によろこんでもらいたい意図が見え見えの軽いどうしようもない(どうでもいいご都合主義の)作品も多いと感じます。
調べてみると、カンタベリー物語(ジェフリーチョーサー作)の中の騎士の話からインスパイアされたシェイクスピアとジョンフレッチャーとの合作と云われている喜劇。
あぁ、なるほど。
たぶん、カンタベリー物語は当時の大衆がなんとなく知っている(共有している認識?)の中のあのエピソードね、って感覚でしょうか。
舞台美術はいかにもシェイクスピア作品のように凝っています。史劇にも使えそうだし、悲劇にも使えそうな工夫のあるもので見ごたえあります。
音楽もオーバーチュアから美しいメロディーが伺えます。これから素晴らしい何かが始まりそうな予感。
(演奏会だけでも聴きごたえ十分なくらい素晴らしい)
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1幕
中身はドタバタです(^ー^)
その中で注目すべきはエミーリアの音月桂さん。フランケンシュタインでもパンチのある歌唱で存在感ありましたが、この舞台では彼女が居てくれてほっとします。
他にも上白石萌音ちゃんの澄んだ歌声、芳雄さんのバイマイセルフコンサートでも披露してくれていたので以前から彼女の歌う楽曲には安心感と馴染みがあったのですが、音月さんの舞台を観るのは数年ぶりで、改めて音月さんカッコいいと釘付けでした。
ちゃんと歌える元タカラジェンヌいるじゃないですか!王家の紋章(再再演)のアイシスとか笑う男(初演)のジョシアナ公爵とか音月さんがやれば良かったのでは。
(こういうところ、東宝さんのキャスティング全くわからないんですよね。歌唱力が絶対必要な役に全く歌えないAMさんを使い続ける理由が~マイフェアレディとかシスターアクトとか…)
光一さんと芳雄さんのドタバタはわざとなのか"芝居らしい演技をしているようなふり"で、そこに演劇を見つけられません。光一さんはそういうもんだと思いますが芳雄さんもこんなんでした?満席の盛り上がる帝劇ですが彼らのファンしか楽しめない見世物に終始しています。
そんな流れのなか、萌音ちゃんや音月さん、岸さん、歌穂さん、演奏家やパフォーマーに救われます。
そうそう、かつて毎年出掛けていた大晦日ジャニーズカウントダウンみたいなイベントに行くつもりの心構えが必要でした。
追記
この公演の演出家の奥様が日本人でこの公演台本の翻訳もされているので違和感のない綺麗な日本語で役者が喋っている(歌っている)のがストレスがなくて気持ちいいです。
2幕