白樺小舎便り(しらかばごやだより)

北信濃の田舎暮らしの日々

極限集落の秋 棚田の稲刈り

2020年09月20日 20時37分36秒 | 日記
『限界集落?いやあ、そんなもんじゃねえ、極限集落だよ、ここは』
市議会議長になったこの地選出のK氏は言う。
だが、コロナ騒ぎが続く中、本当の安心と豊かさは確かにここにある。

大西の棚田のオーナーになって二十数年。
田んぼの会の会長さんはもう八十台後半になる。ほとんど住む人が居なくなった山の集落で、奥さんと二人、稲作りと、ナス、ピーマンを育てている。
コロナで東京の衆は来られないが、稲刈りをやりたいので参加してと声がかかった。東京組は高齢者が多いが、若いⅯさんは参加するという。この女性は山登りが趣味で、車を飛ばして単独で山に行くという人で、今回も日野市から来るという。
信州百名山のひとつ、虫倉山に向かう途中に会長宅はある。細い山道は長く続き、所どころに古い民家が見える。多分空家も多いのだろう。
マンガ日本昔話の中に出てくるような日本の故郷の原形がそこにある。

数枚の棚田がある。そのうちの二枚は既にハゼ掛けが終わっている。

この地は大西の棚田といって周りにも何枚もの棚田があった。今はもう草地に帰って二軒だけが稲作りをしているだけだ。





現代では稲刈り機が主役で、見る間に刈り取り、束ねてくれる。だが、稲が倒れていると手狩りの出番。
今年は七月の長雨と日照不足、八月の日照りと雨不足と、天候のめぐりが不順だった。米の出来はどうなのだろう。

秋津洲の稲作りは弥生時代から続く日本人の原点。
こんなにも心落ち着き安らぐのは何故だろう。


会長さんは稲刈り機を操作する。八十七歳。


稲刈り完了。
本当は束ねるのだが、素人がやるとハゼ掛けの時、ばらけてしまって大変だということでここでは省略。会長さんの奥さんが『後でこの結束機がやるから』と自分を指さす。

ハゼ掛けは後日ということで、お茶の時間。
ご苦労様でした。

その後、会長さん宅で交流会。
今回から新しく参加したご夫婦も交えて楽しいひと時を過ごした。

子どもたちが、なりたい職業としてあげるユーチューバー。
それ自体悪いこととは言わないが、何も実態のあるものを作り上げず、企業の広告をして収入を得るということに、なんの後ろめたさも感じないのだろうか。
実際に食べ物を作り、着るものを作り、生活必需品を作るということがまっとうに評価される社会が来ないものか。

十月には脱穀作業。手伝いに行こうと思っている。


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