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ハウリンメガネが縦横無尽に吠える!「メガネの遠吠え」(第八回) 邪道?エレキ弦の新しいチョイス方法!

2022-11-19 13:55:32 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

そうだ、フラットワウンドを張ろう。

読者諸賢、御機嫌よう。ハウリンメガネである。
冒頭からなんの話をしているのか?今回はギターの大事な要素、弦の話である。

先週のことであった。
ギターを片手にいつもの如く、あれはどうだ、これならどうだ、あれならどうか、と音と格闘していた私。このところギターについてなにかと気づきが多く、様々なアプローチを試すことが増え、それと共に、手持ちのギターをとっかえひっかえすることが増えてきた。

その中の一本であるフェンダー・デュオソニック(こいつはアンプに刺すだけでイなた〜い音が出る、ご機嫌なギターなのだ)。
一人でブルースをヤるときはもちろん、ショートスケール特有の弾きやすさも相まって、ジャズで使うようなややこしいコードで遊ぶ時にもよく手に取るのだが、弾いているうちに「もう少しこうなってほしい」という欲が出てくるのが人間というもの。
枯れた、いなたいサウンドはいいのだが、独りで弾いていると、6弦を弾いた時の線の細さ、ボトムの不足が物足りなくなってくる(逆にこのボトムの足りなさがバンドで使うといい具合の音抜けにつながるので一長一短なのだが)。
ギターのトーンコントロールやアンプのEQで調節できる範囲の不足ではないし、音自体は気に入っているのでギターには手を入れたくない。
となると弦自体のゲージ(太さ)を変えるのがベター。
学生時代には「俺もSRVみたいに弾いてやるぜ!」と13〜56なんぞという極太ゲージを無理やり弾いていたものだが、最近では「エレキの弦は細けりゃ細いほどいい」というのがモットーの私(もちろんギターに合わせて変えるのだが、弦が太ければ太いほどネックにかかる負荷は上がるし、ほしい音の範囲であまり太くしすぎない方がよいというのが最近の私の考え)。
とはいえ、ボトムが46でも不足を感じるのは事実。あまり太すぎる弦にはしたくないし……はっ!

そう、ここで頭に浮かんだのが、冒頭の「そうだ、フラットワウンドを張ろう」だったのである。

エレキギターの巻弦は大別してラウンドワウンドとフラットワウンドの2種類に分けられる(以下、ラウンド弦、フラット弦と略す)。
ラウンド弦は世間的にいう普通のエレキ弦。芯線に対し、ワイヤー状の巻線を巻いたもので手触りがザラザラしている。

これに対し、フラット弦は芯線に対し、平たいリボン状の巻線を巻きつけたもので、こちらは手触りがツルツルしている(チェロやコントラバスの弦を想像して頂きたい)。

現代でこそラウンド弦がエレキ弦の主流となったが、そもそもはフラット弦の方が主流、というかエレキのラウンド弦が世間に登場したのは1950年代末〜60年代初頭辺りで、それまでエレキ弦といえばフラット弦しかなかったという(この辺り、弦の歴史についての資料が乏しく、本当のところはわからない。アコギ弦は戦前からラウンド弦だったようだし、エレキ弦にも少数ながらラウンド弦はあったような記述もある。筆者の想像だが、エレキギターがラップスチールから発展したことを考えるに、スライドノイズが出ないフラット弦がラップスチールで好まれ、その流れからエレキギター黎明期はフラット弦が主流になっていたのではなかろうか)。

ロックの黎明期には主流だったフラット弦(ビートルズも初期はフラット弦)だが、ロックの激しさが増していくにつれ、ラウンド弦と比較して、ベンドしづらい、サスティーンが足りない、音が太く、歪ませた時に扱いづらい、等々デメリットばかりが強調され、近年ではジャズギター専用弦のような扱いとなってしまっている。
だが、これらのデメリットは裏を返せば、太く歯切れのよい、クリーンでファットな音が出しやすい、というメリットである(ちなみに筆者はサスティーンが足りないとは全く思わない)。

もともと、エピフォンのゼファー・デラックス・リージェントにフラット弦を張っている私。フラット弦の良さは既にわかっているが、ソリッドギターに張った記憶はない……いや、ある。
まだ弦は太ければ太いほどいいと思いこんでいた頃。無銘のデュオソニックシェイプ(シンクロトレムユニットが乗っていた)に13〜56のフラット弦を張り、「うわぁ、もっこもこの音だなぁ」と思った記憶がある。
一瞬、「あんな感じの音になるとちょっと求めてたものと違うなぁ……」と逡巡したが、今はあの頃と違い、多少の知識がある。細めのフラットワウンドならあそこまで太くならないはずだ。

さっそくダダリオのフラットワウンド中、一番細いゲージの弦(10〜48、これでもラウンド弦の最細クラスが08〜38であることを考えればそれなりに太い)を買い、張り替える。
チューニングが安定するまで、弦をギターに馴染ませるように弾き続ける……やはり正解!音の指向性はそのまま、ボトムの不足がなくなった!
もともとの枯れた音に少し丸さが加わり、ブルースだけではなく、ジャズも十分いける音だ。
それにラウンドと比べてもロックに不向きというわけでもない。フラット弦はラウンドと違い、張り替えたばかりでもギラつきは少ないが、それでも軽くクランチさせただけで十分ロックできる明るいドライブトーンが出る(強いて言うなら弦の構造上、ロックギターの定番であるピックスクラッチは不可能だが笑)。

「ソリッドギターにはラウンド弦」というのはもちろん鉄板の組み合わせではあるが、温故知新という言葉もある。古きを訪ねることで開かれる扉は数多い。
ピックアップや機材を見直す前に、自分のプレイとギターの基本的な部分を見直すだけでかんたんに解決することもあるという好サンプルでありましたとさ。
ご参考になればこれ幸い。ではまた!

追伸。
最近ライブがポンポン決まりだしたので、お時間のある方、生ハウリンメガネにご興味のある方は是非。

【ライブ予定】
11月26日(土)
Open 12:00
Start 13:00
¥2,000(1ドリンク込み)
守口Ks 本店(大阪府守口市八雲中町1-2-13・谷町線 守口市駅より徒歩5分)
https://livecafeks-m.crayonsite.net/

そしてジョンの命日である12月18日(土)
※詳細未定
深江橋Ks(大阪府大阪市東成区神路1-5-12 GALAXYビル7F・中央線 深江橋より徒歩3分)
https://livecafeks-m.crayonsite.net/

乞うご期待!



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